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恋する笑顔に恋をした(3)
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飛んでくるだろう、と言ったヒガシさんの言葉通り、店の事務所に戻っていくらも経たないうちに、乱暴にドアが開いて桂木さんが顔を出した。
蒼の怪我は大したことなかったけど、傷口を消毒したあとは、唇の端に絆創膏を貼られていて、それを見た途端、怪我をした本人よりも取り乱した様子で、開口一番、桂木さんは彼を呼んだ。
「蒼!」
蒼は、悪戯を見つかった子供のようにばつの悪そうな顔になる。
「だから、あれほどひとりで街をウロウロするなと言ったろう!」
「人を徘徊癖のある年寄りみたいな言い方しないでくださいよ、別にウロウロしていたわけじゃない、ヒガシさんに会いに来ただけで――」
苦笑いしながら言い訳をしようとした蒼を、桂木さんは煩そうに遮った。
「それならそうと、なぜ連絡のひとつも入れられない? まったく、お前というやつは……」
イライラとした口調で言いかけた桂木さんは、そこで大きく嘆息して言葉を切った。
うなだれたまま何度か首を振り、蒼に近づくとその肩を軽く押さえて、言う。
「とにかく、……お前が無事で良かった」
その言葉にはいかにも実感がこもっていて、桂木さんが、蒼のことをすごく心配していたことが窺えた。
それは蒼にもわかっているのか、彼もそれ以上口答えをしようとはしなかった。
その様子は、わがまま放題でマネージャーを蔑ろにし、好き勝手に振舞っているように見えても、蒼と桂木さんの間にはちゃんと通じ合うものがあるのだろうと思わせた。
桂木さんの運転するバンの後部座席に、蒼と2人、並んで座る。
桂木さんは、黙ったまま前を向き、ハンドルを握っている。
蒼と言葉を交わしたあと、少し落ち着いて辺りを見回した桂木さんは、その場にあたしがいることに気づいて、ちょっと驚いたみたいだった。
蒼に連れて来られたのか、と聞かれたから、素直にそうですと答えると、彼は、ヒガシさんを振り向いてもの言いたげに眉を上げた。
ヒガシさんは、少し肩をすくめて見せただけで何も言わなかったけれども、桂木さんは、それでとりあえず納得したのか、そこでまた小さく溜息を吐いた。
今回、蒼が怪我をした原因はあたしにあるのだから、ちゃんと説明しておくべきと思い口を開きかけると、それは蒼自身に止められた。
その後は、ヒガシさんにもろくなお礼が言えないうちに、桂木さんに急き立てられるようにして事務所をあとにし、バンに押し込められたのだった。
「怪我、…大丈夫?」
「口の中を少し切っただけだよ、心配するほどの怪我じゃない」
見上げたあたしを安心させるように、彼は笑ってそう答えた。
それでも、あたしが絆創膏の貼られたあたりにそっと触れると、少しだけ痛そうに顔を顰める。
「ごめんね……あたしがしっかりしてないから、こんなことになって……」
あたしは、彼の二の腕の辺りに額を押し付けて、言う。
そんなあたしの頭を、蒼は大きな手のひらでぽんぽんと軽く叩いた。
「あれは藍のせいじゃない、あんな時間に女の子をひとりで表に出した俺が悪いんだ。君の方こそ、怖い思いをしただろう?」
「ううん、あたしは平気……でも、あたしのために蒼が怪我することなかったのに」
なんといっても、蒼はアイドルなのだ。
テレビの収録とか、顔に傷がついていたら都合の悪いことだってあるはずだ。
それに、今回はヒガシさんとあの強面さんのおかげでなんとか収拾がついたけれど、あそこで蒼の正体が割れていたら大変なことになっていたに違いない。
人気アイドルが繁華街で酔っ払いと喧嘩、なんてワイドショーのいいネタになる。
そう考えたら、大事にならなくて本当に良かったとあらためて思った。
「まあ、先に手を上げてしまったのは俺の方だし、これくらいは仕方ないさ。それに、自分の女が酔っ払いに絡まれてるの見たら、男なら誰だってカッとして当たり前だろ?」
自分の女……。
あたしが、蒼の?
