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望ましくない光景(1)
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自分でも、信じられなかった。
自分の身体の、1番恥ずかしいところを口で愛撫されて、感じてしまうなんて。
その前に、そんな部分に口をつけるという行為自体が、あたしにとってはすごいショックだったし、いくら好きな人だからって、ていうより、好きな人だからこそ、そんなところをまじまじと見られることに抵抗があった。
ああ、考えるだけで顔が赤くなる。
付き合い始めてそろそろ4ヶ月になる甲斐くんとも、したことなかった。
甲斐くんは、いつもあたしのことを気遣いながらえっちしてくれる。
蒼の、息も継げないほど激しく、追い詰めるような愛撫とは、まるで正反対だ。
でも……自分が、甲斐くんとの穏やかなセックスで満たされていたかと言えば、多分そうじゃない。
壊れ物のように優しく抱かれることが、女として嬉しくなかったわけじゃないけど、心のどこかでは、もっと激しく愛されたいとも思ってた。
無意識のうちに、甲斐くん以外の人に抱かれることを願っていたのかも知れない。
そんなとき、目の前に現れたのが、蒼。
もともとは彼の強引さに押し切られたようなものだけど、その後の深みに自分から足を踏み入れてしまったのは、他でもない、あたし自身だ。
蒼とのセックスは、あたしにとって本当に新境地だった。
自分の身体に合う、とでも言うのか……最初に抱き合った夜も、えっちに相性というものがあるとしたら、蒼とあたしは、きっと抜群に良いに違いないと思った。
それは、もしかしたら、単にあたしが蒼に惹かれているからそう感じるだけかも知れないけど、それだけではない何かが……あるような気がするのは、思い上がりだろうか。
「何考えてるの?」
不意に、声をかけられて我にかえった。
あたしの顔を覗き込んでいるのは、甲斐くん。
「気分でも悪い? 次のサービスエリアでちょっと休憩しようか?」
相変わらず優しい甲斐くんは、心配そうな様子でそんなことを言う。
甲斐くんと一緒にいても、気がつけば蒼のことを考えている自分に、腹が立つ。
最低だ、こんなあたし。
「ううん、大丈夫……気にしないで」
「あと1時間くらいで着くから、眠かったら寝るといいよ」
そう言って、肩を抱いてくれる。
あたしは、頷いて彼の肩に頭を凭れさせた。
甲斐くんとあたしは、野尻湖にある甲斐くんちの別荘に向かっていた。
別荘に連れて行ってくれるっていうのは、夏休みの前から約束していたことだけど、電車か高速バスで行くのかと思ってたから、いきなり運転手つきのベンツで迎えに来られたときには驚いた。
甲斐くんって、お坊ちゃまなんだなあとつくづく思った。
多分、彼の穏やかな性格や人当たりの柔らかさは、育ちの良さから来ているんだろう。
「甲斐くん……」
「うん?」
「ちゅして」
「どうしたの、今日はやけに甘えたさんだね」
甲斐くんは少し笑って、それでも、唇に触れるだけの軽いキスをくれた。
それから、ぎゅっと抱きしめられる。
「なんか、今日の藍、すごく可愛い」
愛しげな様子で髪に頬ずりされて、何だかちょっと切なくなった。
あたしは、このぬくもりを、もっと大事にするべきなのかも知れない。
「……楽しい旅行になるといいね」
「もちろん、楽しいさ。藍と、ずっと一緒にいられるんだからね」
別荘に着くなり襲っちゃうかも、おどけた口調で甲斐くんが言う。
あたしは、彼の背中に腕を回して抱きしめ返した。
「いいよ……あたしも、甲斐くんといっぱいえっちしたい」
それを聞いた甲斐くんはちょっと驚いて、それからいかにも嬉しそうに破顔した。
その笑顔を見て、自分はこの人に好かれてるんだと思う。
あたしも、甲斐くんのこと、ちゃんと好きになりたい。
そしたら、きっと……手の届かない人のことなんて、忘れられる。
甲斐くんが、忘れさせてくれる。
あたしのこと、大好きだって言ってくれる、甲斐くんなら。
* * * * *
甲斐くんちの別荘に着いてすぐ、中年の男女を紹介された。
「こちらが、ここを管理してくれている小笠原さん夫妻」
彼らは、年に数度、ここを訪れる甲斐くんの家族のために、住み込みでこの別荘の管理をしているというご夫婦で、物静かな感じの旦那さんと、優しそうな奥さんだった。
「家の管理だけじゃなく、掃除とか食事とか、僕たちがここにいる間、身の回りの世話もしてくれる。特に、小笠原さんの奥さんの手料理は絶品なんだよ」
彼らは人の良さそうな笑顔を見せて、「ご自分の家だと思って寛いでください」と言った。
