【不遇転生:4】悪役子息と婚約者 ~俺はまた悪役子息に転生した~

八木恵

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1章:少年編

婚約者候補が来た 前編

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林へ通って約1か月。
ようやく魔力が増えて、林と部屋の行き来ぐらいは転移できるようになった。 
次元ボックスも使えるようになった。 嬉しい事に、前世の魔武器、刀、タバコ、酒、宝石、鉱物、魔導ランチャー、地雷などなど金銭以外はある。 中でも嬉しいのがヌトだ。 ヌトの卵がある。 
毎日魔力与えてるけど、今の俺の魔力量じゃぁ、孵化まで時間がかかる。 仕方ない。 お陰で、魔力不足になるから魔力量も以前と比較しても増加率が上がっている。

これは前世で経験してた。 魔力は、この世界でも努力すれば増えるんだよ。

昼食後、いつものように書庫にある本を読んでいる。
ギネスが置いておく教材は、馬鹿にしているのかって内容だ。 手もつけないで、書庫の本を持ってきては、今は次元だけど、その前は隠しておいた。
最初に机の上に置いておいたら、勝手に戻されたからだ。 ギネスは、俺の邪魔しかしない。

ギネスに、親父が呼んでいると言われて、仕方なく親父がいる談話室に向かった。
「旦那様、ロイス様をお連れしました」ってギネスだ。
「入れ」って言われて「失礼します」って言って部屋にはいった。

おっさんと女の子がいる。 ロイスの記憶を探る。
ホワーズ伯爵家の当主とフローレアだかって長女だ。 確かに、艶のあつ綺麗なゆるふわブロンドで目も大きくて可愛い系である。 ロイスは一目惚れしたようだが、なんか自分不幸ですみたいな、庇護欲をそそるが、顔は似てないけど前世の俺の奴隷だったアシュリーを思い出す。
俺をみた瞬間にひぃって萎縮するなよ。 悪かったな目つき悪くってよ。

「ロイスなのか?」って親父。 あー、そういえば転生の記憶が戻ってから会うの初めてか。
「ええ、少し体力つけようと運動して痩せました。」
「そうか、にしてもその服」って突っ込まれた。 運動着だし。
「こっちの方が動きやすいのと、以前の服はサイズが合わないので、母上に許可貰って売り払いました。」って言っておく。 着ない服あってもしょうがないので、母親に許可を貰って売った。 結構良い値で売れた。 50,000G 金貨5枚だ。 俺の小遣いにしてよいって事で、俺の資産にいれた。

「そ、そうか。 座りなさい。」って言われて座った。
「この前は、事故でロイスが怪我したと言うのもあって、話しが途中になってしまったが、再度、ホワーズ伯爵家のフローレア嬢との婚約だが、セシリアがロイスに傷をつけたんだからと言っておってな。」という親父。

「そ、それは、キンバリー子爵殿、あの場で何度もお詫びをですな。」ってオドオドしてる伯爵だ。 階級的には、伯爵が上だ。

「父上、傷の件は、俺は気にしておりませんし、母上には再度話しておきます。」と言っておこう。 どうも、情報が足りない。 なんで、伯爵家との婚約話がでているのかさえ、ロイスの記憶にはない。

「しかしな。」と渋る親父。 
扉がノックされて、「エリオット様がおいでなのですが?」ってギネスだ。
「何用だ。 とりあえず入れ」って親父。
「父上、失礼します。」ってエリオット。 明るい茶髪で目鼻立ちが整った中性的で優しい顔立ちな少年。 そうそう、俺より身長が高い。 俺、小柄で135CMなのに、こいつ140CMあるんだよ。 前世で2つ年下だった弟と立場がそう変わらないな。 

エリオットが勝手に部屋に入って来たら、フローレアだったかって名前の少女がなんか安心した表情をする。
俺、なんも話してないし。

「で、エリオット、何用だ?」ってやや不機嫌な親父。
「フローレア嬢が来ていると聞いて、兄上がまた失礼な事を言ってないか心配できました。 って、やっぱり兄上、何か言ったんじゃないですか? フローレア嬢が震えてるじゃないですか!」っていう。 また? ロイスの記憶でも、暴言は言っていない。 なんかの妄想じゃないか。 今もだけど。 正義感、バリバリの俺、助けに来たってやつ。 本当、俺そういう人間苦手だな。 いくら血のつながった肉親でもだ。
ロイスとしては、全て負けっぱなしで自暴自棄になってたみたいだが、俺にしてみれば、こいつの事なんてどうでもいい感じだ。

「エリオット様、その、あの」とかいうフローレア。 もうさ、アシュリーがでてくるからやめてほしい。
「フローレア嬢、さぁ屋敷を案内します。」って勝手にエスコートして出て行った。

俺は何の茶番に付き合わされてるんだろう。
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