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矮人族のこと
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この冥界にはたくさんの小世界があり、主な住人である魔族と魔獣たち以外にも、妖精、幻獣、半獣など様々な種族が暮らしています。
もっとも数が多く勢力があるのは魔族たちです。冥界じゅうに集落がありますが、多くは冥王さまとともに都に住み、長命で、この頃はおおよそ人間界の中近世ぐらいの文化的生活を送っておりました。
魔獣たちもいばっています。彼らは体が大きくて鋭い牙を持つ、凶暴な種族です。
魔獣たちは冥王さまの配下ではありません。どう猛で飼い慣らすことができないのです。魔族を襲って食べる個体もいます。冥王さまの黒天馬のように、手懐けられる獣は、凶暴性が少ないので魔獣と区別され幻獣と呼ばれています。
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それとは反対に、体の小さな小動物や妖精、獣人などは、冥府から遠い森や山の中で、目立たずつつましく暮らしていました。
そのほうが野蛮な魔族たち(←他種族からはそう思われていました)の内紛に巻き込まれずに済みましたし、ましてや「冥王とかいう神さまにもし認識されてしまったら、種族ごと手下にされてしまう」と危ぶんでいたのかもしれません。
まあ、冥王さまは実際のところ、それらの種族については『取るに足らぬ、ささいな者たち』と見当をつけて放置というか、見のがしておられただけなのですが……。
矮人族もそうした少種族の一種です。(魔族風の呼び方ではドヴェルグ族ですが、人間たちは『ドワーフ族』と呼んでいます)
地中のトンネルに住む、ずんぐりむっくりとした体形の小人族でした。
すらっと背が高い魔族と比べると身長は半分ぐらい。子どものように見えますが、みな恰幅がよく、髭を生やしています。
矮人族は地中深い冥界の森のさらに下にある、広大な地下の洞窟を棲み家としておりました。手先が器用で目利きにもすぐれていたので、宝石などを採掘したり、鉄を鍛えて鋼の武器をつくったり、金属加工技術をいかして宝飾品や道具をつくって暮らしていました。
彼らの食べものは、主に幻獣です。といっても黒天馬のような大きなものではなく、ウサギやリスに似た小動物を食べます。矮人族は棲み家の出入り口やトンネル内に、器用にワナをしかけて、ウサギに似た幻獣をつかまえて食料にしていました。もちろんそれだけではなくて、近ごろは鉱石や武具を売った財で魔族から穀物を買い、パンを捏ねたりもします。
緑の野菜を食べる習慣がないのは魔族と同様です。というのも冥界では少々イモが採れるぐらいで、野菜はほとんど育ちませんからね。
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さて、どうしてそんな少種族のお話をしたのかといいますと、じつは王子さまの落っこちた穴は、この矮人族の棲み家だったのです。地下トンネルの出入口に仕掛けられた、穴ウサギ捕獲用のワナに、王子さまは偶然すっぽりと引っかかったのでした。
穴ウサギ用のワナは、網に穴ウサギが落ちてくると入口がすぼまって出られなくなる仕掛けでした。けれども王子さまはウサギよりはずいぶん大きかったので、アミがビリッとやぶれ、周りの土と一緒にトンネル内に落ちて倒れていました。
もっとも数が多く勢力があるのは魔族たちです。冥界じゅうに集落がありますが、多くは冥王さまとともに都に住み、長命で、この頃はおおよそ人間界の中近世ぐらいの文化的生活を送っておりました。
魔獣たちもいばっています。彼らは体が大きくて鋭い牙を持つ、凶暴な種族です。
魔獣たちは冥王さまの配下ではありません。どう猛で飼い慣らすことができないのです。魔族を襲って食べる個体もいます。冥王さまの黒天馬のように、手懐けられる獣は、凶暴性が少ないので魔獣と区別され幻獣と呼ばれています。
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それとは反対に、体の小さな小動物や妖精、獣人などは、冥府から遠い森や山の中で、目立たずつつましく暮らしていました。
そのほうが野蛮な魔族たち(←他種族からはそう思われていました)の内紛に巻き込まれずに済みましたし、ましてや「冥王とかいう神さまにもし認識されてしまったら、種族ごと手下にされてしまう」と危ぶんでいたのかもしれません。
まあ、冥王さまは実際のところ、それらの種族については『取るに足らぬ、ささいな者たち』と見当をつけて放置というか、見のがしておられただけなのですが……。
矮人族もそうした少種族の一種です。(魔族風の呼び方ではドヴェルグ族ですが、人間たちは『ドワーフ族』と呼んでいます)
地中のトンネルに住む、ずんぐりむっくりとした体形の小人族でした。
すらっと背が高い魔族と比べると身長は半分ぐらい。子どものように見えますが、みな恰幅がよく、髭を生やしています。
矮人族は地中深い冥界の森のさらに下にある、広大な地下の洞窟を棲み家としておりました。手先が器用で目利きにもすぐれていたので、宝石などを採掘したり、鉄を鍛えて鋼の武器をつくったり、金属加工技術をいかして宝飾品や道具をつくって暮らしていました。
彼らの食べものは、主に幻獣です。といっても黒天馬のような大きなものではなく、ウサギやリスに似た小動物を食べます。矮人族は棲み家の出入り口やトンネル内に、器用にワナをしかけて、ウサギに似た幻獣をつかまえて食料にしていました。もちろんそれだけではなくて、近ごろは鉱石や武具を売った財で魔族から穀物を買い、パンを捏ねたりもします。
緑の野菜を食べる習慣がないのは魔族と同様です。というのも冥界では少々イモが採れるぐらいで、野菜はほとんど育ちませんからね。
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さて、どうしてそんな少種族のお話をしたのかといいますと、じつは王子さまの落っこちた穴は、この矮人族の棲み家だったのです。地下トンネルの出入口に仕掛けられた、穴ウサギ捕獲用のワナに、王子さまは偶然すっぽりと引っかかったのでした。
穴ウサギ用のワナは、網に穴ウサギが落ちてくると入口がすぼまって出られなくなる仕掛けでした。けれども王子さまはウサギよりはずいぶん大きかったので、アミがビリッとやぶれ、周りの土と一緒にトンネル内に落ちて倒れていました。
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