それから、甲斐くんに別荘の中をざっと見せてもらって、最後に、あたしが使う部屋に案内された。
落ち着いた内装のこじんまりとしたその部屋は、1階の奥に位置していて、大きな窓からは周囲の緑が見渡せる、静かで居心地の良さそうな部屋だった。
「どうかな、気に入った?」
あたしの荷物を、部屋の隅に据えられた可愛らしいチェストの上に置きながら、甲斐くんが聞く。
「うん、外国のログハウスみたいで、すごく素敵なお家だね。このお部屋も静かで落ち着けそうだし、小笠原さんっていうご夫婦も良い人っぽくて安心した」
「そう、それは良かった」
甲斐くんは、ホッとしたように微笑んで、あたしの肩にそっと手を置いた。
「このあと、どうする? 長旅で疲れただろうし、少し休む?」
甲斐くんは優しい。
いつだって、ちゃんとあたしのことを気遣ってくれる。
「ああ、うん……でも、もう少し一緒にいたいな、甲斐くんと」
いつになく甘えた声を出したあたしに、甲斐くんはちょっと苦笑した。
「本当に、今日の藍はどうしちゃったんだか? まあ、甘えられる僕は嬉しいけど」
「だって、2人で遠出なんて初めてだし、嬉しいんだもん」
そう言ってもらえると僕も嬉しいよって、甲斐くんは、あたしをぎゅっと抱きしめてきた。
なんだか、往きの車中からずっと雰囲気が甘い。
付き合い始めて4ヶ月、やっと恋人同士らしい時間を過ごせているような気がする。
この旅行をきっかけに、自分の気持ちを確かなものにしたい……甲斐くんのこと、きちんと好きになりたいって、あらためて思った。
「甲斐くん……」
あたしは彼の手を引いて、窓際に置かれたベッドに腰掛けた。
となりに座った甲斐くんと視線が合う。
引き寄せられるようにして、唇が重なる。
こうすることが、ごく自然な流れのように。
「んん……」
甲斐くんは、口づけながら背中のファスナーを音もなく下ろすと、そのままあたしをベッドに押し倒した。
首筋から、耳のうしろ、鎖骨の窪み、肩先まで、優しいキスが何度も降ってくる。
あたしは、背中を少し浮かせて、彼の手がブラを外すのに協力する。
「あ、はぁん……」
露わになった胸のふくらみを手のひらで包まれて、思わず溜息が洩れた。
早くも自己主張を始めた先端の蕾を押しつぶすように、ゆっくりと揉まれる。
蒼は、あたしのココを嬲るのが好きだ。
唇と舌を使って、執拗に責められると気が狂いそうになる。
あたしが、お願いだからもう止めてと懇願するまで、彼はいつまでもそれを続ける。
蒼は、いつだってそうして――。
あたしは、思わずはっとして首を振った。
何を考えていたんだろう。
今、目の前にいてあたしを抱いているのは、蒼じゃない。
「どうしたの? どこか痛かった?」
甲斐くんが、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「やっぱり、疲れてるのかな……今は、止めておこうか?」
どこまでも優しい彼は、労わるような声でそんなことを言う。
あたしは、彼を裏切っているのに。
彼の腕に抱かれながら、別の男性を思い浮かべてしまうような女なのに。
「ごめん、なさい……あたし……」
言葉に詰まったあたしの髪を、甲斐くんが撫でる。
蒼とのことを打ち明けたら、甲斐くんはどんな顔をするだろうか。
けれども、あたしが口を開く前に、彼は身体を起こしてこう言った。
「ごめん、疲れているのに無理をさせるようなことをして……夕食の用意ができたら知らせるから、それまでゆっくり休むといいよ」
「違うの、甲斐くん、……あたしは、」
言いかけたあたしの唇に人差し指を当てて、「シイ」と言う仕草をする。
「この部屋にも、バスルームはついているから自由に使ってもらって構わないんだけど、もし気が向いたら、2階の風呂を使って。半分露天みたいになってて気持ちがいいよ。温泉を引いているから、時間を気にしないで入れるしね」
それだけ言うと、甲斐くんは立ち上がって、少し乱れた服を直した。
あたしは、半裸のままベッドに取り残され、それでも彼を引き止めることができない。
「じゃあ、僕はこれで」
立ち去りかけた甲斐くんは、ドアのところで足を止めると、にっこり笑って扉を閉めた。
……やっぱり最低だ、あたし。
甲斐くんを好きになれば、蒼のことを忘れられると思った。
あんなに優しくて自分を想ってくれている甲斐くんを、道具みたいに扱って、それで自分の気持ちに整理をつけようとした。
そんな自分勝手が、許されるわけがない。
あたしはベッドの中で丸くなって、声を出さずに泣いた。