「どうしたの?」
ぽかんと彼の顔を見つめるあたしに、蒼は怪訝そうに首を傾げた。
「ううん……ただ、嬉しいなって思って……」
「何が?」
「何もかも、全部……蒼と、今こうして一緒にいられることも」
蒼は、わかったようなわからないような顔をして、くすっと小さく笑う。
それから、髪を撫でていた手で軽くうなじを押さえてあたしを上向かせると、鼻の頭が触れ合うくらいにまで顔を近づけてきた。
「君は時どき、どういう思考を経たらそんな言葉が出てくるのかと思うようなことを言うよね」
「そう、……かな?」
「そんな台詞のひとつひとつが、男の理性の箍なんて軽く吹っ飛ばしちまうんだって、それを言った本人はちっとも自覚がないんだから、余計に始末に困る」
「……それって、あたしのこと?」
蒼は困ったように眉を下げ、君以外に誰がいるの、と笑って言った。
「俺がこんなになるのも、藍のせいだよ」
彼は、片手であたしのうなじを支えたまま、もう片方の手であたしの手首をつかんだ。
「え、嘘……なんで……?」
導かれるままソコに触れたあたしは、驚いて声を上げた。
彼のその部分は、服の上からでもわかるくらい、大きく、硬くなっていたから……。
「まったく、自分でも笑えるよ。君が相手だと、ところ構わず勃っちまう」
「あた、し……?」
戸惑うあたしに、蒼は、これまでに見たうちで1番に艶っぽい笑顔を向けた。
「取り出して、……もっとよく見てもいいんだよ?」
囁くような彼の声に誘導されるように、あたしはジッパーに手をかけた。
* * * * *
「…………」
えーと……。
こういう時、何を言えばいいんだろ。
もちろん、男の人の「モノ」を、まじまじと見るのなんて初めてだ。
それなのに、蒼の股間から垂直を向いて勃ち上がったソレから、目が離せない。
ソレは、何だか本当にとても大きくて、蒼の一部でありながら、別の生き物のような気さえした。
「どうしたの?」
思わずソレをじっと見つめてしまっていたあたしは、蒼に尋ねられて我にかえる。
蒼の声には、あたしの反応を面白がるような響きが混じっていた。
「凝視したりして……そんなに珍しい?」
「そ、…そういうわけじゃ……」
言いかけて、続かなくなる。
もう1度、手首をつかんでソコに導かれてしまったから。
「いつも、藍を気持ちよくしているのはコレだよ?」
それは、わかってる……、けど。
「ほら、触ってごらん」
肉茎に沿わせたあたしの手に、手のひらを重ねるようにして、蒼は自身を握った。
蒼が手を動かすと、あたしの手も一緒に動いてしまう。
「ああ、思った通りだ……藍の手、すごく馴染む……」
熱を持ったソレは、手のひらが弾かれてしまいそうなくらいに張りつめて、硬い。
艶々とした先端だけが、ひどく脆そうに見えた。
「手を、ゆっくり上下に動かしてみて、……そう、上手だ……」
添えられた蒼の手に力がこもる。
促されるまま握り締めたソコから、熱い脈動が伝わってきた。
「……どんな、感じ?」
蒼が少し眉を顰めたような顔をしているから、不安になってあたしは聞く。
こんな風にして蒼のモノに触れるのは初めてだし、愛撫するといったって多分ものすごく下手くそだろうし、もしかしたらちっとも気持ちよくないかも知れない。
けれども、蒼は目を細めて吐息し、重ねた手をさらに何度か動かすと
「イイよ、最高……もっと続けて」
今すぐにでもイケそう、と掠れた声で答えた。
先端のくぼみから、透明なしずくが溢れている。
何の気なしに、親指の腹でソコを撫でると、蒼はぴくりと反応して低く呻いた。
「あ、…ご、ごめんなさいっ」
痛かっただろうか。
鮮やかなピンク色をしたソコは、見るからに敏感そうだった。
慌てたあたしは手を離そうとするけれど、上からぎゅと押さえつけられてしまう。
「だめだよ、止めないで、……もう少し、だから……」
声の調子から、痛かったのではなかったのだとわかってホッとした。
それから、蒼にもっともっと気持ちよくなって欲しいと思う。
様子を窺うようにそっと見上げると、目の合った彼は苦笑した。
「ああ、そんな顔されたらヤバイって……俺、まだまだハマリそうだよ、君に……」
空いている方の手で、頭のうしろを強くつかまれ、ぐいと引き寄せられる。
息も継げない、食べられてしまいそうな激しいキス。
重ねられた手を蒼が強く動かすと、手のひらの中で、それはますます体積を増して反り上がった。
彼ももう、限界が近いのかも知れない。
