【白銀の黒帝:17】女神の紋章と紋章なし王子

八木恵

文字の大きさ
1 / 33
1章:プロローグ

女神紋と不遇な王子

しおりを挟む
人間の多くするセロウノ大陸。

ここには、現在6つの国が存在し、最南にあり島々を統治する海洋国家、西側から中央までを統治する王国、ダンジョンを保有して、魔導具が発達した、中央から北東にかけて統治する魔導国家、東海岸線にある臨海国家、南東半島にはドワーフがすむドワーフ国、北西から北にあるのが女神を崇拝する聖国である。

人間社会では、女神の啓示により女神の紋章というのが与えられる。
第1紋は、近接戦に特化し、身体強化、加速、武器の扱いが得意となる。 近接に特化した魔法の威力が強い
第2紋は、威力型に特化し、魔法の威力が強い
第3紋は、回復、防御、支援に特化している。 努力すれば結界、浄化もつかえるようになる
第4紋は、生産特化で、付与魔法、無属性の次元もここに含む

紋章の付与式は、5歳になった際にみな教会でおこなわれる。女神の啓示は500年以上経過し、最初は聖国のみだったが徐々にひろがり、今やドワーフ以外の国でとりおこなわれている。 魔導国家は任意としている。

尚、5歳の紋章式で紋章を得ることができなかった子供は、魔力が安定されるといわれる7歳になる際に再度受けることができる。 本儀式が始まって以来、紋章式にでて紋章を得られなかった子供はいなかった。

◇◇◇
そして、ここに、王国の第二王子アレクサンドルという5歳になる少年がいる。

秘密裏に行われた紋章式。
「おいどういう事だ」って言ったのは僕の父親である国王。 滅多にあってないけど、今日5歳の儀式に呼ばれた。
「国王様、落ち着いてください。 前例のない事です」って儀式をうけおった教皇。
「でもどうなってるんだ!」って叫ぶ、僕の父上だ。

そう、僕は5歳になったこの日、王宮で行われた紋章式で紋章を得る事ができなかった。
ただでさえ、ある事情で冷遇されてるのに。。

僕の無力さ加減に、僕は絶望してる。
「国王様、7歳になれば魔力安定します。 その時に再度儀式を」って教皇。
「しかし、こやつは表ざたにできん。 隔離しろ」って国王である父上だ。

今も隔離されてる。 さらに隔離ってどういう事なんだろう。

そして僕は、さらに奥にある離宮に隔離された。 そして7歳。 再度、儀式の日。
秘密裏にまた儀式がおこなわれた。 結果、少しは期待していたけど、紋章を得る事ができなかった。
「この恥知らずめ! 生涯幽閉だ!」って怒り狂う父親。
「ごめんなさい。 ごめんなさい」って僕から紡がれる言葉は涙とともに謝ることしかできない。
「お前の顔など、二度とみたくない。 この忌み子が!」

僕が忌み子だって知ってる。 そして、問答無用に今度は幽閉された。
生涯ここで生活する事になるんだ。 僕の心は暗く沈んでいく。 もともと、城に仲のよい従者とか、友人もいない。 それでも、乳母や侍女たちは優しくしてくれた。

日々、喪失のまま暮らしていた。 

「アレク、今から逃がします」って言ってきたのは母親だ。 僕はこの幽閉塔に数週間滞在していたみたいだ。
「僕にはいくところはありません。 僕はもう生きたくない」ってこれは僕の本心だった。
「だめよアレク。今から行くところは私の信用できる所。」って母上だ。
「あなたたちお願い」っていう母上の言葉とともに、僕は急に眠くなった。

こうして僕の本心とは違って、僕は、どこかに連れてかれた。
生きたくないけど、ただ死ぬのは怖い。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...