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2章:ギルド編

問題児3人組の特訓の成果 後編

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最後にシルバーウルフ500が終わった所で、シリルが合流してきた。
「あ、終わってるんだぞ」と不貞腐れながらきてる。
「浄化しろ」といって浄化していくシリルだ。

「集団転移にも驚いたんすけど、ションさんって、浄化魔術はつかえねぇーんすか?」って聞かれた。
俺がタバコに火をつけて一服。
でもって、嫌そうな顔をして「使えんだけどよ、おれの光系ってキラキラすんだよ。 だからぜってぇー使わねぇーって事にしたんだ」言ってやった。
「似合わないっすね」と爆笑するイアス。 ルイとイルも「似合わないっす」と爆笑するのだった。 
そこまで笑う事ないと思うが、だいたい笑われるしな。 だ・か・ら、使いたくねぇーんだ。

浄化が終わったシリルが合流して、俺が血塗れの全員を洗浄魔術で綺麗してやった。
「約束のエールだ」といってみんなに渡す。 
イアス達がうれしそうに「いただきます」といってもらって飲むと、イアス達が「「「うまいっすね。 このエール。 どこのっすか?」」」と声をあわせていってる。 仲いいな。
「あはは、売ってねぇー。 俺の育ての親がアークっていうだけど、アークが作ってんだ。」
「まじ、酒まで造ってるんすね」と驚きながらいうイアス。
「ああ、ワインもある」というリン。 たまに日本酒とかも出来るけどまだ安定供給じゃないんだよな。
「飲んでみたいっす」ってイアス達。
「ほら」っていって仕方なく小樽を渡してやった。
「「「いただきます!」」」って言ってのみ、「「「うめぇー」」」って絶賛中。

不死鳥ブランドは旨いからな。
「本当、俺たち、この日のために特訓してたな」というイアス。
「飲みにいかなかったのか?」
「俺たち、ギルドカード回収されちまったもんで、呑みにいく金がなくって」と落ち込んでいる。
「わりぃー、そこまで考えてなかったな」といって、ギルドカードを返しておいた。 
「今後は、今日みてぇーに討伐して、反省点の模擬戦って感じだな。 あとは、おめぇーらが好きにあの訓練場で訓練してけばいいんじゃねぇーか」
「了解っす」といいながら、カードを受け取ると、イルが「おいおい」といい、ルイが「はぁーなんだこの金額」というと、イアスが「2桁ふえてんっすけど」と驚いている。

「俺たち、毎日50件以上任務受けてたんだ。 そんな中の1/3が今日みてぇーに数百規模。 そんで、盗賊の討伐もあんから、盗難品の分配もあんだ」とタバコをふかしながら言っておく。
「俺らも、それ毎日いけるんすか?」と聞かれたから、「ああ、数百系はつれていくつもりだ」とニヤリいうと、イアス達は「よっしゃー」とはしゃぎだすのだった。


それからの3か月間、盗賊の討伐を含めて、イアス達と討伐に行き、終わったら模擬戦をしていきいろいろ強化していくのである。
終わればご褒美として、アークのエールでみんなで訓練場でのむのであった。
その間の1か月は、シュンとリン、シリルは入れ替えで魔界に帰っている。

◇◇◇
一方、ギルドマスター室では、1番隊隊長がジムに、
「合同訓練の後、イアス達は罰でこの半年間隊員任務をうけずにという話ですが、その後どうなんでしょうか?」
「ああ、しっかり毎日訓練しておる。 かなり、強くなったみたいじゃ」とニヤリ笑うと、1番隊隊長が頭をかかえてる。
「って事はもう、俺のいう事をまったく聞かなくなるってことじゃ」 
「その辺は今考えておる。 後日相談するんじゃ」
「6番隊隊長から報告があったが、例の傭兵団は、最近は護衛任務に力を入れているって話じゃ。 何を考えているのかわからんな」
「討伐じゃ、こちらのほうが処理件数が多いので、あきらめたんですかね」
「何か目的があるんじゃろ。 引き続き6番隊には諜報活動に専念してもらう予定じゃ」というジム。

いまだに、傭兵団が何を企んでいるのか不明なのである。
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