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第三十四話 決別の時
久々の鑑定
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「私はしてないわよ。勉強なんてメェ~んどくさいもーん」
「アンタにゃ聞いてないよ」
「最近、ポーツ地方の支部へ行かせてもらってるんですー。あそこはレベルの高い上司の方々もたくさんおられますからねー」
ポーツ地方まではそこそこの距離がある。毎日往復していたら時間も金もすぐ溶けてしまうので、住み込みの仕事なのだろう。
「ドロシー、なんの勉強してんの?」
ナガレの言葉に、ドロシーは「んーー……」と迷った様子を見せた。
「……ホントはもう少しナイショにする予定だったんですけどー……今言っちゃいますねー」
何やサプライズらしい。ナガレたちは顔を見合わせる。
「実は私ー……予言者の勉強してるんですよー!」
「「「え……えぇーーーーーー⁉︎」」」
彼女の言葉に、ナガレもアリッサもルックも一斉に仰天。大声を上げてザザッとのけ反った。
「あら、預言者のこと知ってるの?」
「いや?」「全然知らないよ」「なんとなくすごそうだから……」
「でしょうねっ! 説明もちゃんとしますねー」
ズッコケたイチコさんは放置して、ドロシーが説明を始める。
「預言者はその名の通り、未来の出来事を予言する人なんですー。スキル鑑定と適度な占いしかできない我々の上位互換ですねー」
「ふーん……」
「スキルウォッチャーのグループにも、上層部には予言者が何人かいるんですよー。ただ、当然未来を正確に見るなんて超高難度なことなんですねー。予言者はその人が最も欲している情報ですら、なんとなく予言できるんですー」
例えば「なくしてしまった結婚指輪を探したい!」と言われれば「そなたの自宅をよく探してみろ」という答えが出る。「アナタの身近なところにありますよー」程度しかアドバイスできない占いの上位互換だ。
しかしそれゆえに、扱いはだいぶ難しい。ちょっとやそっとの勉強ではなく、さらにどれだけ学ぼうが、結局は己の才能を試すことになる。非常に困難なイバラの道だ。
「へえ~、そうなんだ……大変だなぁ。でも頑張れよ!」
「えへへー、ありがとーございますー。ナガレさんにそう言ってもらえれば頑張れますよー」
「本当に努力で成り上がろうとしてるボーイの言葉には重みがあるわよねぇ♪」
「……そんじゃナガレ君、そろそろスキル見てもらったら?」
「あ、そうだった」
ナガレはハッとした。ドロシーはどこからともなく水晶玉を取り出してくる。
「それはそれとして、スキルウォッチャーの仕事もちゃーんとやりますよ!」
「アンタにゃ聞いてないよ」
「最近、ポーツ地方の支部へ行かせてもらってるんですー。あそこはレベルの高い上司の方々もたくさんおられますからねー」
ポーツ地方まではそこそこの距離がある。毎日往復していたら時間も金もすぐ溶けてしまうので、住み込みの仕事なのだろう。
「ドロシー、なんの勉強してんの?」
ナガレの言葉に、ドロシーは「んーー……」と迷った様子を見せた。
「……ホントはもう少しナイショにする予定だったんですけどー……今言っちゃいますねー」
何やサプライズらしい。ナガレたちは顔を見合わせる。
「実は私ー……予言者の勉強してるんですよー!」
「「「え……えぇーーーーーー⁉︎」」」
彼女の言葉に、ナガレもアリッサもルックも一斉に仰天。大声を上げてザザッとのけ反った。
「あら、預言者のこと知ってるの?」
「いや?」「全然知らないよ」「なんとなくすごそうだから……」
「でしょうねっ! 説明もちゃんとしますねー」
ズッコケたイチコさんは放置して、ドロシーが説明を始める。
「預言者はその名の通り、未来の出来事を予言する人なんですー。スキル鑑定と適度な占いしかできない我々の上位互換ですねー」
「ふーん……」
「スキルウォッチャーのグループにも、上層部には予言者が何人かいるんですよー。ただ、当然未来を正確に見るなんて超高難度なことなんですねー。予言者はその人が最も欲している情報ですら、なんとなく予言できるんですー」
例えば「なくしてしまった結婚指輪を探したい!」と言われれば「そなたの自宅をよく探してみろ」という答えが出る。「アナタの身近なところにありますよー」程度しかアドバイスできない占いの上位互換だ。
しかしそれゆえに、扱いはだいぶ難しい。ちょっとやそっとの勉強ではなく、さらにどれだけ学ぼうが、結局は己の才能を試すことになる。非常に困難なイバラの道だ。
「へえ~、そうなんだ……大変だなぁ。でも頑張れよ!」
「えへへー、ありがとーございますー。ナガレさんにそう言ってもらえれば頑張れますよー」
「本当に努力で成り上がろうとしてるボーイの言葉には重みがあるわよねぇ♪」
「……そんじゃナガレ君、そろそろスキル見てもらったら?」
「あ、そうだった」
ナガレはハッとした。ドロシーはどこからともなく水晶玉を取り出してくる。
「それはそれとして、スキルウォッチャーの仕事もちゃーんとやりますよ!」
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