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2章:潜入編

武道大会で屋台を出店

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後期も始まり、俺シリルは魔術実技はさぼり、それ以外は出席している。
始めのうちはオットに言われたが、それ以降はあまり触れる事もなく、オット、ラーツ、シンに話しかけられば話すといった感じで日々を過ごしているぞ。

そうこうしていると、年に1度の武道大会となり、学生の部は上級生の代表が参加するのと場所が迷宮都市にある闘技場。 
しかも、開催期間中の2週間は、学園は休みとなる。

開催期間中、食堂とカフェは商会の依頼で屋台を出している。 
俺シリルもちろん売り子で手伝いしてるぞ。 
何気に屋台の売り子するのは初めてだぞ。


「なんかよぉ、毎回思うんだが、いつも勝手に席を作ってエールのんでいるやつらいんよな」って俺シュンはタバコに火をつけて一服しつつ、ちゃっかり席を作って座っているアーベとアーベの冒険者仲間たちに言った。
「シリルもギールも、なんでぇ、こいつらにエールやら焼きそば提供してんだ?」
「なんとなくだぞ。」
「どうせ、俺ら闘技場の中は、入れないし、食堂いったら、こっちで屋台やってるって聞いたからな」ってアーベだよ。
「たまには外もいいよな」ってアーベの仲間達もいってやがる。
「シュンちゃん、フライドポテトも食べたいんだけど」ってアーベの奴だ。
「あん? まぁ、いいか。 おめぇーらいんと、変な客こねぇーしな」といってフライドポテトを作る事にした俺だ。
「そうそう、俺ら人避けだ。 それに女近づかせないようにしないとな」とニヤリ笑ってるよアーベ。

俺が調理してたら、シリルのクラスメイトが来た。 俺は、名前覚えてないな。
「シリル、買いにきたよ」って赤茶の髪の人間だ。
「いらっしゃいませなのだぞ」
「制服きてねぇーと、学生にみえねぇーな」って今度は魔大陸からの留学生だ。
確かに、そいつのいう通りだなって、シリルのやつ不貞腐れてるし。
「とっと買うんだぞ」
「焼きそば3つね」って召喚に巻き込まれた人間だ。
「了解だぞ。 シュンさん、焼きぞばできてるか?」
「できてんよ」って俺がタバコをくわええながらシリルに渡してやった。 
「ありがとうなのだぞ」って言って、召喚された人間に渡してるがなんか呆けてるぞ、この男3人組。
「うん? お前らどうしたんだぞ」
「シュンさん、初めてみた。 って、超イケメンじゃねーかよ」って赤茶髪が騒ぎだした。
うるせぇー。 とっと行ってくれ。

「ガキども見せもんじゃぁねーぞ。 買ったらとっとと帰れ!」ってアーベだ。 ナイスだ、アーベ。
「え! ドワーフ」って召喚された奴が驚いてるよ。 そういや、学園じゃドワーフに会わないって言ってたな。
「あんちゃん、初めてか。 とっとと帰れ!」
「はい!」って言って、「またな」って魔大陸からの留学生が言ってと足早に屋台から離れた。

あんまり騒がれると変な見物人が増えるからな。 さっさと行ってくれて助かた。

って事で「人避け代だ」って俺がアーベにフライドポテトとエールを出してやった。
「シュンちゃんわかってるぅー」といって嬉しそうにフライドポテトをつまみにエールを飲んでるよ。
ドワーフ、本当、飲むペースが俺らと同じだな。

◇◇◇ 
シリルのクラスメイト、つまりオット達である。
屋台から会場までの道のりのオット達の会話。
「まじ、シュンさんかっこよかったな」ってラーツだ。
「うん、っていうか、シリルの周りって美男美女ぞろいだよね」ってシン。
「シリルもそうだけどよ。 リンさんもシュンさんも20歳らしいけど、童顔だよな。 
 かろうじてギールさんだけ年齢相応だよな。」ってオットだ。
「ああ、でもよ、この前の休暇の時は休業してたり、経営とか平気なのか?」ってラーツが不思議そうに聞いている。
「シリルに前、聞いたら、道楽らしいよ」というオット。
「はぁー。 シリルの家が一番謎だな」
「だよね。 何して生活費を稼いでるだろ」というシンである。

そんな会話をしながら、やきそば片手に会場へ向かうオット達であった。
◇◇◇
アーベ達のおかげで、ドワーフを人間と認めていない皇国の留学生や、勇者たちは来店する事なく遠くから屋台の様子を見ているのにとどまっていた。

そのおかげなのか、特に何も突起した事もなかった。 
あった事といえば、売上が上々で武道大会での屋台営業は終わるのであった。
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