【白銀の黒帝：17】女神の紋章と紋章なし王子

2章：訓練編

12歳になったアレク

12歳のアレクの身長は、140cmとこの世界ではかなり小柄で、しかも細い。ただ、王族であるため容姿端麗で、髪の色はベージュ系でサラサラしており、瞳がオッドアイで右眼が濃い紫で左眼が濃い青である。

午前は地下で誰もつかわない訓練場にきて、僕は日課のランニングをして、木刀をもって素振りをする。　
その後は、魔力不足になるまで、ひたすら知っている生活魔法を使う。

その後は、部屋に戻り、保存食を食べる。　これが僕の食事だ。
その後は、与えられた数少ない本で1人で勉強する。　勉強が終れば、部屋の中で出来る筋トレなどをする。

食事は、保存食と水だけ。

僕があの日、眠らされて7歳で預けられた場所は、魔道国家にある学園都市のギルドだった。
起きた時は、ギルドマスターに僕がここに来た理由を話してくれた。　教育をほとんど受けてない僕は、既に他の子供達と同様の生活をする事になった。

けど、オッドアイの僕は忌み子だ。　そんな僕に友達なんてできなくて、しかも初等教育の子供達は紋章もちばかりだ。　体力もない、勉強も苦手、かつ忌み子の僕は、同い年の子供達に執拗ないじめにあった。　子供だけならいいけど、初等教育の先生にもイジメられている僕が悪いって事で、なにもしてくれなかった。
たった一人、イジメられて怪我する僕を治してくれるのはギルドマスターだけだった。

これ以上は共同生活は難しいって事で、地下の部屋に隔離された。　なんせ、初等教育の寮は相部屋で、ギルドマスターが用意してくれた私物、私服はいつもなくなるからだ。

それから、地下の部屋に隔離された時、基礎訓練の指導者がついたけど、どういうわけかある日突然こなくなった。ギルドマスターには謝られたっけ。　才能がないのかな僕。　でも、ギルドマスターが、日課をこうして作ってくれて、たまに指導にきてくれる。

それから、10歳になって、ギルドの仮カードが発行された。
始めて外に出る僕。　その時、嬉しくて仕方なかった。　でも、そんなのもあっという間になくなった。
なんせ、街中任務で何度も王国の間者に命を狙われたからだ。　そんなに僕の事、殺したいの？
でも僕が生きているのは、街中任務に同行してくれたギルドの隊員の人のおかげで、毎回命を狙われる僕を救ってくれて、なんとか生き延びてる。　それから、僕は街に出るのが怖くなって、引きこもってたら、ギルドマスターから当面は外出するのはやめようって事になった。

外出しなくなった僕。　それでも、ギルド内は自由に使ってよくて、食堂で食事してたら毒がもられてた。
あの時は死ぬって思ったけど、駆け付けてくれたギルドマスターによって命拾いした。
本当、誰かが僕を殺したがってるって事だけは理解できた。　結局、毒をもった犯人は見つかったけど、その後も何度か毒が盛られる事件が多発。　僕は徐々にごはんも食べるのが怖くなって、結局、保存食しか食べれないようになった。

はぁ～、それでも僕は死ぬのが怖い。

結局、この地下にずっといる事にした僕。　ここなら安全。
けど、ギルド職員が与えてくれる本は、ほとんどが初等教育の初期のみ。　その状況に危惧した、ギルドマスターが持ってきてくれるが、部屋の掃除に来たという名目の職員により部屋の隅々まで検閲され没収される。

だから、不定期に訪ねてきてくれるギルドマスターが、勉強を教えてくれる事になったし、外の話や冒険談とかしてくれる。　僕の唯一の楽しみな時間。
それ以外は、ずっと僕は地下で1人でいる。