【白銀の黒帝:1】最強のギルド隊長は、人に興味なし

八木恵

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4章:魔王編

緊急招集会議 前編

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緊急招集された者は、王宮の会議室に集められている。

国王が招集した要人たちに向けて、いうのだった。 かなり疲労している様子だ。
「先ほど、魔王が現れた。 2年後に人類を征服しにくると。 降伏する場合は、我々を奴隷にすると言っていた。 強者を集めろと言っていた。」

そんな王の発言に、哀れんだ様子で自分達の君主をみている。 
とうとう、精神的におかしくなったのかなどと。。
「王よ。 魔王など、おとぎ話の空想の人物ではないですか。 先ほどの急な闇に気でもふれましかのう。 急ぎ医師を」という貴族に、「とりあえず、ご静養を」という貴族たち。

そんな事を言われた王は怒りを顕にした。
「黙れ! 本当の事だ! 国軍最強のあの騎士団長は、魔王に殺されたのだぞ! しかも、一瞬でだ!」と机をたたき、立ち上がり「外を見ろ! 魔王が山を一個消した! それも一瞬だ!」といって、山のあったところを指をさす。 

皆がその方向を見ると、先ほどあった山が消えていた。

会議に参加している者は、魔王という存在についてはまだ半信半疑であるが、何か異変が起きており、かつそれは危機的な事だと認めるのだった。 
なんせ、この会議に騎士団長の姿がなく、黙って下をむいて座る騎士団の副団長が、騎士団長の椅子に鎮座しているのだった。 当初は、不在なのかと誰もが思ったが、副団長の様子から騎士団長の死を認めるのであった。

静かになった貴族たちを見て、王は着席し、再び口を開く。
「宰相、この者たちに創世記を含めて、説明してやれ。 あれは、本当だったのだな」と、王は自分の座る豪華な席の背もたれに身体をあずけるのであった。 宰相は、「御意」といい、立ち上がり本を開き読みだすのだった。

宰相の読む本の内容はこうだった。

この世界(人界)は、創造神により生みだされた。
”創造神は、魔物達を管理する神獣達と知恵を持つ人族を作りだした。 しかし、人族はとても脆く、魔物に襲われて数を減らす。それを哀れんだ創造神は、強靭な肉体と魔力を持つ陽褐色の肌で角の生えた魔族を作りだした。 人族と魔族を交配させると、魔力をもつ子が生まれた。
魔力を持つ人族を人間と呼び、人間同士でも魔力をもった子供が生まれる。
しかし、魔族と魔族同士では、繁殖力が乏しく、魔族の数はある一定数で常に留まるのだった。 一方、人間の姿は、人と同じで魔器の有無と人よりやや寿命が長く、身体能力がやや優れていたというぐらいの違いで見た目ではあまり違いがわからなかった。

魔族は、個体数は少ないが、人間より遥かに魔力の量が多くまた強靱の肉体を持ち、そして長寿であった。 当初は共存していた人族と魔族であったが、月日が経ち、人間の数が増え、殆どの人類が人間となった頃、異形の姿と魔族の力を恐れた人間は、魔族を危険視し、人間の数という力で、魔族を迫害しはじめる。
個体数が激減してしまった魔族は、とある神獣に助けを求めて保護され、ひっそりと生活していた。
しかし、人間はそれでも魔族を討伐しようと、神獣のいる土地にも踏み込むのだった。 その瞬間、空が暗くなり雷鳴が轟くのだった。 討伐に赴いた人間は誰も戻ってこず、その日から忽然と魔族も消える。 この不可思議な現象に、人間は神獣の土地に踏み込んだため、神の天罰が下ったと判断し、後世に神獣への干渉は天罰が下ると伝えたのだった。“

本を閉じた宰相が、「以上、王家のみに伝わっいた創世記です。 一般的には、神のお恵みにより魔力を得たとなっているかと。 ただ、魔王が現れ、魔族の王だと名乗った以上、この文献のみしか該当しませんのでお話しました。」といって着席する。

そして、着席した宰相は、静かに口を開く。
「今日から2年後、我々は魔族に侵略されます。 過去の恨みなのか目的は定かではありません。 ただし、2年後は、魔王は魔王の配下を連れてくると。 数はどのくらいかもわかりません。 皆さまにこの事態に対抗しうる策を練るため本日集まっていただきました」と、緊急招集の会議の理由を伝える。

王が、背を前向きにし、テーブルの上に両肘をのせながら、いう。
「宰相のいった通りだ。 今日から2年後、魔族が再び赴く。 2年後は、魔王のみならず、配下も連れてくるといっておった。 この2年間の間で、我々は魔族に対抗するために、強者をそろえる必要がある。」というと、皆まだ整理がついていないのか沈黙が続く。 

再び、王が口を開く。
「総帝、黒帝がこの場に来ないのはわかるが、まだ見つからないのか?」という。

いまだ総帝の立場にいるジルが、淡々と言う。
「はい、心辺りは探しましたが見つかりません。 いずれ会いに来ると言い残してますので、今は待つしかありません。」

すると、その言葉に机をたたきながら、貴族が怒鳴る。
「なにを呑気な事をいっている! 黒帝には魔王と戦ってもらわなきゃいかんのだぞ! さっさと探せ!」と命令口調で総帝であるジルに向かっていうのであった。

そんな横暴な態度の貴族に、ジルはなるべく冷静にそして冷淡な声色で発言する。
「黒帝といっても、元黒帝じゃやつは。 ギルド隊員も辞めた今、儂にやつをどうこうする事はできんのじゃ。」
「どういう事だ!」とジルに怒鳴った貴族は、さらに大声をあげる。
「忘れたのか! あやつは、この王国といや、今は共和国だったなとの関係は、任務のみの関係だったのじゃ。 だが、ギルドをやめた今、あやつはどこの国にも団体にも所属していない」とジルは最初は冷淡な声色で、そして最後は叱咤する。
「なに、そんな事聞いていないぞ! まさか、他国、皇国にいったとかあるまいな」と言い出す貴族。
「時が過ぎるというのは怖いものじゃ。 もともと、奴は王国にもどこの国にも属していなかった。 ギルドという団体に属していたんじゃ。 やつは、命令に従うのが嫌いなのじゃ。 地位も名誉も財産にも興味がないやつじゃ。 それに、かなりの人間嫌いで群れるのを嫌がる。 人間との生活にあきて、どっかにいってしまったのかもな」とジルは呆れた声でいう。

__その話を聞いて、先ほどまで静かだった会議室内が動揺なのか騒めく
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