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無期限の待ちぼうけ(1)
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翌朝、まだ外が薄暗い時間に、あたしは目を覚ました。
となりでは、蒼がうつ伏せになって寝顔をこちらに向けていた。
滑らかな頬に翳を落とす睫毛が長い……。
楽しい夢でも見てるのか、口元がうっすらと微笑んでいる。
「蒼……」
額にかかる髪を払っても、蒼は目を覚まさない。
あたしは、彼を起こさないように気をつけながら、そっとベッドを降りて服を着た。
パソコンが載っている机の上に、レポート用紙とボールペンが出ているのが見える。
あたしはボールペンを手に取って、紙の上にこう書き付けた。
昨晩はありがとう。
足も、おかげでだいぶ楽になったよ。
ぐっすりと寝てるみたいだから、黙って帰るけど許してね。
これからもずっと応援していくから、頑張ってください。
最後に「藍」と書いてから、自分の連絡先を残していこうかどうか迷う。
携帯の番号を書いておけば、可能性は限りなくゼロに近いけど、蒼は電話をくれるかも知れない、また会いたいと言ってくれるかも知れない。
「……どうしよう」
悩みながら途中まで書いて、結局、止めた。
並べられた数字の列を、黒い線で消す。
そうしながら、ちょっとウルッとしちゃうのを、唇を噛んで耐えた。
こんなの、迷うだけ無駄。
期待するだけ無駄。
昨夜のことは、蒼にとってはホンの気まぐれ。
これで、自分が蒼の特別になれるなんて思っちゃいけない。
蒼は、絶対に手の届かない人なんだから。
ここで、もし携帯の番号なんて残して帰ったら。
あたし、待っちゃうもん。
蒼からの電話、……来るはずがないって思いながらも、待っちゃうもん。
待って、待って、待って。
期待して、期待して、期待して。
それで結局は絶望するなら、最初から諦めていた方がいい。
叶うはずもない儚い希望を抱きながら、無期限に待たされるなんて、そしてそれに伴う心の痛みに耐えていくなんてこと、あたしにはできそうもなかった。
あたしは、そんなに、強くない。
蒼が、うにゃうにゃと何か言いながら寝返りを打った。
広い肩、長い腕、逞しい胸……。
それらが、昨夜は自分を抱きしめていたのだと思うと、切なくて涙が出そうになる。
忘れなきゃ。
昨夜のことは、夢なんだもの。
昨日は1日、本当についていなかった。
そんなあたしに神様が見せてくれた、夢。
夢ってね、ちゃんと覚えてる人の方が少ないんだって。
それでも覚えてるって言う人は、起きてから、自分のいいように脚色してるんだって。
だったら、あたしも……この夢は覚えていられない方がいい。
あたしは、書き上げた手紙を2つに折ってテーブルに置くと、蒼の部屋をあとにした。
外は、朝靄だった。
泣いているのを見られないように、本当は走って帰りたかった。
でも、蒼にテーピングをされた足はまだ、思うようには動いてくれなくて。
あたしは、びっこを引きながら、電柱に書かれた番地を頼りに駅までの道のりを歩いた。
周りから見たら、きっと無様な歩き方をしていたと思う。
その姿は……そのときの、あたしの心の具現だったから。
* * * * *
娘の外泊には慣れっこになっているママも、朝帰りしたあたしが、足首にぐるぐるとテーピングされているのを見て血相を変えた。
何かあったのか、悪い輩に絡まれたりしなかったのか、としつこく聞かれたけど、のらりくらりとはぐらかして自分の部屋に閉じこもる。
蒼とのことなんて言えるわけないし、言ったところで誰も信じやしない。
夢でも見てたんじゃないの、と軽くあしらわれるのがオチだ。
それはそうだろう。
当人のあたしだって、あれは夢だったんだと思ってるんだから。
あたしは、ベッドの上に突っ伏して、うだうだといろんなことを考えた。
あの書き置きを見て、蒼はどんな風に思っただろう。
恩知らずなやつ、とあたしを軽蔑しただろうか。
あたしの方から消えてくれて良かった、と胸を撫で下ろしただろうか。
それとも……連絡先くらい書いていけばいいのに、と残念がってくれただろうか。
携帯電話を取り出して、見る。
あたしは、一縷の望みを自分から断ち切った。
万が一、蒼がもう1度あたしに会いたいと思ってくれたとしても、蒼とあたしを繋ぐものは何もない。
安堵と、少しの後悔……蒼とは、もう2度と会えない方がいいと思う気持ちと、できることならまた会いたいという気持ちが、胸の中で鬩ぎ合う。
