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赤いづきんの女の子
しおりを挟むある晴れた日俺は行くあてもなく歩いていた、俺達オオカミは狩りを生業としているが俺は狩りが苦手で争いを好まない、それだけなら何も無かったかも知れない、、、しかし父が村のリーダーなのだ、それで父、母からも他の仲間からもバカにされて拗ねて村から出てきたのだ
しばらく歩いていると綺麗な花畑が見えてきた、そこに1人の赤いづきんを被った女の子が花を積んでいた、怖がらせてはいけないとすぐその場を立ち去ろうとしたが足元にある木を踏んずけて音を鳴らしてしまった。
「誰かいるの?」
そうして彼女はゆっくりとこちらを向いて一瞬驚いたような顔をしたが、すぐ笑顔になり。
「なんだオオカミさんだったの、どうしたの?迷ったの?」
と話しかけてきた。
「お、お前が怖くないのか?オオカミだぞ?とって食べちまうかもしれないぞ?」
すると彼女は笑いながら。
「襲おうとしているなら後ずさりしなくてもいいじゃない、こっちに来てお話しましょ?それにオオカミさんと話すのって初めてなの」
と言いながら彼女は自分の座っている横をトントンと叩きながら俺が座るのを促した。
そうして俺は彼女に自分が仲間のオオカミ達にバカにされていることと、自慢の弟の話をした。
「聞いてくれよ!俺の弟は凄いんだ!狩りも上手いし頭も切れるんだ!このまま行けば時期村のリーダーだ!ホントに兄であることが情けない、、、」
「あら、オオカミさんのお父さんは村のリーダーなのね」
どれくらい話しただろう気づけば空は夕焼けに照らされ、先程まで拗ねていたのにそんな事も忘れて話し込んでしまった。
「オオカミさん今日はありがとう、貴重なお話を聞かせてくれて、良かったらその自慢の弟さんにも今度合わせてね」
「あぁもちろん!弟は人を襲わない!約束するよ」
そして俺は家に帰って弟に今日あったことを話した。
「すごいんだよ!その子!俺にビビらないんだ!次行く時リブラも一緒に行こう!」
「兄さんがそんだけ嬉しそうに話すのは珍しいね、オオカミにビビらない女の子か確かにちょっと興味あるね、、、次行く時僕もついて行こうかな」
その話をした俺はルンルンな気分で自室に戻り、大好きな弟に今日知り合った少女と3人で仲良く話すのを考えながら寝支度をした。
コツコツコツと夜の薄暗い廊下に響き渡る、行先は1匹のオオカミの部屋だ、行きなれた部屋のドアを少し開けると幸せそうに寝る別のオオカミの姿があった。
「兄さんごめん」
そして翌日俺は弟を連れて意気揚々と昨日の花畑のところに訪れた、すると昨日と同じ場所に赤いづきんの女の子が居た。
「お~い今日は弟を連れてきたぞ!」
「あら、ホントに連れてきたのね」
すると昨日見せた優しい笑いを弟にも向けた。
「初めまして、昨日は兄さんがお世話になりました、リブラとお申します」
「あらご丁寧に、私は赤づきんと呼んで」
そうして今日は弟含めて3人で楽しく話をして1日を終えた、そんな日が続くと思っていた、、、
~数日後~
その日は朝から雨がポツポツと降ってる日だった、俺は朝から用事があったので早く家から出ることにした、そうすると玄関で弟が俺を呼び止めた。
「兄さん、気をつけて、ゆっくり行ってきてね」
「あ~分かってるよ」
それだけ交し俺は家を出た。
用事が思いの外早く終わり俺は帰路に着いた、その頃には外は酷い雨風になっていた。
「ただいま~」
俺が家に帰ると両親が慌ただしく右往左往していた。
「なんかあったの?」
そう聞くと両親が朝俺の後に出かけた弟がこんな天気になっても家に帰ってないという事を聞いた、それを聞いていても立ってもいなくなり俺はすぐ家を飛び出した。
弟が何処にいるかも分からないが走っている脚が止まることはなかった、そして何故があの花畑にたどり着いた。
「くっそ雨で匂いが流れてわかんね」
すると雨風は収まることなく雷もなり始めた。
「くっそ、帰ったら美味いもん食わして貰わねーとな」
すると鳴っていた雷が一瞬止まった、その瞬間
ドンッ!!