甲斐くんに申し訳なかったからか、蒼に会いたかったからか、それとも自分が可哀相だったからか……自分自身が泣いている、その理由さえわからずに。
自分の身体の、1番恥ずかしいところを口で愛撫されて、感じてしまうなんて。
その前に、そんな部分に口をつけるという行為自体が、あたしにとってはすごいショックだったし、いくら好きな人だからって、ていうより、好きな人だからこそ、そんなところをまじまじと見られることに抵抗があった。
ああ、考えるだけで顔が赤くなる。
付き合い始めてそろそろ4ヶ月になる甲斐くんとも、したことなかった。
甲斐くんは、いつもあたしのことを気遣いながらえっちしてくれる。
蒼の、息も継げないほど激しく、追い詰めるような愛撫とは、まるで正反対だ。
でも……自分が、甲斐くんとの穏やかなセックスで満たされていたかと言えば、多分そうじゃない。
壊れ物のように優しく抱かれることが、女として嬉しくなかったわけじゃないけど、心のどこかでは、もっと激しく愛されたいとも思ってた。
無意識のうちに、甲斐くん以外の人に抱かれることを願っていたのかも知れない。
そんなとき、目の前に現れたのが、蒼。
もともとは彼の強引さに押し切られたようなものだけど、その後の深みに自分から足を踏み入れてしまったのは、他でもない、あたし自身だ。
蒼とのセックスは、あたしにとって本当に新境地だった。
自分の身体に合う、とでも言うのか……最初に抱き合った夜も、えっちに相性というものがあるとしたら、蒼とあたしは、きっと抜群に良いに違いないと思った。
それは、もしかしたら、単にあたしが蒼に惹かれているからそう感じるだけかも知れないけど、それだけではない何かが……あるような気がするのは、思い上がりだろうか。
「何考えてるの?」
不意に、声をかけられて我にかえった。
あたしの顔を覗き込んでいるのは、甲斐くん。
「気分でも悪い? 次のサービスエリアでちょっと休憩しようか?」
相変わらず優しい甲斐くんは、心配そうな様子でそんなことを言う。
甲斐くんと一緒にいても、気がつけば蒼のことを考えている自分に、腹が立つ。
最低だ、こんなあたし。
「ううん、大丈夫……気にしないで」
「あと1時間くらいで着くから、眠かったら寝るといいよ」
そう言って、肩を抱いてくれる。
あたしは、頷いて彼の肩に頭を凭れさせた。
甲斐くんとあたしは、野尻湖にある甲斐くんちの別荘に向かっていた。
別荘に連れて行ってくれるっていうのは、夏休みの前から約束していたことだけど、電車か高速バスで行くのかと思ってたから、いきなり運転手つきのベンツで迎えに来られたときには驚いた。
甲斐くんって、お坊ちゃまなんだなあとつくづく思った。
多分、彼の穏やかな性格や人当たりの柔らかさは、育ちの良さから来ているんだろう。
「甲斐くん……」
「うん?」
「ちゅして」
「どうしたの、今日はやけに甘えたさんだね」
甲斐くんは少し笑って、それでも、唇に触れるだけの軽いキスをくれた。
それから、ぎゅっと抱きしめられる。
「なんか、今日の藍、すごく可愛い」
愛しげな様子で髪に頬ずりされて、何だかちょっと切なくなった。
あたしは、このぬくもりを、もっと大事にするべきなのかも知れない。
「……楽しい旅行になるといいね」
「もちろん、楽しいさ。藍と、ずっと一緒にいられるんだからね」
別荘に着くなり襲っちゃうかも、おどけた口調で甲斐くんが言う。
あたしは、彼の背中に腕を回して抱きしめ返した。
「いいよ……あたしも、甲斐くんといっぱいえっちしたい」
それを聞いた甲斐くんはちょっと驚いて、それからいかにも嬉しそうに破顔した。
その笑顔を見て、自分はこの人に好かれてるんだと思う。
あたしも、甲斐くんのこと、ちゃんと好きになりたい。
そしたら、きっと……手の届かない人のことなんて、忘れられる。
甲斐くんが、忘れさせてくれる。
あたしのこと、大好きだって言ってくれる、甲斐くんなら。
* * * * *
甲斐くんちの別荘に着いてすぐ、中年の男女を紹介された。
「こちらが、ここを管理してくれている小笠原さん夫妻」
彼らは、年に数度、ここを訪れる甲斐くんの家族のために、住み込みでこの別荘の管理をしているというご夫婦で、物静かな感じの旦那さんと、優しそうな奥さんだった。
「家の管理だけじゃなく、掃除とか食事とか、僕たちがここにいる間、身の回りの世話もしてくれる。特に、小笠原さんの奥さんの手料理は絶品なんだよ」
彼らは人の良さそうな笑顔を見せて、「ご自分の家だと思って寛いでください」と言った。
それから、甲斐くんに別荘の中をざっと見せてもらって、最後に、あたしが使う部屋に案内された。