嘆息しながら、あたしは昨夜からオフになったままの携帯の電源を入れた。
丁度そのとき、携帯電話がぶるぶると振動しながら賑やかな着メロを奏でて、驚いたあたしは、思わずそれを取り落としそうになった。
「もしもし」
慌てて耳に押し当てたそれから聞こえてきたのは……。
「おはよう、藍」
「……甲斐くん」
バカみたいだ、あたし。
何を期待したんだろう、蒼からの電話であるわけがない。
それなのに、甲斐くんの名前を読んだあたしの声には、少なくはない落胆が交じった。
そんなあたしに、甲斐くんは電話の向こうで苦笑する。
「何だかなあ? 朝からテンション低いぞ」
「あ、ごめん……今、起きたとこ」
「だと思った。どうせ弾けまくってきたんだろ、蒼のコンサート」
「う、うん……」
他の人の口から蒼の名前が出るだけで、胸が苦しくなる。
でも、甲斐くんはそんなあたしには気づかない。
「昨日の夜、メール送っておいたんだけど、読んだ? 今日のデートは、映画でも観に行こうかって書いたんだけど」
「ごめん、まだ読んでないの。携帯の電源も、今入れたばっかりで」
あたしは嘘をついた。
そのメールなら、昨夜のうちに読んだ。
正確には、蒼が読み上げたのを聞いた、という意味だけど。
「ああ、そうか。でもまあ、いいや。で、どうする? 藍がよければ映画にするけど」
「うん……でも、今日はちょっと無理っぽい」
「え? どうしたの、何かあった?」
本音を言えば、こんな気持ちで、デートどころじゃなかった。
甲斐くんに悪いとか後ろめたいとか、そういうのともちょっと違う。
なんとなく、あたしの中の何かが変わってしまったみたいな感じだった。
だけど、それを具体的に説明しろと言われても無理な話で、あたしはまた嘘をつく。
「昨日ね、帰りに駅で転んで、足を捻挫したみたい。だから、出歩くのはちょっと……」
「捻挫? それはいけないな」
「今日はお医者さんも午後休診だから、朝のうちに行こうと思ってるんだけど」
お医者に行くつもりなんてなかったけど、一応そう言っておいた。
でも、それがいけなかったのかも知れない。
「ああ、そうだね、そうした方がいい。それじゃあ、今日のデートは中止にして、僕がお見舞いに行くよ」
甲斐くんは、本当に心配そうな口調でそんなことを言った。
今日は、甲斐くんだけじゃなく他の誰とも会いたくないと思っていたから、藪蛇だった。
「い、いいよ、そんな……心配するほどのことじゃないし」
「僕たち付き合ってるんだよ? 自分の彼女の心配をしなくて、誰の心配をするの」
付き合ってるんだよ、か……。
そんな言い方をされたら、どうしても来ないでとは言えなかった。
そもそも、昨夜のことを何も知らない甲斐くんには、罪がないのだからしょうがない。
「お昼過ぎくらいに行けるようにするからね」
「うん、わかった……」
お医者様にも忘れずに行くんだよ、と言って、甲斐くんは電話を切った。
あたしは、もう1度大きく嘆息してから、ベッドの上に起き上がった。
「ママ、佐久間さんって土曜日休診だっけ?」
とりあえず、着替えをしてから階下に降りると、ママは居間でテレビを観ていた。
「お昼までは開いてるわよ。その足、診てもらいに行くの?」
「うん……甲斐くんに、お医者にはちゃんと行かなきゃだめだよって言われたから」
甲斐くんの名前が出て、ママがニッコリする。
見るからにお坊ちゃまで、そつがなく人当たりの良い彼は、ママもお気に入りだ。
彼が家に遊びに来ることだって、もちろん大歓迎。
「相変わらず優しいのねえ。藍もいい加減、なんとかっていうアイドルに熱なんて上げてないで、もっと真面目にお付き合いしなさいよ。無断外泊なんかもやめて――」
お説教が始まる気配を察したあたしは、適当な相槌を打って早々に居間を出た。
彼氏がいてもいなくても、やりたいことはいっぱいある。
女友達との夜遊びだって、今の時代でしか楽しめないことだ、やめようなんて思わない。
ましてや、あたしがアイドルである蒼を好きでいようがいまいが、他人には関係ない。
そんなことは個人の自由だ。
あたしは仕方なく、びっこを引きながら近所の整骨院に向かった。
小さいころからお世話になっている先生は、あたしの足首を検めてシップを貼り、包帯を巻いたあとで、苦笑しながらこう言った。
「素人の生兵法は危ないから賛成できない、といつもなら言うんだが……このテーピングはなかなか上手いものだね。応急処置としては合格点だ。誰か、資格のある人にでもしてもらったのかい?」
まさか、その人は躍動感溢れる激しいステージがウリのアイドルなので慣れてたみたいです、なんて言えるわけもなく、あたしはまた曖昧に返答を濁すしかなかった。