急くような息遣い、切なげな表情、それらがこんなにも愛しいものだったなんて。
「あ、くぅっ……」
深く口づけたまま、口中に注ぎ込まれる吐息。
同時に迸った精は、お互いの手と、あたしのスカートを汚したけど、そんなの全然気にならない。
蒼が、あたしの手の中で果ててくれたこと、それはあたしの心に深い満足を与えた。
そして、今……あたしは、自分がすごく昂ってるのを感じてる。
蒼に身体を委ねることはこれまで何度もしてきた、けれど今夜、あたしは自分から彼を求めたい。
ただ抱きしめられるのを待つのではなく、あたしが彼を抱きしめたい。
想いが大きくなりすぎて、胸が破裂してしまう前に、しっかりと彼に伝えたい。
あなたを、……愛していますって。
蒼の怪我は大したことなかったけど、傷口を消毒したあとは、唇の端に絆創膏を貼られていて、それを見た途端、怪我をした本人よりも取り乱した様子で、開口一番、桂木さんは彼を呼んだ。
「蒼!」
蒼は、悪戯を見つかった子供のようにばつの悪そうな顔になる。
「だから、あれほどひとりで街をウロウロするなと言ったろう!」
「人を徘徊癖のある年寄りみたいな言い方しないでくださいよ、別にウロウロしていたわけじゃない、ヒガシさんに会いに来ただけで――」
苦笑いしながら言い訳をしようとした蒼を、桂木さんは煩そうに遮った。
「それならそうと、なぜ連絡のひとつも入れられない? まったく、お前というやつは……」
イライラとした口調で言いかけた桂木さんは、そこで大きく嘆息して言葉を切った。
うなだれたまま何度か首を振り、蒼に近づくとその肩を軽く押さえて、言う。
「とにかく、……お前が無事で良かった」
その言葉にはいかにも実感がこもっていて、桂木さんが、蒼のことをすごく心配していたことが窺えた。
それは蒼にもわかっているのか、彼もそれ以上口答えをしようとはしなかった。
その様子は、わがまま放題でマネージャーを蔑ろにし、好き勝手に振舞っているように見えても、蒼と桂木さんの間にはちゃんと通じ合うものがあるのだろうと思わせた。
桂木さんの運転するバンの後部座席に、蒼と2人、並んで座る。
桂木さんは、黙ったまま前を向き、ハンドルを握っている。
蒼と言葉を交わしたあと、少し落ち着いて辺りを見回した桂木さんは、その場にあたしがいることに気づいて、ちょっと驚いたみたいだった。
蒼に連れて来られたのか、と聞かれたから、素直にそうですと答えると、彼は、ヒガシさんを振り向いてもの言いたげに眉を上げた。
ヒガシさんは、少し肩をすくめて見せただけで何も言わなかったけれども、桂木さんは、それでとりあえず納得したのか、そこでまた小さく溜息を吐いた。
今回、蒼が怪我をした原因はあたしにあるのだから、ちゃんと説明しておくべきと思い口を開きかけると、それは蒼自身に止められた。
その後は、ヒガシさんにもろくなお礼が言えないうちに、桂木さんに急き立てられるようにして事務所をあとにし、バンに押し込められたのだった。
「怪我、…大丈夫?」
「口の中を少し切っただけだよ、心配するほどの怪我じゃない」
見上げたあたしを安心させるように、彼は笑ってそう答えた。
それでも、あたしが絆創膏の貼られたあたりにそっと触れると、少しだけ痛そうに顔を顰める。
「ごめんね……あたしがしっかりしてないから、こんなことになって……」
あたしは、彼の二の腕の辺りに額を押し付けて、言う。
そんなあたしの頭を、蒼は大きな手のひらでぽんぽんと軽く叩いた。
「あれは藍のせいじゃない、あんな時間に女の子をひとりで表に出した俺が悪いんだ。君の方こそ、怖い思いをしただろう?」
「ううん、あたしは平気……でも、あたしのために蒼が怪我することなかったのに」
なんといっても、蒼はアイドルなのだ。
テレビの収録とか、顔に傷がついていたら都合の悪いことだってあるはずだ。
それに、今回はヒガシさんとあの強面さんのおかげでなんとか収拾がついたけれど、あそこで蒼の正体が割れていたら大変なことになっていたに違いない。
人気アイドルが繁華街で酔っ払いと喧嘩、なんてワイドショーのいいネタになる。
そう考えたら、大事にならなくて本当に良かったとあらためて思った。
「まあ、先に手を上げてしまったのは俺の方だし、これくらいは仕方ないさ。それに、自分の女が酔っ払いに絡まれてるの見たら、男なら誰だってカッとして当たり前だろ?」
自分の女……。
あたしが、蒼の?