落ち着いた内装のこじんまりとしたその部屋は、1階の奥に位置していて、大きな窓からは周囲の緑が見渡せる、静かで居心地の良さそうな部屋だった。
「どうかな、気に入った?」
あたしの荷物を、部屋の隅に据えられた可愛らしいチェストの上に置きながら、甲斐くんが聞く。
「うん、外国のログハウスみたいで、すごく素敵なお家だね。このお部屋も静かで落ち着けそうだし、小笠原さんっていうご夫婦も良い人っぽくて安心した」
「そう、それは良かった」
甲斐くんは、ホッとしたように微笑んで、あたしの肩にそっと手を置いた。
「このあと、どうする? 長旅で疲れただろうし、少し休む?」
甲斐くんは優しい。
いつだって、ちゃんとあたしのことを気遣ってくれる。
「ああ、うん……でも、もう少し一緒にいたいな、甲斐くんと」
いつになく甘えた声を出したあたしに、甲斐くんはちょっと苦笑した。
「本当に、今日の藍はどうしちゃったんだか? まあ、甘えられる僕は嬉しいけど」
「だって、2人で遠出なんて初めてだし、嬉しいんだもん」
そう言ってもらえると僕も嬉しいよって、甲斐くんは、あたしをぎゅっと抱きしめてきた。
なんだか、往きの車中からずっと雰囲気が甘い。
付き合い始めて4ヶ月、やっと恋人同士らしい時間を過ごせているような気がする。
この旅行をきっかけに、自分の気持ちを確かなものにしたい……甲斐くんのこと、きちんと好きになりたいって、あらためて思った。
「甲斐くん……」
あたしは彼の手を引いて、窓際に置かれたベッドに腰掛けた。
となりに座った甲斐くんと視線が合う。
引き寄せられるようにして、唇が重なる。
こうすることが、ごく自然な流れのように。
「んん……」
甲斐くんは、口づけながら背中のファスナーを音もなく下ろすと、そのままあたしをベッドに押し倒した。
首筋から、耳のうしろ、鎖骨の窪み、肩先まで、優しいキスが何度も降ってくる。
あたしは、背中を少し浮かせて、彼の手がブラを外すのに協力する。
「あ、はぁん……」
露わになった胸のふくらみを手のひらで包まれて、思わず溜息が洩れた。
早くも自己主張を始めた先端の蕾を押しつぶすように、ゆっくりと揉まれる。
蒼は、あたしのココを嬲るのが好きだ。
唇と舌を使って、執拗に責められると気が狂いそうになる。
あたしが、お願いだからもう止めてと懇願するまで、彼はいつまでもそれを続ける。
蒼は、いつだってそうして――。
あたしは、思わずはっとして首を振った。
何を考えていたんだろう。
今、目の前にいてあたしを抱いているのは、蒼じゃない。
「どうしたの? どこか痛かった?」
甲斐くんが、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「やっぱり、疲れてるのかな……今は、止めておこうか?」
どこまでも優しい彼は、労わるような声でそんなことを言う。
あたしは、彼を裏切っているのに。
彼の腕に抱かれながら、別の男性を思い浮かべてしまうような女なのに。
「ごめん、なさい……あたし……」
言葉に詰まったあたしの髪を、甲斐くんが撫でる。
蒼とのことを打ち明けたら、甲斐くんはどんな顔をするだろうか。
けれども、あたしが口を開く前に、彼は身体を起こしてこう言った。
「ごめん、疲れているのに無理をさせるようなことをして……夕食の用意ができたら知らせるから、それまでゆっくり休むといいよ」
「違うの、甲斐くん、……あたしは、」
言いかけたあたしの唇に人差し指を当てて、「シイ」と言う仕草をする。
「この部屋にも、バスルームはついているから自由に使ってもらって構わないんだけど、もし気が向いたら、2階の風呂を使って。半分露天みたいになってて気持ちがいいよ。温泉を引いているから、時間を気にしないで入れるしね」
それだけ言うと、甲斐くんは立ち上がって、少し乱れた服を直した。
あたしは、半裸のままベッドに取り残され、それでも彼を引き止めることができない。
「じゃあ、僕はこれで」
立ち去りかけた甲斐くんは、ドアのところで足を止めると、にっこり笑って扉を閉めた。
……やっぱり最低だ、あたし。
甲斐くんを好きになれば、蒼のことを忘れられると思った。
あんなに優しくて自分を想ってくれている甲斐くんを、道具みたいに扱って、それで自分の気持ちに整理をつけようとした。
そんな自分勝手が、許されるわけがない。
あたしはベッドの中で丸くなって、声を出さずに泣いた。
甲斐くんに申し訳なかったからか、蒼に会いたかったからか、それとも自分が可哀相だったからか……自分自身が泣いている、その理由さえわからずに。
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