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2章:王都編

王都滞在、最後の日 前編

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あれから、王都で生活していたがあっという間に入学式1週間前となった。

俺とリンは、ギルと3人でとある店にきて、食事している。
エールを飲んでタバコをふかしている、もうフードは被ってない。 これも、イヤーカフのおかげだな。 自分で作っておいて自画自賛だな。
 
「今日で、当面この店ともお別れだな。 リン」
「ああ、でもまた来よう」
「ここが、まさか0番隊ご用達のお店だったとは。。 知りませんでしたよ。 居心地のいい場所ですね。」といいながらギルは店舗を見渡し、店の雰囲気を見ている。
「もともと、イアン達の行きつけでな。 あん時は、しょっちゅう奢ったよ。 エールの味もかわんねぇーし、あんかなって思って来てみたら店構えもほとんど変わってねぇーときた。 食事のメニューはちげぇーけどな。」 

俺は、そんな事をいいながら、イアン達と通った店をみて昔を懐かしんだ。

そう、150年経過しても行きつけの店があったのだ。 残っていたのはここぐらいだが、俺とリンにとっては嬉しかった。 だから王都出立前には寄りたかった。
 
「この滞在中、いろいろ教えてくれて助かったわ。 魔力量とか、今や稀な魔法とかな。 もともと、俺 魔術師で異端だけど、まぁ更に魔法レベルが極端だな。」
「竜騎士の登場で、後方攻撃魔法と防御が主流ですね。 一応、騎士団がありますので、接近戦で剣術、体術も残っています。 しかしながら、一般的には武器も中接戦で、槍、魔銃、弓が人気です。 身体強化も下手だと思いますよ。」
「後は学園行ってみてからだな。 なぁリン」
「うん。 それに、魔力量も計測の時に、自分で調整すればいい。 魔力量を検知できるものが少ないはある意味シュンとわれにとっては助かる情報。」

「シュンさんもリンさんも書類上私は一応保護者というか後継人ですから、些細な事でも構いませんから困ったことありましたらいつでも言ってくださいね。」 
そういうギルの顔は優しく、微笑みながら言ってくれた。

「世話になるな。 その代わり、討伐・暗殺任務があったら遠慮なく言ってくれ。 夜とか週末とか時間作って受けるから。 流石に緊急は無理だがな。 あ、これやる」と言って俺は小さな袋を渡す。
「これな、物質転送・受信の魔術を付与してあって、例えばこのワインの小樽をこっちの袋にいれると、そっちの袋の色が変わっただろ。 中とりだしてみ」

ギルは受け取った袋の色が変わったのを見て、袋に手をいれて取り出すとワインが出てくる。 さっき目の前でシュンが別の袋にいれたワインの小樽だ。

「物質のみだが、この袋同士が対になっててな、時間停止も拡張で20KGまで可能だ。 任務内容いれておけば、受領できるし、離れていてもカードの処理も可能だ。 ただ、間違っていれた場合、相手が1度取り出して入れ直さないといけないっていうのが難点なんだよな。 使い勝手は悪くねぇーと思うがどう?」

「つまり、相手が袋を持ち運んでいればいつでもどこでも受信送信可能って事ですよね。 固定で設置する物質転送魔法陣より便利すぎです。 でも本当によろしいのしょうか、高ランク依頼頼んでも?」

学園在学中でも討伐・暗殺任務を受けてくれるというのは、ギルにとってもありがたいのだが、いいのだろうかと恐縮してしまう。

「全然、構わねぇーよ。 0番隊とき毎日受けてたし、1日50件とかざらじゃねーしな。 しょっちゅー電話でジルに呼ばれて王国中、大陸中を転移してたし。 それに比べたら1件とか暇つぶし程度だ。」
「はぁー、本当に転移って便利ですね。 それだけで、移動距離が短縮するんですもんね。」

正直、ギルは、当時のシュンの任務件数やら、消化件数に驚きが隠せない。

「無属性での転移が取得が難しいってのが解るんだが、闇と風でも転移できるんだけどなー。 なあ、リン」
「あー、われの単独転移は、風と闇の合成だ。 単独転移できるものは、風と闇の合成が一般的だ。 空間把握は、われ苦手で、無属性の転移は使えない」
「え! そうなんですか? 闇属性ってあまり印象良くないので廃れてしまったんですよね。 はぁー」

無属性以外にも転移する方法がある事を知り、ギルは肩を落として項垂れる。 
そりゃ、転移も廃れるわけだ。。 心の中で納得する俺。
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