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2章:ギルド編

武道大会があるらしい

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シュン達が魔の森へいき、更に半年以上が経過。
シュン、リン、シリル達が恒例の魔界と神獣竜界から戻ってきて、ジムからの依頼で魔導国家の迷宮都市にある武道会場の前の屋台で営業している。

シュンは焼きそば、唐揚げを提供し、リンはプリンである。 売り子にシリルで、オルクもいる。 
勝手にテーブルを広げて、もちろんイアス達もシュンの料理を食べながらエールを飲んでいる。

「イアス達も手伝えよ」って俺はエールのみながらいう。
「俺ら接客したことないっすよ。 それに、俺らが接客したら客こねーっすよ」ってイアスだ。 確かに厳ついオッサンいたらだれも来ないしな。
「冷やかし客除けってことで」と一緒に座りながらエールを飲んでいるオルク。

そしたら、シリルがハリセンでオルクを叩いてる。
「オルク、なんの為に呼んだんだぞ! 接客するんだぞ。 ドルクとチェンジすんぞ」ってシリルだ。
「それだけはやめてぇーください。 お許しをー」ってザ、土下座のオルクだ。 とはいいつつも、立ち上がりシリルに抱き着こうとしてる。
「抱きつくなだぞ」といなしながら、今度はシリルが休憩がてらエールを呑むのだった。

こいつらの接客で平気なのかって俺がつっこみたい。
「カシル、用意できてんから捌け!」って言ったら、シリルもエールを呑みながら売り子にもどる。 
「試合してんはずなのに、なんで客が多いんだ」とぶつぶついう俺はタバコに火をつけて一服だ。
まじ行列になってるし、さっきから調理しっぱなしだ。
「値段が安くて回転率もいいって、しかも商売してんのは美男美女ってんで、結構口コミで広がってるみたいっす。 しかも、今日は、学生の部の決勝っすから、ほとんど観戦は貴族様で、今買いにきてるのは午後の大人の部っすよ」っイルが説明してくれた。
「なるほどな。 って事は午後は少しへるな」といいつつ、また料理を始める俺。


その様子をみているイアス達。
「隊長達って、この3日間でどんだけ稼いでんだろーな」ってイル。
「知らん。興味ねぇー」って俺が女避けのお礼にフライドポテトを作ってやった。
「さすが隊長っす」と苦笑いしながら受け取る。 まじ、興味ないしな。

午後になり、大人の部の予選になると客もまばらになり、シュン達もイアン達の席にすわりながら、焼きそば、唐揚げ、フライドポテトにピザをつまみにエールをのんでいる。 ようやく、休憩だ。
ジムと40代半ばの氷帝に似た中年のおじさんをつれて屋台にやってきた。
「マスター、来賓じゃないっすか!」と突っ込むとイアスだ。
「儂もション殿の料理をだべたくてな」といいつつ、2人のおっさんがちゃっかり座ってるよ。 
しかたなく俺がワインの小樽をだして、「追加で作ってくんから、今のやつ摘んでろ」といい屋台のほうへむかう。

しばらくして、俺がピザとポテト、唐揚げ、焼きそばを追加でもってきた。
「ション殿」ってジムだ。
「ジム、フローシア家も連れてきて、なんだ?」って俺がタバコに火をつけて一服だ。
「さすが隊長、会った事もないのによくわかるっすね」ってイアス。
「代々、同じような魔力の質だぞ」ってシリルだ。
「そういう事だ」といい、フローシア家も納得しながら「伝承通りですね。 で、私はラグダスと申す。 明日の件もあるんだが、ジムと同じで料理とワインが呑みたくて来させていただきました」って言われた。
「代々みな同じだ」と苦笑いするリン。

本当、代々ってか俺たちが屋台していると勝手にテーブル席できるよな。
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