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2章:ギルド編

王都にて

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王都から少しはなれた高台にある墓に来ている俺シュン、リン、シリルである。
服装は、中は各自私服で、黒の外装でフードを被っている。 一応、変装はしてるけどな。

何しに来たかって、それは久しぶりに俺たちと関係した人間たちの墓参りだ。
ライとイズミの墓にエールをかけ、リオンとレイのは墓にもエールをかけて、グランの墓にもエールをかける。
ジルの墓にはワインをかけて、イアン達の所でエールをまたかけてる俺。

「おめぇーらの生まれ変わりがいるんだってよ。」って俺は苦笑してる。
「どんなやつか楽しみだ。 これから会えるかもしんねぇーし、会えないかもな」といって、残りのエールを飲み干し、俺が殻になった瓶と樽をしまった。
「なんか、久しぶりに墓参りきたな」
「ああ、王都に来るときだけだ。 われらが墓参りするのは」ってリンに突っ込まれた。
確かにな。 今回は何百年、もしくは千年単位ぶりかもしれねぇー。

「どんな奴らか楽しみだぞ」ってシリル。
シリルは、イアン達の事は話してあっても会ったことないしな。
「ああ、同じ奴らだったら相当面白いな」とニヤリ笑いながら、タバコの火をつけて一服した。

「じゃぁ、シュンさんの黒歴史をみにいくんだぞ」ってなんかシリルがすげぇー張り切ってる。
「てめぇーなに、そんなにはしゃいんでんだ?」
「だって俺、シュンさんの黒歴史、話でしか聞いた事ないんだぞ」
「確かにな。 われもたのしみだ」ってリンまで楽しそうにしてるし。
まぁ、避けて通れるわけでもないからと思って、俺たちは王都に向かうことにした。

◇◇◇
王都の検問で地図をもらい、現在ギルドの近くにある公園の所にきている。
まじ、そこには像がたっており『白銀の黒帝(想像)』という銅像がたってる。
俺はそこで、唖然としてる。 シリルとリンはお腹抱えて笑ってるし。

なんせ、その像は、185CMで筋肉隆々で白銀の剣を突き刺し2王立ちしており、コートも異なり、フードは被っておらず髪は短髪で、顔立ちは容姿端麗だがキラキラ系で俺と似てもにつかない、さわやかな好青年の像だ。
「おめぇーら、笑いすぎだってーんだ」とタバコに火をつけて一服。
「あはは、いや、ここまで似つかない想像もすごい」とお腹いを抱えながらいう、リン。
「キラキラしてるんだぞ。 もう笑うしかないんだぞ」とお腹を抱えているシリル。

あまりの似つかなさに、俺も呆れるしかねぇーよ。

すると、後ろからギルド任務から戻ってきた学生らしき少年達が近づいてきた。
「君達、黒帝様の像の前でなに笑っているんだ!」って1人の少年に叱咤された。
「そうだ! 最強のお方に対して失礼だ。 それに”漆黒の大剣”傭兵団団長のサディアス様は、この像とそっくりで生まれ変わりともいわれているんだ」ってドヤ顔だ。

俺の生まれ変わりとか名乗ってるやつの名前ってサディアスっていうのか。 
ってよりもその『漆黒の大剣』って傭兵団の名前も中二病すぎて相変わらず笑える。

「俺ら違う会話して、わらってぇんだ」って言っておいた。
「まぎらわしい」っていわれて、「だったらどいてくれ、今日の討伐内容を報告するんだから」というのだった。 

俺たちが像から離れてると、まじ少年達が祈ってるよ。
「変な宗教化している」と爆笑するリン。 まじ、勘弁してくれ。
「もう、ぶっこわしてぇー」って俺の愚痴だな。

といっても、ぶっ壊すわけにもいかねぇーし、仕方なく俺たちはギルドの裏門にきた。
「ここは変わんねぇーな。 今回のマスターはどんな奴かねぇー」っていいながら、俺は黒帝カードをだしつつ裏門にある認証にかざした。
カチってドアが開錠。
「へぇ、ちゃんと登録されてんな」っていいつつもちょっと安心した俺だった。
開錠されなかったら、直接転移すればいいけど、それもまた色々面倒だしな。
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