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2章:俺の双子たちの話

成人になった俺の誕生日①

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俺とオヤジが打ち合いしている間に、本家ではあわただしく宴会の準備に、幹部たちが集合していたっぽい。

俺は、珍しく、紋付はかまをきせられてる。
「これっていつの間にい用意してるんだ?」って俺。 初めて着るし。
「成人ですので、三代目の指示で」ってヤユリ。

なんか緊張するな。
「若、そろそろ」ってユイだ。
部屋からでて、ユイとヤユリの案内で行くと、オヤジが待ってた。

オヤジも家紋いりのはかまきてる。
「馬子にも衣裳だな」ってオヤジ、ニヤリ笑ってる。
「悪かったな」っておれ。

「それだけ言えれば大丈夫だな。 ついてこい」ってオヤジ。
オヤジの後をついていく。 いつもの屋敷なのに、今日はまじ静か。

気づけば俺の後ろには、オヤジの側近たち。
襖の前で立ち止まるオヤジだ。
「烈、今日から大人の仲間入りだ」ってオヤジ。
「総大将と若のおつきです」ってユイの声が中から聞こえると襖がひらく。

上座までの間、幹部たちもひいジジイ以外はみな整列して頭を下げてる。
厳かだし、すごく圧巻だ。
上座につくと、オヤジが中央で、ひいジジイが左側、そして俺が右側。
俺が座るのをみてオヤジが座る。

その間、みんな微動だしない。
「今日はよく集まった。 本日、俺の息子、烈の成人だ。 成人の儀をとりこなう」ってオヤジ。

ようやく皆が頭あげる。
そして中央が開いて、酒のはいったのをヤユリ、ユイ、ヨウが運んでくる。

俺の目の前で盃にそそがれて、儀礼に従って飲む俺。
初めて飲んだ酒は旨かった。 きっと最高級の妖酒。

「成人の儀は終わりだな。 烈、一言」ってオヤジ。
「私、このたび成人したばかりの若輩ものですが、総大将をささえていく所存。 以後、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。」って簡単な口上。

「「若、この度はご成人おめでとうございます」」って皆一声にいった。

ふぅ、これで俺の儀式は終わりだな。
「という事で、長年空席だった若頭の地位は、烈に継がせる事にした。 異論はあるか?」ってオヤジ。

沈黙が続く。
「異論なしという事で、特に若い妖怪たちは烈をささえてやってくれ」ってオヤジ。
「「はっ 総大将」」って皆が頭さげる。

「堅苦しいのは、ここまでだ。 皆、今日は騒げよ」ってオヤジの合図で次々と料理と酒が運ばれてくる。 皆、定位置について、わいわいがやがやだ。

俺はあれから色々将来の事を考えた。
オヤジは好きにすればいいって言われたけど、カラスの講義をきいていくうちに闇夜が薄くなる時代。 そして、西洋文化と一緒にはいってきた悪魔。
妖怪が生き抜くために、俺も怪良組の正式な一員になることにした。
同じ頃、水無も母さんの後を継ぐって事にしたみたいだ。

って考えてるけど、次々に人がきて、酒つがれる。
今日初めてなんだけど、酒飲むの。
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