先生は、用のなくなったテープを丸めて、診療室のゴミ箱に捨てた。
それを見るのがなんだかとても辛くて、あたしは思わず目を背けた。
となりでは、蒼がうつ伏せになって寝顔をこちらに向けていた。
滑らかな頬に翳を落とす睫毛が長い……。
楽しい夢でも見てるのか、口元がうっすらと微笑んでいる。
「蒼……」
額にかかる髪を払っても、蒼は目を覚まさない。
あたしは、彼を起こさないように気をつけながら、そっとベッドを降りて服を着た。
パソコンが載っている机の上に、レポート用紙とボールペンが出ているのが見える。
あたしはボールペンを手に取って、紙の上にこう書き付けた。
昨晩はありがとう。
足も、おかげでだいぶ楽になったよ。
ぐっすりと寝てるみたいだから、黙って帰るけど許してね。
これからもずっと応援していくから、頑張ってください。
最後に「藍」と書いてから、自分の連絡先を残していこうかどうか迷う。
携帯の番号を書いておけば、可能性は限りなくゼロに近いけど、蒼は電話をくれるかも知れない、また会いたいと言ってくれるかも知れない。
「……どうしよう」
悩みながら途中まで書いて、結局、止めた。
並べられた数字の列を、黒い線で消す。
そうしながら、ちょっとウルッとしちゃうのを、唇を噛んで耐えた。
こんなの、迷うだけ無駄。
期待するだけ無駄。
昨夜のことは、蒼にとってはホンの気まぐれ。
これで、自分が蒼の特別になれるなんて思っちゃいけない。
蒼は、絶対に手の届かない人なんだから。
ここで、もし携帯の番号なんて残して帰ったら。
あたし、待っちゃうもん。
蒼からの電話、……来るはずがないって思いながらも、待っちゃうもん。
待って、待って、待って。
期待して、期待して、期待して。
それで結局は絶望するなら、最初から諦めていた方がいい。
叶うはずもない儚い希望を抱きながら、無期限に待たされるなんて、そしてそれに伴う心の痛みに耐えていくなんてこと、あたしにはできそうもなかった。
あたしは、そんなに、強くない。
蒼が、うにゃうにゃと何か言いながら寝返りを打った。
広い肩、長い腕、逞しい胸……。
それらが、昨夜は自分を抱きしめていたのだと思うと、切なくて涙が出そうになる。
忘れなきゃ。
昨夜のことは、夢なんだもの。
昨日は1日、本当についていなかった。
そんなあたしに神様が見せてくれた、夢。
夢ってね、ちゃんと覚えてる人の方が少ないんだって。
それでも覚えてるって言う人は、起きてから、自分のいいように脚色してるんだって。
だったら、あたしも……この夢は覚えていられない方がいい。
あたしは、書き上げた手紙を2つに折ってテーブルに置くと、蒼の部屋をあとにした。
外は、朝靄だった。
泣いているのを見られないように、本当は走って帰りたかった。
でも、蒼にテーピングをされた足はまだ、思うようには動いてくれなくて。
あたしは、びっこを引きながら、電柱に書かれた番地を頼りに駅までの道のりを歩いた。
周りから見たら、きっと無様な歩き方をしていたと思う。
その姿は……そのときの、あたしの心の具現だったから。
* * * * *
娘の外泊には慣れっこになっているママも、朝帰りしたあたしが、足首にぐるぐるとテーピングされているのを見て血相を変えた。
何かあったのか、悪い輩に絡まれたりしなかったのか、としつこく聞かれたけど、のらりくらりとはぐらかして自分の部屋に閉じこもる。
蒼とのことなんて言えるわけないし、言ったところで誰も信じやしない。
夢でも見てたんじゃないの、と軽くあしらわれるのがオチだ。
それはそうだろう。
当人のあたしだって、あれは夢だったんだと思ってるんだから。
あたしは、ベッドの上に突っ伏して、うだうだといろんなことを考えた。
あの書き置きを見て、蒼はどんな風に思っただろう。
恩知らずなやつ、とあたしを軽蔑しただろうか。
あたしの方から消えてくれて良かった、と胸を撫で下ろしただろうか。
それとも……連絡先くらい書いていけばいいのに、と残念がってくれただろうか。
携帯電話を取り出して、見る。
あたしは、一縷の望みを自分から断ち切った。
万が一、蒼がもう1度あたしに会いたいと思ってくれたとしても、蒼とあたしを繋ぐものは何もない。
安堵と、少しの後悔……蒼とは、もう2度と会えない方がいいと思う気持ちと、できることならまた会いたいという気持ちが、胸の中で鬩ぎ合う。
嘆息しながら、あたしは昨夜からオフになったままの携帯の電源を入れた。
丁度そのとき、携帯電話がぶるぶると振動しながら賑やかな着メロを奏でて、驚いたあたしは、思わずそれを取り落としそうになった。
