崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第三十四話 決別の時

理解は難しい…

「ナガレ君はそんな奴じゃ……」
「マスター！　ちょいちょい、ちょっと落ち着けや」
　アルクルに頭を押さえられ、レンも我に返った。……それを救えず、ナガレは泣くほど悔やんでいたのだ。彼の傷をさらに抉るような真似はしたくない。
「どうしたんですか？　大声出したっきりしばらく黙っちゃって」
「い、いや。えーと、そうじゃ。あー、そんな仲間を疑うようなことは良くないぞ。チームなら信頼し合うべきじゃ。うん、そうじゃな」
　キョトンとするフローレンスたちに、レンは慌てて取り繕った。
「ふん、言われるまでもない。俺様ほど仲間を大切にしている冒険者はどこにもいないだろう」
「分かってますよう。ナガレさんもこれでギルドに集中してくれるはずって話です」
「う、うむ。なら良い」
　うまいこと取り繕った途端、またまたバタン！　とウェスタンドアが開いてヒズマが駆け込んできた。
「たたたったた大変よ～！　イビル教団の司祭が……」
「このくだりさっきも見たわ！」
「え、そ、そうなの？　なんだ～びっくりしたわ～」
　色っぽく体を落ち着かせながら、ヒズマは「ふーっ」と椅子に座った。
「みんな知ってるのね～。イビル教団の司祭が逮捕された」
「うん、今その話をしとるんじゃ」
「っていう件で、来週くらいにイツマム家のディズさんがこのギルドに来るってこと～」
「それは初耳じゃあ⁉︎」
「それを先に言えっ一大事じゃねーかぁっ！」
「言おうとしてたじゃない～！　だって知ってるって～……」
　今日もバッファローは平和である。


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　そんなことがあった翌日のこと。



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　そんなことがあった次の日。お昼時の高台広場にて、ナガレが特訓していた。
「まだまだぁ！　どんどん来いッ！」
「では行くぞ！　ハイパーウルトラ超絶連射砲、捌いてみろ！」
「フハハハハッハッハハァッ！　見切れ見切れ見切って見せよーッ！」
　ジュランにて魔改造され、装填が大幅に改善された小さなピッチングマシン。大砲のように横向きの筒にバネが仕込まれている。筒に爆弾やら何やら球を入れて、バネを引き話すと発射される、七十年くらい前までそこそこ使われていた固定兵器。
　なお、大砲やバリスタの台等により「こっちで良くね？」となったらしく、現在は使われていない。
「ドララララーーッ！」
　二人は砂が入ったお手玉みたいなボールを怒涛の勢いで連射していた。ルックはひたすらお手玉を込め、アリッサは必死でバネを何度も引いて離している。