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2章:臨海国家

精霊の塔のあるギルドへ 前編

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Side:リンとシリル

リンとシリルがギルドに入ると1階は食堂と受付のようだった。 
人相の悪い集団や、いかにも冒険者たちといったものや傭兵団らしき人達がいる。 
私服の2人をみて、口々に「なんだ、ガキの観光だ」といっている。

「すみません、塔の情報を知りたいのですが?」って受付嬢に尋ねるリン。
「塔の情報については、ギルドカードをお持ちで、かつ成人未満の方はランクD以上の戦闘を許可された方のみの開示です。
そのため、もうしわけございませんが、それ以外の方は、外の売店の中にいくつか有料で売っておりますのでそちらでご購入いたでないでしょうか? 
ただし、情報が正しいか保証はギルドでしておりませんことご了承ください。」って言われた。

リンがにっこり笑いながらギルドカードを出して受付嬢に渡す
「これで、いいですよね」
「ええ、確かに、ただそちらの少年には」
「俺もあるぞ」といってギルドカードを出すシリル。 
「え!18歳、え!ランクA」と大声をだして言ってしまう受付嬢だ。

そんな受付嬢の声をきいて騒然となるギルド内。
食堂にいた者たちもだ。
「おいおい、そんなチビのおこちゃまがランクAなわけないだろ」、「しかも単なる観光客だろ」、「チビが18歳なわけないだろ。」「カード偽造してんじゃねーのか」と騒ぎだすのであった。

その騒ぎを聞き、受付長が「君なんの騒ぎだ!」ときた。
「この女性の方が、個人情報であるこの子の年齢とランクを大声でいってしまったんですよ。」ってリン。
「ほんとか!」って聞く受付長。

事態の事の大きさに気づいたのか顔が真っ青な受付嬢だ。
「信じられなくて、つい言ってしまいました。 ただ、偽造カードじゃないかと。」って言ってシリルのカードを見せる。 
「お2人ともすみませんが、別室でお話をお伺いしても?」
「構いませんが、偽造じゃないとわかった時のご対応はしっかりしてくださいね。」ってリン。
「そうだぞ」と不貞腐れているシリルだ。

そんな2人の態度に、疑心暗鬼な受付長に連れられてある応接室に向かう。

応接室に案内され、待つ2人は、シュンからの念話を受信する
シュン:「おまえら長くねー」
リン:「シリルのギルドカードが偽造じゃないかって調べられてるんだ。」
シュン:「やっぱ、シリルは16歳設定じゃねぇーとだめだな。」
シリル:「やだぞ。 酒のみたいぞ。」
リン:「われ、笑い堪えるの必死だ。 あの受付嬢の驚いた顔がおもしろかった」
シュン:「まぁ、わかったよ。 たく、ちゃんと情報もらってこいよ。」
シリル:「おう、わかったぞ」
リン:「われもだ」


テンプレのように、まさかシリルの見た目で、ギルドカードを偽造だと思われるとはなって、俺は念話を聞いて心の中で笑っていた。
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