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シークレット・ラスト5
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一年二組
「麻子、本当に大丈夫か?」
昴が入院していた一か月間、麻子はほとんどクラスメートたちと話していないようだった。彼女を気にしてくれていた子たちもいたようだが、同情の思いが強いみたいだった。
誰も麻子の本質を見ようとはしない。結局、自分自身が大切なのだ。
「うん。大丈夫」
二人は一年二組の教室の前に立っていた。
深呼吸をする。
クラスメートは自分のことをどう思っているのだろうか。
だが、逃げてばかりだと何も変わらない。それに、一人じゃない。
昴がいる。
こうして、手をつないでいてくれる。
心配をしてくれる。
愛する人となら乗り越えていけるような気がした。今後、昴も麻子も自分を見失うことはない。
そのことに、気が付かせてくれたのは彼だ。
愛の力は偉大である。
手をつないだまま、教室のドアを開けた。すると、クラスメートたちが駆け寄ってきた。ごめんなさいと素直に頭を下げる。
私たち、俺たちが悪かったという謝罪の言葉。
ポロポロと涙を流している子もいる。謝りたくてもタイミングを逃してきたのだろう。今回の経緯も聞きこれで、クラスメートたちのすれ違いもなくなるはずである。お互いの気持ちが?み合わなかっただけだ。
聞けたクラスメートの本心に昴も麻子もほっとした。その間にも学校の行事が沢山解散される。
初めての文化祭に体育祭。
野外活動にクラスマッチ。
遅れてしまった青春はこれからだ。
そして、雄二は事件の全てが解決した後、児童養護施設「憩いの場」から昴を引き取った。少しでも、彼のことを見ておきたかったからだ。
麻子と昴の関係も何も言わない。
付き合いを認めているのだろう。
その雄二の思いに麻子も昴も甘えていた。
幸美も琥珀もよく遊びに来てくれている。
――麻子ちゃん、昴君。
元気?
――無理をしないでね。
いつでも、話を聞くわ。
――私たちがいることを忘れないでね。
いつも、優しい言葉をかけてくれる。気が付けばお姉ちゃん的存在になっていた。
一緒にゲームをして。
琥珀から料理を教わって。
本を読んで、テレビを見て。
他愛もない話が幸せだった。
血のつながりはないが、一つの家族のようだ。これが、昴と麻子にとって自慢の家族である。
他の家と変わらない。
手に入れた自分たちの居場所。
これを、手放したくなかった。
もし、この場所を奪おうとする者が現れた時は、全力で戦うだろう。
まもる人がいれば強くなれる。
きっと、戦える。
「私の方こそ、隠すようなことをしてごめんね」
麻子はいつもかけていた眼鏡をはずし、前髪をセットした状態で登校をしていた。
「何で、中田さんが謝るの! あなたは何も悪くないわ」
「受け入れてくれてありがとう」
嫌われたかと思っていた。
麻子は涙を流す。
昴がハンカチを渡した。
「中田さんを見て思ったの。クローンも人間も関係ない」
「これから、よろしく」
クラスメートの女子が麻子を抱きしめた。それを、昴が無表情に引き?がした。どうやら、女子生徒に対して、嫉妬をしたようである。その姿は毛並みを立てて、警戒をしている小動物のようだった。
昴の方は相変わらず、クラスメートたちと距離をおいているらしい。彼にあった付き合い方を模索していくしかないのだろう。
「男の嫉妬は見苦しいですよ? 桜井先輩」
「僕はまだ、君たちを完全に信用したわけではない」
その言葉の裏にあるのは、彼女に何かあったら許さないといったけん制でもあった。
昴から感じるのは多少の苛立ち。
彼からの圧力にクラスメートたちは頷いた。麻子が大丈夫、大丈夫よと昴を宥める。
「昴。皆、怯えているわ。止めてあげて」
「中田さん。桜井先輩の愛、重くない?」
「そう? 私たちにとってこれが、日常よ」
「まぁ、愛されているものね。終わりよければ全てよし」
「――そうね」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
ホームルームが始まる鐘が鳴る。
「じゃあ、また昼休憩に」
「そうだ。昴」
「何だ?」
「昼休憩はクラスメートと一緒じゃダメかしら?」
麻子のクラスメートたちの交流もこうして増やしていけばいい。そうすれば、警戒心もなくなるし、クラスメートたちの素直さを受け止めることができるだろう。
ただ、彼の場合、独占欲が強いだけで。
ゆっくりでいい。
心を開いてくれればそれでよかった。
学校で一緒にいる時間は減ってしまうかもしれないが、その分、家でイチャイチャする時間を増やせばいいだけの話だ。
それで、様子を見てみようかと麻子は思った。そんな昴は諦めたように溜息をついている。
「好きにすればいい」
彼は麻子の額に口づけを落とした。女子生徒からきゃあ、と黄色い悲鳴が聞こえてくるが気にしない。
自分たちなりのスキンシップ。
最近、二人が取り入れた通常の「サイクル」。
