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第三十三・五話 VSラグナロク・無百
しかし、殺さず
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ナガレはモモとの戦闘については、全く意に介していない。……ただ、ジョーが『ナガレがモモを殺すだろう』と考えていたことについて、本気で理解できなかったようだ。
「酷いぞジョー! お前のこと一心同体の相棒だと思ってたのに……オレが対戦相手を殺すって、本気で思ってたんだな! こんの分からずやぁ!」
「ぐわっよせっ!」
額をグーでぐりぐりされて、ジョーは慌てて後ずさる。それを見たレンたちも、顔を見合わせてからようやく近づいてきた。
「ご、誤解だナガレ……俺は確かに、お前がモモを殺すなんて思っていない。しかし、自分で言うのも何だが、モモの気持ちはよく分かるんだ。モモは部族の戦士。部族の戦士は戦いの中で死ぬことこそ……」
「それであんなムード作ったの? マジで?」
「あ、お、おーい」
倒れた姿勢のまま寂しげに手を振るモモ。先ほどまでのシリアスなムードはどこへ行ったのだろう。
「お、おいナガレ・ウエスト! ちょっちょっとぼくを放置するなよ! ……いや、ホントに良いんだよ?」
「うるさいなぁ、だから殺さないって。立てるならもう行っていいよ」
「いやだから、ぼくは戦士として」「殺さない」
「ここで殺してもマッシバーは」「殺めない」
「無念……さぁナガレ・ウエスト、トドメ「殺めん」
「……ナガレ。その」「絶対に殺めん」
「私も顔を隠してみようかのう」「仮面」
「ジョー君みたいなヤツのことだなぁ」「イケメン」
「スープがこってりした美味しい麺は?」「ラーメン……良い加減にしろ~っ!」
流石にツッコんだナガレ。そしてモモの方へようやく振り返った。
「オレは、なるべく人を殺したくないよ。……戦いの中でどうしてもってことにならない限り。そしてモモとの戦いは、そうじゃなかったでしょ?」
ナガレはポーチから回復薬を取り出した。蓋を開けて、モモのそばにしゃがみ込む。
「……それに、ここでモモに急に反撃されてやられちゃっても、オレの勝ちであることに変わりはないさ。あそこでオレがトドメを刺してたら、モモは死んでたし」
「ま、まあ確かにそうだけど……」
玉兎脚をくらって吹っ飛び、しばらく動けなかったモモ。あの後ナガレがダッシュで接近してマルチスタッフを振り下ろしていれば、モモの命はそこで潰えていただろう。
「だから殺さない。行っていいよ」
「……むぐぐっ! ガプッゴプッ……」
反論を許さず、回復薬をモモの口に押し付けるナガレ。モモは最初は抵抗していたが、そのうち観念して飲み始めた。
「酷いぞジョー! お前のこと一心同体の相棒だと思ってたのに……オレが対戦相手を殺すって、本気で思ってたんだな! こんの分からずやぁ!」
「ぐわっよせっ!」
額をグーでぐりぐりされて、ジョーは慌てて後ずさる。それを見たレンたちも、顔を見合わせてからようやく近づいてきた。
「ご、誤解だナガレ……俺は確かに、お前がモモを殺すなんて思っていない。しかし、自分で言うのも何だが、モモの気持ちはよく分かるんだ。モモは部族の戦士。部族の戦士は戦いの中で死ぬことこそ……」
「それであんなムード作ったの? マジで?」
「あ、お、おーい」
倒れた姿勢のまま寂しげに手を振るモモ。先ほどまでのシリアスなムードはどこへ行ったのだろう。
「お、おいナガレ・ウエスト! ちょっちょっとぼくを放置するなよ! ……いや、ホントに良いんだよ?」
「うるさいなぁ、だから殺さないって。立てるならもう行っていいよ」
「いやだから、ぼくは戦士として」「殺さない」
「ここで殺してもマッシバーは」「殺めない」
「無念……さぁナガレ・ウエスト、トドメ「殺めん」
「……ナガレ。その」「絶対に殺めん」
「私も顔を隠してみようかのう」「仮面」
「ジョー君みたいなヤツのことだなぁ」「イケメン」
「スープがこってりした美味しい麺は?」「ラーメン……良い加減にしろ~っ!」
流石にツッコんだナガレ。そしてモモの方へようやく振り返った。
「オレは、なるべく人を殺したくないよ。……戦いの中でどうしてもってことにならない限り。そしてモモとの戦いは、そうじゃなかったでしょ?」
ナガレはポーチから回復薬を取り出した。蓋を開けて、モモのそばにしゃがみ込む。
「……それに、ここでモモに急に反撃されてやられちゃっても、オレの勝ちであることに変わりはないさ。あそこでオレがトドメを刺してたら、モモは死んでたし」
「ま、まあ確かにそうだけど……」
玉兎脚をくらって吹っ飛び、しばらく動けなかったモモ。あの後ナガレがダッシュで接近してマルチスタッフを振り下ろしていれば、モモの命はそこで潰えていただろう。
「だから殺さない。行っていいよ」
「……むぐぐっ! ガプッゴプッ……」
反論を許さず、回復薬をモモの口に押し付けるナガレ。モモは最初は抵抗していたが、そのうち観念して飲み始めた。
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