崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十四話 決別の時

喧騒

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「ああ、よろしく!」
「はいはいはい、そんじゃ久しぶりのスキル鑑定行きますよ~。ルエーミラカチ・ルーレカハラカチ……」
 水晶玉がパァァァァ……と輝く。それを見たドロシーは、紙に色々とデータを書き込んでいると……。

「う、ウソだろぉぉぉぉぉぉッ⁉︎」
「ファ⁉︎」「なぬ!」「うぇぇ⁉︎」
 突然外から、もんのすごい大声が聞こえた。ビクッとしてそちらを向く一同。そのはずみでゴロッと水晶玉が落ちそうになり、イチコさんがかろうじてキャッチする。
「あ、あっぶないわねぇ! スキル鑑定業界じゃ指折りの特注品なのよっ⁉︎」
 彼女の文句は、他の冒険者には届かない。喧騒はどんどん大きくなっていく。
「……今の、タネツさんの声じゃ⁉︎」
「た、確かに。外が騒がしいぞ!」
 そんなことを話す間に、どんどん聞き覚えのある声が増えていく。
「……なんですって! それは本当なのですか!」
「ガチで言ってんのー⁉︎ そ、それすごいことじゃんーーっ⁉︎」
「マジッスか⁉︎ ほほほっほほ本当にそんなことあったんッス⁉︎」
「マヂで! そ、そんなことが! これはパネェリアルガチの大事件だしぃ⁉︎」
 サニー、シャット、ベネット、センチア……彼らも皆揃って驚愕しているようだ。何が起こったのか、ナガレたちも外へ飛び出した。

 バサバサバサッ! とカーテンを押し除けて、曇り空の下に飛び出した。そこには、町の大通りに人だかりができている。
 その真ん中にいるのは……鎧を着た渋イケおじの騎士団長クリストフだ! クールな鎧姿のまま手頃な木箱に乗っかって、得意げな笑顔で何か話している。
 手には何やら、紙を細長く丸めたようなものを持っていた。
「な、なんだこの人だかり?」
 キョトンとするナガレ。するとクリストフは早速ナガレへ気付いたようだ。
「むっ、そこにおわすは厄介者の冒険者じゃあないか。貴様にとっては残念なお知らせだろうな!」
「なにがあったんですか?」
「騎士のおっさん、えらくゴキゲンだな」
 ナガレはクリストフを無視した。まだ状況が飲み込めない。アリッサとルックの問いに、クリストフは「ふっ!」と笑って手に持っていた紙を差し出した。
「やあケラン兄弟さん。これを見てくれ。ロードバッツ王国騎士団によって、正義が執行されたのだ! はーっはっはっは、冒険者如きが出る幕もなかったなぁ!」
「えーとなになに……」
「俺にも見せろよねーちゃん。……なぁっ⁉︎」
「なんだよオレにも見せてよぉ。……って、なんだってーーーーッ⁉︎」
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