「どうしたの?」
ぽかんと彼の顔を見つめるあたしに、蒼は怪訝そうに首を傾げた。
「ううん……ただ、嬉しいなって思って……」
「何が?」
「何もかも、全部……蒼と、今こうして一緒にいられることも」
蒼は、わかったようなわからないような顔をして、くすっと小さく笑う。
それから、髪を撫でていた手で軽くうなじを押さえてあたしを上向かせると、鼻の頭が触れ合うくらいにまで顔を近づけてきた。
「君は時どき、どういう思考を経たらそんな言葉が出てくるのかと思うようなことを言うよね」
「そう、……かな?」
「そんな台詞のひとつひとつが、男の理性の箍なんて軽く吹っ飛ばしちまうんだって、それを言った本人はちっとも自覚がないんだから、余計に始末に困る」
「……それって、あたしのこと?」
蒼は困ったように眉を下げ、君以外に誰がいるの、と笑って言った。
「俺がこんなになるのも、藍のせいだよ」
彼は、片手であたしのうなじを支えたまま、もう片方の手であたしの手首をつかんだ。
「え、嘘……なんで……?」
導かれるままソコに触れたあたしは、驚いて声を上げた。
彼のその部分は、服の上からでもわかるくらい、大きく、硬くなっていたから……。
「まったく、自分でも笑えるよ。君が相手だと、ところ構わず勃っちまう」
「あた、し……?」
戸惑うあたしに、蒼は、これまでに見たうちで1番に艶っぽい笑顔を向けた。
「取り出して、……もっとよく見てもいいんだよ?」
囁くような彼の声に誘導されるように、あたしはジッパーに手をかけた。
* * * * *
「…………」
えーと……。
こういう時、何を言えばいいんだろ。
もちろん、男の人の「モノ」を、まじまじと見るのなんて初めてだ。
それなのに、蒼の股間から垂直を向いて勃ち上がったソレから、目が離せない。
ソレは、何だか本当にとても大きくて、蒼の一部でありながら、別の生き物のような気さえした。
「どうしたの?」
思わずソレをじっと見つめてしまっていたあたしは、蒼に尋ねられて我にかえる。
蒼の声には、あたしの反応を面白がるような響きが混じっていた。
「凝視したりして……そんなに珍しい?」
「そ、…そういうわけじゃ……」
言いかけて、続かなくなる。
もう1度、手首をつかんでソコに導かれてしまったから。
「いつも、藍を気持ちよくしているのはコレだよ?」
それは、わかってる……、けど。
「ほら、触ってごらん」
肉茎に沿わせたあたしの手に、手のひらを重ねるようにして、蒼は自身を握った。
蒼が手を動かすと、あたしの手も一緒に動いてしまう。
「ああ、思った通りだ……藍の手、すごく馴染む……」
熱を持ったソレは、手のひらが弾かれてしまいそうなくらいに張りつめて、硬い。
艶々とした先端だけが、ひどく脆そうに見えた。
「手を、ゆっくり上下に動かしてみて、……そう、上手だ……」
添えられた蒼の手に力がこもる。
促されるまま握り締めたソコから、熱い脈動が伝わってきた。
「……どんな、感じ?」
蒼が少し眉を顰めたような顔をしているから、不安になってあたしは聞く。
こんな風にして蒼のモノに触れるのは初めてだし、愛撫するといったって多分ものすごく下手くそだろうし、もしかしたらちっとも気持ちよくないかも知れない。
けれども、蒼は目を細めて吐息し、重ねた手をさらに何度か動かすと
「イイよ、最高……もっと続けて」
今すぐにでもイケそう、と掠れた声で答えた。
先端のくぼみから、透明なしずくが溢れている。
何の気なしに、親指の腹でソコを撫でると、蒼はぴくりと反応して低く呻いた。
「あ、…ご、ごめんなさいっ」
痛かっただろうか。
鮮やかなピンク色をしたソコは、見るからに敏感そうだった。
慌てたあたしは手を離そうとするけれど、上からぎゅと押さえつけられてしまう。
「だめだよ、止めないで、……もう少し、だから……」
声の調子から、痛かったのではなかったのだとわかってホッとした。
それから、蒼にもっともっと気持ちよくなって欲しいと思う。
様子を窺うようにそっと見上げると、目の合った彼は苦笑した。
「ああ、そんな顔されたらヤバイって……俺、まだまだハマリそうだよ、君に……」
空いている方の手で、頭のうしろを強くつかまれ、ぐいと引き寄せられる。
息も継げない、食べられてしまいそうな激しいキス。
重ねられた手を蒼が強く動かすと、手のひらの中で、それはますます体積を増して反り上がった。
彼ももう、限界が近いのかも知れない。
急くような息遣い、切なげな表情、それらがこんなにも愛しいものだったなんて。
「あ、くぅっ……」
深く口づけたまま、口中に注ぎ込まれる吐息。
同時に迸った精は、お互いの手と、あたしのスカートを汚したけど、そんなの全然気にならない。
蒼が、あたしの手の中で果ててくれたこと、それはあたしの心に深い満足を与えた。
そして、今……あたしは、自分がすごく昂ってるのを感じてる。
蒼に身体を委ねることはこれまで何度もしてきた、けれど今夜、あたしは自分から彼を求めたい。
ただ抱きしめられるのを待つのではなく、あたしが彼を抱きしめたい。
想いが大きくなりすぎて、胸が破裂してしまう前に、しっかりと彼に伝えたい。
あなたを、……愛していますって。
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