お互いの愛情を確かめる方法。
少し歪んだ「愛」の形。
これが、たどり着いた二人の「シークレット・ラブ」。
「麻子、本当に大丈夫か?」
昴が入院していた一か月間、麻子はほとんどクラスメートたちと話していないようだった。彼女を気にしてくれていた子たちもいたようだが、同情の思いが強いみたいだった。
誰も麻子の本質を見ようとはしない。結局、自分自身が大切なのだ。
「うん。大丈夫」
二人は一年二組の教室の前に立っていた。
深呼吸をする。
クラスメートは自分のことをどう思っているのだろうか。
だが、逃げてばかりだと何も変わらない。それに、一人じゃない。
昴がいる。
こうして、手をつないでいてくれる。
心配をしてくれる。
愛する人となら乗り越えていけるような気がした。今後、昴も麻子も自分を見失うことはない。
そのことに、気が付かせてくれたのは彼だ。
愛の力は偉大である。
手をつないだまま、教室のドアを開けた。すると、クラスメートたちが駆け寄ってきた。ごめんなさいと素直に頭を下げる。
私たち、俺たちが悪かったという謝罪の言葉。
ポロポロと涙を流している子もいる。謝りたくてもタイミングを逃してきたのだろう。今回の経緯も聞きこれで、クラスメートたちのすれ違いもなくなるはずである。お互いの気持ちが?み合わなかっただけだ。
聞けたクラスメートの本心に昴も麻子もほっとした。その間にも学校の行事が沢山解散される。
初めての文化祭に体育祭。
野外活動にクラスマッチ。
遅れてしまった青春はこれからだ。
そして、雄二は事件の全てが解決した後、児童養護施設「憩いの場」から昴を引き取った。少しでも、彼のことを見ておきたかったからだ。
麻子と昴の関係も何も言わない。
付き合いを認めているのだろう。
その雄二の思いに麻子も昴も甘えていた。
幸美も琥珀もよく遊びに来てくれている。
――麻子ちゃん、昴君。
元気?
――無理をしないでね。
いつでも、話を聞くわ。
――私たちがいることを忘れないでね。
いつも、優しい言葉をかけてくれる。気が付けばお姉ちゃん的存在になっていた。
一緒にゲームをして。
琥珀から料理を教わって。
本を読んで、テレビを見て。
他愛もない話が幸せだった。
血のつながりはないが、一つの家族のようだ。これが、昴と麻子にとって自慢の家族である。
他の家と変わらない。
手に入れた自分たちの居場所。
これを、手放したくなかった。
もし、この場所を奪おうとする者が現れた時は、全力で戦うだろう。
まもる人がいれば強くなれる。
きっと、戦える。
「私の方こそ、隠すようなことをしてごめんね」
麻子はいつもかけていた眼鏡をはずし、前髪をセットした状態で登校をしていた。
「何で、中田さんが謝るの! あなたは何も悪くないわ」
「受け入れてくれてありがとう」
嫌われたかと思っていた。
麻子は涙を流す。
昴がハンカチを渡した。
「中田さんを見て思ったの。クローンも人間も関係ない」
「これから、よろしく」
クラスメートの女子が麻子を抱きしめた。それを、昴が無表情に引き?がした。どうやら、女子生徒に対して、嫉妬をしたようである。その姿は毛並みを立てて、警戒をしている小動物のようだった。
昴の方は相変わらず、クラスメートたちと距離をおいているらしい。彼にあった付き合い方を模索していくしかないのだろう。
「男の嫉妬は見苦しいですよ? 桜井先輩」
「僕はまだ、君たちを完全に信用したわけではない」
その言葉の裏にあるのは、彼女に何かあったら許さないといったけん制でもあった。
昴から感じるのは多少の苛立ち。
彼からの圧力にクラスメートたちは頷いた。麻子が大丈夫、大丈夫よと昴を宥める。
「昴。皆、怯えているわ。止めてあげて」
「中田さん。桜井先輩の愛、重くない?」
「そう? 私たちにとってこれが、日常よ」
「まぁ、愛されているものね。終わりよければ全てよし」
「――そうね」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
ホームルームが始まる鐘が鳴る。
「じゃあ、また昼休憩に」
「そうだ。昴」
「何だ?」
「昼休憩はクラスメートと一緒じゃダメかしら?」
麻子のクラスメートたちの交流もこうして増やしていけばいい。そうすれば、警戒心もなくなるし、クラスメートたちの素直さを受け止めることができるだろう。
ただ、彼の場合、独占欲が強いだけで。
ゆっくりでいい。
心を開いてくれればそれでよかった。
学校で一緒にいる時間は減ってしまうかもしれないが、その分、家でイチャイチャする時間を増やせばいいだけの話だ。
それで、様子を見てみようかと麻子は思った。そんな昴は諦めたように溜息をついている。
「好きにすればいい」
彼は麻子の額に口づけを落とした。女子生徒からきゃあ、と黄色い悲鳴が聞こえてくるが気にしない。
自分たちなりのスキンシップ。
最近、二人が取り入れた通常の「サイクル」。
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