記憶を失くした荷物持ちの復讐

八木恵

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3章:荷物持ちの復讐

私の安息の地

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Side:皇小夜

マンションの部屋を密かにでて、向かう場所は、こっそり借りているぼろアパート。
独りでやっと過ごせる。

昔まで、SNT社の寮だったけど、今は貸し出している。

階段を上がると人影。
知らない男性が私の部屋のドアのぶを回している。
「あなた、何用ですか?」

振り向いた男性は、ボサボサの髪に衣類もボロボロ。恰好は浮浪者なのに、背が高く、体つきもいい。
「俺の部屋だったはず。」

前の住人?
「今は私が借りてるんです」
「そっか。すまなかった」

彼は階段への道を進むが一歩ふみだすとよろめき私の方に倒れこんだ。
「ちょっと大丈夫ですか?」
「腹、へった」

彼のお腹のグーグリュリュと音がする。変な人と急におかしくなって笑ってしまった。
「たいした物は作れませんけど、食べます?」
「ありがたい」

冷蔵庫にある食料で、野菜炒めとみそ汁を作り、ごはんを焚いてだした。
「買い物いってないのであまりものですみません」

「いや、白飯なんて何年ぶりだよ。いただきます」

勢いよく食べる彼。3杯もお代わりしてようやく満足したみたいで両手をあわせて「ごちそうさま」という。

「はじめまして、私は小夜です」
彼に皇の姓をいいたくなくて、名前だけいった。

「俺は亮。家なしの無職だ。前まで荷物運びしてたんだけどな」

「ハンターなんですか?」

「いや、違うよ。小夜さんこそハンターでしょ?」

「いえ、E級覚醒者で、そのギルドの受付してます」

「そうなんだ、身分証なしでできる日雇いの仕事とかない?」

「ハンター協会で身分証なしでも日雇いで雇ってくれますよ」

「いい事聞いた、なら行ってみるね」
そういって立ち上がる亮さん。

「今日はどこで寝るんですか?」
「公園かどっかかな。お金もないし」

「何があったか聞きませんが、今夜は泊まってください。公園なんて何があるかわからないので危険です」
ハンターでもない亮さんが襲われてしまったらと心配になった。
年齢は私よりいくつか年下だから、弟みたいな気分になった。

「女性の部屋に泊まるなんて申し訳ないよ」

「亮さんのこと信用してますから、ちょっと衣類かってきますね」
亮さんの返事を聞かずに外にでた。

「一人での夜道は危険だから俺も行くよ」
悟さんにも言われた事のない一言に、ドキッとした。

これが私と亮さんの出会いだった。
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