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少しクセのある、柔らかそうな髪。優しさが目尻からこぼれ落ちる、控えめな微笑み。白衣がよく似あう、広くて薄い肩に細い腰、すらりと伸びた脚。長く骨張った指。低くまろやかで耳に心地よい声。
ベッドに横になったまま、シュウは顔を両手で覆ってため息をつく。
思い浮かべるだけで、欲情してしまった。やはり自分には、見ているだけなんて無理だ。触れて触れられて、抱きあってキスしたい。あの声で、耳もとでささやいて欲しい。あの指で、ここに触れて欲しい。
ぎゅっと目を閉じ、泣きたいような気分で、シュウはつややかな生地越しに、胸の突起に右手で触れた。触れる前からもう固くなっている。自分に腹が立つが、指の動きは止められない。
「んっ……」
いっそ、こうしてこっそり性欲を処理して、ダイスケの前ではきれいな心と身体だというふりをしたい。そんなことを思ってしまい、ますます泣きたくなる。今さらすぎるだろう。
そっと下着の中に左手を入れると、ぬらりとした先端に指先が触れる。ダイスケの手を思い浮かべながら、自分の硬い熱を包みこみ、扱く。
ダイスケも男だから、性欲と無縁のはずがない。あのルックスならモテるだろう。年齢的にも、妻子だっていておかしくないし、今は一人だからオナニーぐらいするはずだ。オナニーするぐらいなら、自分に相手をさせて欲しい。一度、磨いたテクニックでダイスケをさんざん楽しませたら、よくベッドを共にする仲になれないだろうか。なんだっていい、一緒にいたい。肌をあわせたい。抱かれたい。
「ああっ……」
もうめちゃくちゃだ。高まる快感に引きずられるように、思いが暴走する。最奥がうずきはじめ、我慢できない。ズボンを下着ごと下げて横向きになり、胸をいじっていた右手を口に含んで唾液を絡めてから、そこにそっと指を入れる。左手はその間も自身を扱き続け、先端からあふれる体液でベタベタだ。
「あっ、ああっ……」
自分への嫌悪も、快感に押しのけられた。中に入れた指が、感じる場所を探し回る。
目を閉じ、ひたすら自分に快感を与えることだけに集中する。身体を丸め、自分の前後を激しく責める身体が、薄い毛布ごしになまめかしくうごめく。荒い呼吸がキヨヒトの紡ぐ音楽と絡みあう。
「んっ……!」
みしりとベッドがきしみ、シュウは自分の手の中に吐情した。少し上気した顔でティッシュに手を伸ばし、汚れた両手を拭き取る。
苦い快楽の余韻に、深いため息。誰かを思い浮かべながらのオナニーは、初めてかも知れない。これまではそんなことをする暇もなく、必要も感じなかった。
「俺、やっぱり本気になっちゃったのかなあ……」
つぶやくと、シュウはベッドの上で大の字になった。白い天井をじっと見つめる。
性欲にまみれて生きてきた自分は結局、なによりセックスを一番に考えてしまうらしい。それなら開き直って、このままの自分でダイスケに接しよう。
ベッドに横になったまま、シュウは顔を両手で覆ってため息をつく。
思い浮かべるだけで、欲情してしまった。やはり自分には、見ているだけなんて無理だ。触れて触れられて、抱きあってキスしたい。あの声で、耳もとでささやいて欲しい。あの指で、ここに触れて欲しい。
ぎゅっと目を閉じ、泣きたいような気分で、シュウはつややかな生地越しに、胸の突起に右手で触れた。触れる前からもう固くなっている。自分に腹が立つが、指の動きは止められない。
「んっ……」
いっそ、こうしてこっそり性欲を処理して、ダイスケの前ではきれいな心と身体だというふりをしたい。そんなことを思ってしまい、ますます泣きたくなる。今さらすぎるだろう。
そっと下着の中に左手を入れると、ぬらりとした先端に指先が触れる。ダイスケの手を思い浮かべながら、自分の硬い熱を包みこみ、扱く。
ダイスケも男だから、性欲と無縁のはずがない。あのルックスならモテるだろう。年齢的にも、妻子だっていておかしくないし、今は一人だからオナニーぐらいするはずだ。オナニーするぐらいなら、自分に相手をさせて欲しい。一度、磨いたテクニックでダイスケをさんざん楽しませたら、よくベッドを共にする仲になれないだろうか。なんだっていい、一緒にいたい。肌をあわせたい。抱かれたい。
「ああっ……」
もうめちゃくちゃだ。高まる快感に引きずられるように、思いが暴走する。最奥がうずきはじめ、我慢できない。ズボンを下着ごと下げて横向きになり、胸をいじっていた右手を口に含んで唾液を絡めてから、そこにそっと指を入れる。左手はその間も自身を扱き続け、先端からあふれる体液でベタベタだ。
「あっ、ああっ……」
自分への嫌悪も、快感に押しのけられた。中に入れた指が、感じる場所を探し回る。
目を閉じ、ひたすら自分に快感を与えることだけに集中する。身体を丸め、自分の前後を激しく責める身体が、薄い毛布ごしになまめかしくうごめく。荒い呼吸がキヨヒトの紡ぐ音楽と絡みあう。
「んっ……!」
みしりとベッドがきしみ、シュウは自分の手の中に吐情した。少し上気した顔でティッシュに手を伸ばし、汚れた両手を拭き取る。
苦い快楽の余韻に、深いため息。誰かを思い浮かべながらのオナニーは、初めてかも知れない。これまではそんなことをする暇もなく、必要も感じなかった。
「俺、やっぱり本気になっちゃったのかなあ……」
つぶやくと、シュウはベッドの上で大の字になった。白い天井をじっと見つめる。
性欲にまみれて生きてきた自分は結局、なによりセックスを一番に考えてしまうらしい。それなら開き直って、このままの自分でダイスケに接しよう。
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