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2章:王都編

王都滞在、最後の日 後編

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それからは、会話ははずむ。 そして東国の話となる。 東国は、大陸のはるか東から海を隔てた所にある島国で独特な文化をもつ。 50年前ほどから交流をもった。 きっかけは竜騎士がみつけ、交流を持ち始めたのだった。

「そうそう、東国っていえば、この前、アークのところに行く前にギルがいっていた東国行って、米と大豆、しょうゆと味噌を買っていったんだ。 アーク、すんげー喜んでた。 あいつ飛べるのに、行動範囲狭いんだ。 んで、米と大豆の種と苗わたしたら、今度は農家だっていって張り切ってたぞ。 こっちも料理の幅広がったけどな」
「直接買いに行かなくても、王都の商店で売ってますよ。」って突っ込むギルだ。
「行ってみたくてよ。 独特だったけど、まぁ、今度のんびり行くつもりだ。」

それから談笑し、俺が会計をしてお開きになる。 学園入学前の王都滞在最後の日の夜がふけた。

◇◇◇
翌朝、部屋を片付け、時間停止、入出禁止など施して施錠し、ギル推奨の旅人の服に黒の外装でマスター室へきた俺とリンである。 もちろん、手ぶらで。

「おはようございます。 あ! 着てくれたんですね。 うれしいです」とにっこり微笑むギル。 
「パンツが黒だたしな。 んで、用事ってなんだ?」
「ちょっとかさばるんですが、学生用の私服、戦闘服とフード付きの外装用を用意いたしました。 あと、0番隊当時に着用していた戦闘服をこの前みせてもらったので100着ほどつくりました♪
ふふ、あと隊長コートと隊員コートも。 まぁ、コートは着ないと思いますが、渡したくって。 受け取っていただけますか?」

「この戦闘服好きでな。 コートも。 受け取るよ。 ありがとう」と言って次元ボックスにしまった。

「喜んでもらって嬉しいです。 あと、こちらの手紙を学園長にお渡しください。 彼は、悪い用にしませんので、シュンさんとリンさんが黒帝の縁者であると伝えてあります。 万が一ないと思いますが政治的に巻き込むなどありましたら即連絡を」と言いながら渡された。 
「その前に殺すから」といって受け取りながらニヤリと笑いいうと、「そうでしたね」と言ってにこっり笑うギルだった。

「長期休暇で戻ってくるかもしんねぇーし、わかんねぇーが、また顔だすわ。 じゃあな!」
「ギル、また」そうして、俺とリンとその場から転移して去った。

ギルは先ほどシュンとリンがいた場所に向けて頭を下げてる。
「いってらっしゃい。 ご帰還をおまちしています。 シュンさん、リンさん」

ギルはマスター規約『黒帝の章』を開き「ここに書いてあることは本当ですね。 面白い方たちで、いろいろしたくなります。」といいながら規約を閉じた。

この『黒帝の章』は、当時ギルがシュンとリンのために作成し、のちにグランやイアン達も一緒になって作成したもので、縁者が女性嫌いの場合などなど主にシュンの取り扱いについて記入されているのであった。
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