崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十三話 ジョーの傷跡

最後の一撃は、せつない

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「フッ、このケンガさまをみくびっちゃ困るぜ!」
 ニヤリと笑うケンガ。彼の前で、なんと炎の塊が相殺された! 地形を作り変えるようなエネルギー方も、異なった属性をぶち込むと勢いを消せるのだ。
「行けっフローレンス!」
「たまには名前で呼ばれるのも新鮮です……ねぇっ! アイアンメテオーッ!」
 フローレンスも素早く鉄球を巨大化させ、思いっきりオーバースローでぶん投げた! 常人なら巨大鉄球を投げるどころか、それを持ち上げられずペチャンコになるだろう。凄まじい怪力だ。
「いっけぇーーーーッ!」
 ギュンギュンギュンッ……バギィッ!
「ヂュウッ…………!」

 ものの見事に着弾して、オオソは斜め上にぶっ飛んだ。そのまま頭から地面に着地。
「ヂュッ、ヂ、ヂュ……」
「……ッ!」
 オオソがだんだんと力尽きていく。最後までその目はナガレを睨んでいた。それはまるで、何かを訴えているような……。
「…………ヂュッ……」 
 そして、ネフェリアス・オオソは完全に沈黙した。それと同時にナガレも足がふらつき、仰向けに倒れてしまった。

「ハラショー! どうだネズミ公! 俺様の力を見たかっ!」
「最後のトドメは私がやりましたけどね~! ……しかし、なんなんでしょうかこれは……」
 ガッツポーズを取るケンガ。フローレンスは喜んでから、不思議そうにオオソの亡骸を見つめる。 
「あれ? もう死んじゃったの~?」
「ニャアたちがきた意味もないにゃ。骨折り損かもにゃあ」
「パイセン! し、しっかりしてっ!」
 ズタボロになったナガレを見て、シャットたちも慌てて駆け寄ってくる。
「……お前たち。どうしてここに?」
 ジョーがナガレを介抱しつつ、驚きの声を上げる。みんな、各々の理由で別の場所にいたはずだが……?
「えーっとねー、信じられないかもしれないけど……」
「……なんだ?」
「だってー、アタイはホクス平原の端っこにいたんだよ? それがいきなり目の前に、黒ずくめのニンゲンお姉さんが現れて、パイセンたちのことを伝えてくれた……なんて言ったら信じるー?」
「む、むぅ……」
 黒ずくめのニンゲンお姉さん、と言われてもジョーにはピンとこない。ナガレなら何か知っているかもしれないが、今聞くことは無理だろう。
「そのお姉さんがみんなに伝えてたみたいで、アタイとサニーさんは騎士隊の馬車をかっぱらって来たんだ」
(また盗んだのか……)
「その途中、続々とみんなに会ってー、最終的に全員でここに来たんだよー。ギュウギュウ詰めで、アタイとミケは上にしがみついてたんだよー!」
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