鈍い音が森に響いた、聞いたことの無い音、しかし俺の野生の勘が向こうに弟がいると叫んでる、猛ダッシュで音のなった方に走ると1件の小さな家があった。
「人の家か、、、でも微かに弟の匂いがするんだよな、、、」
俺はその家をノックした、するとそこから出てきたのは赤づきんだった。
「あら?また珍しいお客さんね」
「赤づきん!ここは君の家だったんだね、そうだ話を聞いてくれ!」
「それはそうと雨に濡れるわ家に入りましょ」
そう言うと赤づきんはタオルを俺に渡し家に招いてくれ暖かいコーヒーを出してくれた。
「そうだ!赤づきん弟がここに来なかったか!?微かだがここから弟の匂いがしたんだ!」
そうすると赤づきんはいつもの優しい笑顔でこう話した。
「貴方はこんな話聞いた事ある?ココ最近オオカミ狩りが行われていて、事実たくさんのオオカミが減っている」
「そ、その話なら弟から聞いたよ何とか食い止めなければって躍起になってたからな」
「そう、なら話が早いわそれでね弟さん気づいちゃったのよオオカミ狩りの犯人に」
「な!?そいつは誰なんだよ!」
すると赤づきんは椅子から立ち奥の部屋からおどろおどろしいものを持ってきた。
「赤づきん、、、お前それ、、、」
「ふふふ村の落ちこぼれさんでもこれくらいわ分かるのね」
赤づきんの手に握られていたものは間違いなく俺の弟の生首だった。
その瞬間考える間もなく俺の爪は赤づきんの喉元を刈り取った、、、と思った
ドンッ!!
森で聞いた鈍い音が鳴ったと共に左足の自由が効かなくなった。
「猟師さん遅いじゃない、私が死んじゃったら貴方の仕事、困るでしょう?」
と微笑む赤づきんの後ろから銃を持った1人の女性が現れた。
「何を言ってるんだい、相手を煽ったらそうなるに決まっているだろう」
足が痛むがまだ手と片足は動く、2人が話している間に飛びかかろうとしたその時。
ドンッ!!
両足に襲いかかる痛み、、、でもまだ手はうごk
ドンッ!! ドンッ!!
俺は為す術なく両手、両足を撃たれた。
「ちょっと猟師さんそんなに撃ったら私の家が血まみれになるじゃない」
そういう赤づきんの顔はいつも見る優しい笑顔では無く酷く醜い顔だった
「すまない、このオオカミがまだ動きそうだったので」
「まぁいいわ」
そうすると赤づきんは10キロはありそうなハンマーを手に持ち1歩、また1歩と近づきハンマーを振りかざし。
「ありがとう間抜けなオオカミさん、貴女のお陰でオオカミを2匹狩れたわ」
そうハンマーを振り下ろした瞬間の彼女はいつも通りの笑顔だった。
~赤づきんside~
ふぅまさかオオカミを2匹を狩れるとは今日はとても幸せな日ですね、とても気分がいいです、そうだ猟師さんにお礼を言っときましょう。
「今回もありがとうね、猟師さん」
「これが私の仕事だからね、、、それにしても君の手口は本当に心を痛めるよ」
この人は何を言っているのでしょうか?この人が仕事が上手くいってないからいい方法があると紹介してあげて、実際それで生活できていると言うのに。
「何を言ってるんですか、この作戦はお互いWin‐Winで猟師さんも納得したでしょう?」
「そ、それは、、、そうだけど!」
「うるさいな!仕事が終わったならさっさと帰れよ!」
すると猟師さんは慌てて家を飛び出して行きました。
「よしよし、これで誰もいない」
そうすると少女は頭のづきんを手に取りそれで飛び散った血を拭き取りおもむろにそのづきんで顔を拭いた。
「ん~新鮮な血の匂い」
その匂いにしばらく浸り彼女はおもむろに家を出た、空は際ほどの悪天候と打って変わって晴天だった。
「あ、そうだアレどうしましょう、、、まぁいっかこの辺の人はもう居ないんだし」
そう言って彼女はいつもの花畑へと歩みを進めるのだった
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