「第一部:魔女の生贄」貴族の子に転生し、魔女に呪われたけど優しい家族と一緒にいたい

八木恵

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3章:学園在籍編

実技の授業

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ダダ広い室内練習場に到着。天気は雨。熱量も問題なし。ローランが測ってくれた。

「人数多くない?」と生徒の数が多いからローランに聞いてみた。
「実技はB組と合同なんです。」
「なーるほど」

「集合!」の合図があり行くと、体格のいい先生2人。
ローランについていく俺。

「そこの黒髪、みたことがないな」と先生。
「うん、今日が初めてだから」と俺、黒髪って俺しかいないし。
「なんだ、お前サボってたのか?」って言われたから「サボってはいないけど、来れなかったが正しいかな」って俺。

「ジェイコブ先生!兄上は、ルーク・クレセントは、病気のため来れる日が限定されてるんです」とローレンがいってくれた。

「君がルークか。すまなかった。サボりじゃなかったな。俺は、ジェイコブでこっちがハンフリー先生。実技の体術と剣術担当だ。よろしくな」とジェイコブ先生。
「うん、よろしく」
「元気があってよろしい。」

「では、2人1組でストレッチしたら、ランニング。その後、素振り。体術の型の確認して組み手してから、剣術いれた模擬戦をしていくぞ。体力のない子、疲れたら各自の判断で休憩すること」というジェイコブ先生。

「兄上どうします?」ローランのところにはマイク君たちがきてる。そうか、ちょうど偶数で、俺あぶれるのね。

「ルーク・クレセント君、ちょっといいかな」とハンフリー先生によばれた。
「ちょっといってくるから、ローランはマイク君たちと組なよな」っていったら、「はい」ってよい返事。

「先生、なに?」

「実は、生徒の数的に今日は奇数で、必ず1人あまってしまうんだよ。ルーク君の事は試験担当だった方からきいていてね、ちょっとというかかなり他の生徒と実力差がありすぎるから、僕について生徒の指導の補助してもらいたんだけどいいかな?」

「指導ってしたことないんだけど」
「僕と一緒にいてみてもらって、あとは疲れて動けない子を端によせるだけだから」
「それくらいならいいかな。」面白くないけど、同年代の実力をみるにはいいしね。ローランの実力も知らないし。

そう思ってみてたけど、ランニングが始まったとたん、女子のほとんどが端にいく。やる気がないらしい。
真面目にはしっているのは男子の半分くらい。でも体力差があって、6名が先に走って間あいて団子状態でかなり後方に足の遅い人があつまってる感じ。ローラン先頭。 

「あと2周。頑張って走れ!」ってジェイコブ先生。
「もう終わりなんだな」って独りごと。10周走るだけみたいだ。
「ルーク君は違うのかい?」ってハンフリー先生に聞こえたらしい。

「なんていうかな1時間で何周走れるかとかで常に記録更新を目指すっていう感じかな。これ以上、早くは無理ってなると重りつけてく。最初は5KGだったけど、今は20KGかな」

俺の場合、限られた時間内っていう制限がついてるから、鍛錬のメニューは何回というより時間で全て区切られてるんだよな。

「なるほどね。10周とか素振り1000回とかにしてるけど、逆に授業みたいなだと、時間で区切ったほうが効率よさそうだね」

「それって、一長一短で、個人の努力なんだよな。とはいえ、ランニングしないやつはしないから同じっちゃおなじかな」って俺がいうと「そうだね」って苦笑のハンフリー先生。

「中等部の場合は、身体をうごかすというのが目的で、体術と剣術が名目上必須なんだよ。でも実際真面目にやるのは男子で、騎士団目指してる生徒が主なんだよね」

「なるほどな。」といっている間にランニング終了。
とりあえず、ハンフリー先生と伸びてるやつを端に移動。

「元気なやつは素振り初めていいぞ。30分間だ。ただし、200回できた奴は終わりにしていいぞ」というジェイコブ先生。 
時間制限に回数制限をいれたのか、なるほどね。

ローランが素振りしてる。マイク君にカイ君もだ。あの3人は元気なんだな。ティモ君は座って休憩中。
たしかローランは、公爵家の騎士団長カールノに師事されているって聞いたけど、基礎ができつつあるんだな。

「ローラン、手首意識して振ったほうがいいよ」とついつい口出しちゃった。
「兄上、こうですか?」

「うん、そんな感じ。もうちょっと柔軟に」やっぱり口で説明するのは難しい。
だから、ローランの手首を触りつつ「うん、こんな感じ」と説明する。
「今は違和感ですね。でもなぜですか?」

