【白銀の黒帝:4】精霊と無能者

八木恵

文字の大きさ
87 / 88
6章:精霊と無能者編

精霊と無能者

しおりを挟む
一方、シュン達は、魔の森でのんびりバーベキューしていた。

「精霊も馬鹿じゃの。 ここのマナに惹かれて続々集合しておる。 その都度、狩られるのにな。」って元竜王。
「ちっこいのに、殲滅だろ。 1匹づつ探すの面倒じゃねぇー。 
 あいつら馬鹿だかんよ、習性利用させてもらったんだ。 神獣達も魔物も少しは憂さ晴らし出来たんじゃね。 
 5日もすれば、残りは人間について離れられなくなっちまった精霊ぐれーだろ。」といいながら俺はエールを飲んでいる。

「どのぐらいの人数が集まるかのう」と、祭りを楽しみにしている大魔王だ。
一方、レイモンドは「僕だけ地味なんすけど」と不貞腐れているのだった。。。 
「しゃーねだろ。 邪魔はいんのも面倒なんだよ。 精霊みえる眼鏡やんから」と俺がいって魔道具を渡し、
「集まってる精霊でも狩ってこい」というと「はい! いってきまーす」とレイモンドは転移してく。

◇◇◇
そして、シュンの宣戦布告から10日が経った。

 [ 我、黒帝の縁者なり。 本日14時から精霊を殲滅する。 場所、元帝国と元王国の国境にて精霊つきの人間も対象だ。 逃げても無駄だ。 せいぜい贖うがいい。 ]という、アナウンス大陸中にが流れた。

俺的には、悪役気取りでアナウンスしてみたのだった。

そして14時に、精霊付きの人間が一斉に強制転移させられた。 
中には、逃走のため無手のものもいたが、ほとんどの者もが精霊の支配により戦闘可能な状態であった。 
総勢約500万人、大陸の総人口の2割弱だ。

彼からの先に見えるのは、11名(シュン、リン、カール、リオン、大魔王、元竜王、ドラン、魔王と四天王の3人)である。

「へー結構いんな。 大魔王、なかなかの人数だろ?」って俺がいうと、
「人数はな。 まぁ、楽しむか」という。 
「確かに人数はな」といっている元竜王。
 
「君たちは何が目的だ! この人数をみろ。 今すぐ投降すれば、精霊王様が許してくれるって」といってくるユウヤ。
 そんな言葉を聞いて、シュン達は大爆笑だ。 

「お花畑が、そろいもそろって胸糞悪りぃな。 俺らは精霊殺しにきてんの。 話すの無駄だ。」といって、俺はタバコに火を付け一服する。
「お花畑達だ、自由にやれ。 いくぞ」といいて、俺が大剣を振り白炎が放たれる。 
それを合図に11名が一斉に迫ってきた。

人間側も「精霊様が我々についている」という合図で、戦闘開始だ。
 11名に押され続々と倒される精霊付きの人間達。 
精霊魔法を放っても、精霊武器で攻撃しても続々と倒されていくのだった。 
逃走しようにも、俺がはった結界で逃げる事もできないのだった。。

その頃、レイモンドは、王宮で国王とダグラスとレイモンドの水魔術と空間把握で作った水鏡で、戦闘の様子を見ていたいる。 
「ほんと、僕 今回じみっすよ」と愚痴るりながら映像をみているレイモンド。 
一方は、映像を食いるように見ている、国王とダグラス。 

そんなレイモンドの愚痴に、「どういうことですか?」と聞くダグラス。
「ああ、師匠が精霊付きじゃない人間が邪魔だから眠らせとけっていうんで、
さっきまで転移でまわって風魔術で眠り薬まいて、共和国の主要都市の人々いま寝てもらったんすよ。 
王都で起きてんのは、俺ら3人とノトスだけっすから」というレイモンド。
 「そうですか。」といたたまれない感じのダグラスだ。

「敵は精霊っすからね。 国王と学園長は事実を知るべきってことで、映像を見てもらってんすよ。 あー、みんな楽しそうだな。」といいながら映像を見るレイモンド。

「き君たちは、人間を殺すことに何も思わないのか? これは、一方的な惨殺ではないか!」と訴える国王。
「クラスメイトだった生徒もいるんですよ!」とやや声を荒げていうダグラス。
 
「殺意を持ってくる者に、人間も魔物も関係なく、自分を守るために殺しますよ。 人間も魔物も命は同じです。 
 そう、師匠達に学びました。 人間だけっすよ、無駄に魔物の命をうばったり、戦争だってするでしょ。 
 僕らには、そっちのほうが意味わかんないんですが」と冷ややかにいうレイモンドに何も言えなくなってしまう国王とダグラスだった。
 
数時間が経過し、あまりの劣勢で逃げ惑うものも結界で逃げられず無残に倒されていく。
 終盤にさしかかり、ようやく精霊王が顕現した。 
「ようやくおでましか」といって、双剣に変えて「邪魔だ」といい、立ちはだかる人間も斬りつけ、次々と俺は精霊王を瞬殺した。
 
こうして、11対500万人は、11名の圧勝となった。

シュンの所に集まる10名は、エールをのみだす。 
大魔王が「まぁ、こんなもんか」といい、「ああ、でも血ぃあんびんの少なくて物足りないねーよな」というと、全員頷く。 エールを飲みながらひと息つき談笑している。


その頃、映像をみていた国王とダグラス。
「圧勝ですな、黒帝様は。」というダグラスに、国王は「ああ、姫も死んだか」と項垂れている。

「ああ、彼女らは精霊との繋がり強すぎたみたいなんで。。。 
 国王も学園長も気づいてないから教えますが、僕らの敵は精霊っすよ。  
 繋がりが強くなかった人間は、倒されただけで、寝てます。 んじゃぁ、僕 次の役割あるんで。 
 この映像は、残します。 他も見てもらわないといけないので」といって転移したレイモンドであった。

その日の夜、各地で黒竜に乗った青年とグリフォンの乗った青年が白竜を5頭ほど引き連れて淀んだ空気を浄化していくのを目覚めた国民達に多く目撃された。

その後、事態の収拾に追われた国王、ダグラス、ドニである。 
他貴族達は死亡またはまだ寝たままの状態であり使い者にならなかった。 
ちなみに、ユウヤと彼のハーレム達は、シュンが邪魔といった中であっさり瞬殺されている。

一方、『魔の森』の家では一夜明け、昼間から宴会をしている。
 シュンはいつもの指定席でエールを飲み、タバコを吹かしている。
 
「リオン、レイ、明日でお前らとお別れだ。  この世界の闇を魔界と神獣竜界に流したから、そっちの処理に行くんだ。 あと、これダグラスにでもわたしとけ」と俺は20冊に及ぶ分厚い魔法書を渡す。

レイモンドが本を受け取り「了解っす。 師匠達、お世話になりました」といい、リオンも「お世話になりました」という。 

それからも宴会は、続く。。。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

処理中です...