【不遇転生:4】悪役子息と婚約者 ~俺はまた悪役子息に転生した~

八木恵

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1章:少年編

婚約者候補が来た 後編

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エリオットが、アシュリーじゃなかったフローレアって少女を連れ出した後、俺はとりあえず部屋にいたままだ。
俺、もう関係ないから退出していいんじゃねぇ。

「キンバリー子爵殿、当初の話しの通り、エリオット様とのご婚約で、ゆくゆくは伯爵家に婿入りと言う事で、その投資のほどを」っていう伯爵。
「だが、ホワーズ伯爵家には、嫡男の6歳のマシューがおるではないか。」っていう親父。

だいたいの話しはわかった。 伯爵領は金がない。 それでいて、伯爵家の嫡男は俺と同様で出来が悪いと。 面倒なのに巻き込まれたな。 こりゃまだまだ情報収集が必要だけど。。
「ホワーズ伯爵様、父上、話し合いの途中で申し訳ないですが、婿養子うんぬんは今後で、フローレア嬢とエリオットで婚約すればよろしいかと。 正直、俺は彼女と婚約したくありませんので。」って言い切った。

親父は、え!って顔してるし、ホワーズ伯爵は口をポカーンて開けてる。
「身内贔屓じゃないが、わしの娘は、聡明でかつ人に気を使いとても優しい可愛い子だ!」ってなんか怒ってるし。

本当、身内贔屓だよ。 優しいってどこが? 気を使うってどこが?
「とにかくですね、俺を嫌ってる相手と婚約したところで不幸しかありませんので。 いくら政略結婚でも、何もしていないのに萎縮される、それに、俺自身は何とも思ってませんが、事前に詫び状なり送るのが普通かと思いますが。 という事で、本来はこちらが言える立場ではありませんが、お断りします。 では、失礼します。」

って言って、お辞儀して退室した。
全くもって不愉快な茶番だよ。 

◇◇◇
一方、談話室。
「セバス、こちらへ。」といいキンバリー子爵の執事長を呼ぶ。
「ロイス宛てにフローレア嬢からの手紙は?」
「1度、お見舞いの品と一緒に。 ただギネスの報告では、受け取らず困り果てた所、エリオット様が受け取ったと報告がございます。」というセバス。
「ロイスは、先程一度もと言っていたが?」
「きっとお忘れになったのかと。」
「うむ、わかった。 さて、ホワーズ伯爵、我が愚息が失礼したようだ。 しかし、こうするのはどうだ?」
「まぁ、それなら」
という会話だ。

◇◇◇
婚約者候補に会ってから数日後、俺は親父に呼ばれた。

「ロイス、ギネスの報告によるとフローレア嬢からの手紙、見舞いは来ており、お前が受取らなかったという話だが?」

なんだそれ?
「受け取っておりません。」って言った。
「言い訳はいい。 フローレア嬢との婚約だが、とりあえず形だけお前となった。 学園卒業もしくは、エリオットが入学後、様子を見て婚約者を変える事のした。 表面上だ。」

ふーん、用は俺は梅雨払いと、嫡男に婚約者がいないで次男にはつけられないってわけね。

「わかりました。 話しは以上で?」
「あー、あと来月先方へ挨拶に行く事になった。  エリオットも行くと言っている。」と言われた。 ふーん、そうとしか思わん。
「そうですか。」しか言う言葉はない。

「あと、ギネスの報告で全く勉強していないという事だが?」
「それですか。 5歳児が学ぶぐらいの教材なのでする意味ありません。 では失礼します。」って、いちいち議論するのも馬鹿ばかしい。 どうせ、俺の話なんて信じない事なんてわかりきっているし、信じてもらおうなんて微塵も思っちゃいないしな。

それよりもだ、俺は行かないといけない場所がある。

◇◇◇
そりゃ、母親との時間だ。

「ロイス、聞いたわフローレアとの婚約」って今日は母親とダンスだ。
「それですか。 エリオットと婚約させる前の梅雨払いです。」と言っておいた。
「どう言う意味?」って哀しげな顔をしている。

「形式だけです。 俺も話した事もない人から一方的に萎縮されるのも嫌だと父上に言いましたが、聞いてはもらえずです。 学園卒業までの表面上の婚約です。」って言ったら、抱きしめられた。 巨乳があたる。
「旦那様もロイスばかりに」っていう。
「母上、俺は平気ですから。」って苦笑いしておいた。

母親も寂しそうな顔している。
「ロイス、嫌なのは分かるけど、女性には優しくするのよ」って言われた。 とりあえず俺は、苦手だけど微笑んで頷いておいた。

結局、俺は形式上ホワーズ伯爵の娘と婚約する事になった。 まじ勘弁だよ。
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