「うんとね、剣筋をとっさに変えなきゃいけない時とかに、最後は手首で調整だからかな。」と言っていたら、マイク君が木刀かしてくれたから、片手で軽くふって、ゆっくり見せる。

「今が腕だけの力でみせたけど、剣を振るときって身体全体でふるからその時に違いがもっとわかるかな」
「なるほど、だからカールノ団長が、素振りする前に必ず手首のストレッチいれるんですね」
「ローランもしてるんだ。俺もしてるよ」と俺が言ったら、ローランが「一緒ですね」って嬉しそうな顔してた。

「僕もローラン様みたいにしたほうがいいですか?」とマイク君。

「マイク君、ちょっと君には早いかな。それよりも、右に重心がかたよってるからそっちから直したほうがいいよ。」
「ジェイコブ先生にも言われました。」としょげるマイク君。
「今のうちに修正しないと伸び悩むからな」
「また同じ事いわれました」と更に落ち込むマイク君。
「それさえ直せば、マイク君、どう成長するかによっていろんな剣術学べるから、いいんじゃないか」と俺、がんばって慰めてみた。

「兄上、それどういう事ですか?」

「俺も最近知ったんだけど、この国って剣術が大きく2つに流派にわかれている。簡単にいえば力で押し切る剛剣、あとは速さで切る流剣なんだって。だいたい体格で、どちらかになるらしいよ。だけど、うちの場合は、分類的には流剣らしいけど、力押しの部分もあるんだよね。うちの場合はそれを教わるから、他の流派って知らないままって事。でも、マイク君の場合は、そんな事なさげだから、好きなのを選べるってわけだな」

「そういうことなんですね」と納得ローラン。
「じゃぁ、僕は重心さえ直せば、クレセント流派も学べるって事ですか?」とマイク君が期待感いっぱいで聞いてきた。

「クレセント流派は門外不出だよ」とカイ君に突っ込まれてた。そう、他家には教えてない。というか特種で教えるのに時間がかかるというのもある。

「門外不出というより、それ用の身体づくりが必要なんだよな。」
「確かに、学園ではしないストレッチしますもんね。バク転の練習とかもするし」
「え!」ってなってるマイク君とカイ君。

「そういえば、カールノ騎士団長が、入団して2年は剣は教えないっていってましたね」とローラン情報に、そうなんだと思いつつも、俺も親父に剣術教わりだしたのって、ある程度基礎と体術ができてからだったからな。

「しゃべってないで、素振りしないとまずくないですか?」と休憩から復活したティモ君。
「マイク君とティモ君だけだよ、終わってないの」と俺が指摘した。 
ローランもカイ君も200回終わってる。
「うそ」といって慌てて再開するマイク君。3人で重心チェックしてあげた。

それから、体術の型といっても、キック、パンチをするみたいな、半分以上はだらだらしている感じ。

次の模擬戦は、身体強化ができる子かつやりたい子がやる。
身体強化のできないの生徒は、ハンフリー先生が身体強化を教えてるらしい。
だから俺はそっちに合流してる。

「ルーク君、身体強化できたのいつ?」とハンフリー先生に聞かれて、「物心ついたとき?」って俺疑問形で答えた。だって、無意識にできるから、出来ない奴の理由がわからん。

「無意識にできたって事か。そうなると、教えるの難しいよね」と苦笑のハンフリー先生。
「うん、無理。わかるのは全身に魔力を回してあとは強化って感じだからな」

「それが正解なんだけど、出来ない子は魔力コントロールが下手なんだ。循環出来ているかわかる?」と聞かれて、「それぐらいなら」と返事。

「中には詰まっている子がいるから、その時は僕に教えてね。そういう子は、魔法師の先生が対応する事になってるから」というハンフリー先生。

「そうなんだ。そしたら、5人はいるな」
生徒たちは座って魔力コントロール中。だから、みてわかる。

「早いね。助かるよ。僕、苦手でね。」と苦笑してるハンフリー先生に、5人の生徒を教えてあげた。

だいたい出来ない子はみな活性化というイメージがつかない子が多かった。
ハンフリー先生と試行錯誤しながらイメージもたせて、まだ完璧ではないけど形になってきた。
そしてら授業終わりだよ。ローランの模擬戦を見逃したよ。

帰りは校舎前に馬車のお出迎え。雨の中すまないねディータ。

そんな天候でもなかなか充実した一日、いやこの後仕事だけど楽しい日を過ごした。
次行けるのはいつかな。
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