「もしもし」
慌てて耳に押し当てたそれから聞こえてきたのは……。
「おはよう、藍」
「……甲斐くん」
バカみたいだ、あたし。
何を期待したんだろう、蒼からの電話であるわけがない。
それなのに、甲斐くんの名前を読んだあたしの声には、少なくはない落胆が交じった。
そんなあたしに、甲斐くんは電話の向こうで苦笑する。
「何だかなあ? 朝からテンション低いぞ」
「あ、ごめん……今、起きたとこ」
「だと思った。どうせ弾けまくってきたんだろ、蒼のコンサート」
「う、うん……」
他の人の口から蒼の名前が出るだけで、胸が苦しくなる。
でも、甲斐くんはそんなあたしには気づかない。
「昨日の夜、メール送っておいたんだけど、読んだ? 今日のデートは、映画でも観に行こうかって書いたんだけど」
「ごめん、まだ読んでないの。携帯の電源も、今入れたばっかりで」
あたしは嘘をついた。
そのメールなら、昨夜のうちに読んだ。
正確には、蒼が読み上げたのを聞いた、という意味だけど。
「ああ、そうか。でもまあ、いいや。で、どうする? 藍がよければ映画にするけど」
「うん……でも、今日はちょっと無理っぽい」
「え? どうしたの、何かあった?」
本音を言えば、こんな気持ちで、デートどころじゃなかった。
甲斐くんに悪いとか後ろめたいとか、そういうのともちょっと違う。
なんとなく、あたしの中の何かが変わってしまったみたいな感じだった。
だけど、それを具体的に説明しろと言われても無理な話で、あたしはまた嘘をつく。
「昨日ね、帰りに駅で転んで、足を捻挫したみたい。だから、出歩くのはちょっと……」
「捻挫? それはいけないな」
「今日はお医者さんも午後休診だから、朝のうちに行こうと思ってるんだけど」
お医者に行くつもりなんてなかったけど、一応そう言っておいた。
でも、それがいけなかったのかも知れない。
「ああ、そうだね、そうした方がいい。それじゃあ、今日のデートは中止にして、僕がお見舞いに行くよ」
甲斐くんは、本当に心配そうな口調でそんなことを言った。
今日は、甲斐くんだけじゃなく他の誰とも会いたくないと思っていたから、藪蛇だった。
「い、いいよ、そんな……心配するほどのことじゃないし」
「僕たち付き合ってるんだよ? 自分の彼女の心配をしなくて、誰の心配をするの」
付き合ってるんだよ、か……。
そんな言い方をされたら、どうしても来ないでとは言えなかった。
そもそも、昨夜のことを何も知らない甲斐くんには、罪がないのだからしょうがない。
「お昼過ぎくらいに行けるようにするからね」
「うん、わかった……」
お医者様にも忘れずに行くんだよ、と言って、甲斐くんは電話を切った。
あたしは、もう1度大きく嘆息してから、ベッドの上に起き上がった。
「ママ、佐久間さんって土曜日休診だっけ?」
とりあえず、着替えをしてから階下に降りると、ママは居間でテレビを観ていた。
「お昼までは開いてるわよ。その足、診てもらいに行くの?」
「うん……甲斐くんに、お医者にはちゃんと行かなきゃだめだよって言われたから」
甲斐くんの名前が出て、ママがニッコリする。
見るからにお坊ちゃまで、そつがなく人当たりの良い彼は、ママもお気に入りだ。
彼が家に遊びに来ることだって、もちろん大歓迎。
「相変わらず優しいのねえ。藍もいい加減、なんとかっていうアイドルに熱なんて上げてないで、もっと真面目にお付き合いしなさいよ。無断外泊なんかもやめて――」
お説教が始まる気配を察したあたしは、適当な相槌を打って早々に居間を出た。
彼氏がいてもいなくても、やりたいことはいっぱいある。
女友達との夜遊びだって、今の時代でしか楽しめないことだ、やめようなんて思わない。
ましてや、あたしがアイドルである蒼を好きでいようがいまいが、他人には関係ない。
そんなことは個人の自由だ。
あたしは仕方なく、びっこを引きながら近所の整骨院に向かった。
小さいころからお世話になっている先生は、あたしの足首を検めてシップを貼り、包帯を巻いたあとで、苦笑しながらこう言った。
「素人の生兵法は危ないから賛成できない、といつもなら言うんだが……このテーピングはなかなか上手いものだね。応急処置としては合格点だ。誰か、資格のある人にでもしてもらったのかい?」
まさか、その人は躍動感溢れる激しいステージがウリのアイドルなので慣れてたみたいです、なんて言えるわけもなく、あたしはまた曖昧に返答を濁すしかなかった。
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