上 下
203 / 405
2章:俺の双子たちの話

成人になった俺の誕生日②

しおりを挟む
成人の儀も終わって次々人がきて酒をつがれて飲んでいく俺。

「若、おめでとうございます」って剛。 ますますでかくなってるし。
「若、おめでとうございます」って海斗。 さらにイケメンになってるし。
「ありがとう」って言っておく。

「それにしても、若が、ここに残ってくれるって決めてくれてよかったぜ」って剛。
「ああ、京都に行くって言わなくてな」って海斗。
「まじ、そんな事思ってたのかよ」って俺。
「だってよ、一時期、総大将に反抗してるし、なのに久美殿になついてるしな」って剛。
たしかに、小学生高学年の時まで、そんな感じだった。
だって、母さん、会えば優しいし、甘やかせてくれる。
オヤジは、なんか適当だし。 今もだけど。
でもさ、今も、オヤジには反抗的かもしれないけど表面上だ。 
実際、オヤジのやっている事はすごいし、よくできるなって尊敬してる。
母さんも凄いけど、それ以上なんだよな。
「それより聞いたぜ。 妖怪化したんだってな」って剛。
「そう、今朝。 まじ、驚いた」って俺。 なんか、今日いろいろありすぎて、今朝の事のように思えない。
「総大将の時のように、成人の儀が延期にならなくてよかったですよ」って海さん。
「え! それ本当?」って俺、その情報を聞いて驚いた。
「おい、海、俺の黒歴史を語るな!」ってオヤジ、キセルふかして酒のんでる。
「総大将、たまにはいいじゃないですか」って海さん。
「勝手にしろ」って言ってオヤジは他の幹部たちと話してる。
「海さん、まじ延期になったの?」って俺。
「総大将って、中学生まで昼の間は優等生演じてたんですよ。 夜は13歳のときから隠れて酒飲んで、たばこ吸ってましたけどね。 それで、昼も妖怪の姿になったとき、そりゃショックだったみたいで、1週間部屋からでてこなかったです。」
「それ、ユキから今朝聞いた」って俺。
「それで、成人の儀は妖怪の姿のままでいいのに、たまたまその日は中学卒業してるから昼にやる事になってて、絶対笑われるから嫌だっていって、部屋を籠城しちゃったんですよ。」
まじか、そこまでパニックになってたのかオヤジ。
「それで、初代が落ち着くまで延期って事になって、延期になったんですよ」って海さん。
「でも、一週間後に婆さんが無理やり外へ出したって」って俺。
「そうですよ。 さすがに数日で落ち着くと思ったら、これが1週間。 
 いい加減にこちらもいろいろ表と裏の稼業があるんで、当時若頭の総大将にも動いてもらわないといけない状態だったので、香菜様に頼みこんで、説得にはいったんですよ」って海さん。
オヤジ、仕事まで放棄してたのかよ。
「それで、ようやく出てきたわけですが、でてこなかった理由が、」ってプッって笑う海さん。
「え、おじいそれで?」って海斗。
「それが、私服のサイズが合わないからって理由だったんですよ」っていう海さん。
それって、まじ、そんな理由かよ。
「香菜様が、私服を用意してあって、それを渡したら解決して、それでようやく出てきたわけです」っていう海さん。
「まじかよ。」って俺。
「その後、すぐに成人の儀だったけどな」ってオヤジだ。
「ほれ、烈」っていって俺の盃に酒そそいでくれた。
飲む俺。 今日の酒ってまじ美味いな。
「オヤジ、どんだけ引き籠ったんだよ」って突っ込む俺。
「165CMが185CMじゃ、着る服ないし、あって和服だろ。 それに髪もあったし、まぁ、いろいろあったんだよあの時はな」ってオヤジだ。

「あのときゃ、笑えたな」ってひいジジイだ。
「烈、誕生日おめでとう」ってひいジジイが酒をそそいでくれた。
「ありがとう」っていて酒飲む俺。 今日、何杯目だよ。 おぼえてない。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ある日、突然始まったかのように思えたそれ

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

傷物にされた私は幸せを掴む

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:226

自分は戦士じゃないけれど

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

カードゲーマー異世界転生

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

妹売り

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

処理中です...