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第5章 少年期〜青年期 学園4学年編
42話 “大会最終日14・歴史的瞬間のその裏で・・・“
しおりを挟むあのお方「『・・・これで“聖獣“達により全ての事実が詳らかとなった。これより、私達から獣人達だけではなく全ての者達に向け警告をする』」
「「「「「!!!!」」」」」
と、獣人達だけではなく、ここにいる全ての人間達に向けての発言にこの場にいる全ての人達に緊張が走った・・・・・
アトリー 視点
ティーナちゃんに身体を貸して、少しした頃・・・
(あらら、獣人さん達、自分達の敬愛する、“聖獣達“に真実を突きつけられて落ち込んでるよ・・・まぁ、ちょっと自業自得っぽいけど・・・)
夜月『ふん、敬ってる本人の口から真実が聞けたんだから、むしろ喜べばいいのにな』
(それは、・・・喜べるものかなぁ???(・・?))
天華『そうですよ。むしろ今まで、よくそんな勘違いできてたのか不思議でなりません。アトリーにまで迷惑かけて、“聖獣達“ももっと早くこの勘違いを正しておけば、こんな事にならなかったでしょうに』
(いやいや、軽はずみな発言した僕も悪いんだけどね・・・(*´ー`*))
ジュール『えー、アトリーに迷惑かけたのはアレだけど、真面目にお仕事してただけでこんな勘違いされてる“聖獣達“もかわいそうだよぉ~』
(だよねぇ~、その一端は僕にもあるんだけどねぇ~(*´Д`*)本当、ごめんなさいって感じ・・・)
はい、どうも、僕です。今、“聖獣達“が獣人に向けて真実を突きつけている最中、僕はジュール達と今あってる会話について念話で話しています・・・
(ん?あれ?なんか“フェンリル“、遠慮がちじゃない?)
ティーナちゃんに身体を貸してはいるものの、視界と聴覚で全ての事柄はちゃんと把握できているため、今、“聖獣達“が襲撃をして来た獣人達に関係を否定している所で、他の“聖獣達“が自分が守護している土地にある国の獣人達に、次々苦情を言っていると、その中で“フェンリル“だけが遠慮がちに“フェニックス“の言葉に同調するように頷いているのを発見した・・・すると、
ティーナちゃん『あぁ、あれねぇ、(あ、ティーナちゃん)・・・あれは、“フェンリル“は自分の鈍さに反省してるのよ。あのこ、あの“神狼教“の信徒とアレだけ交流があったのに、自分を“神“として崇めているなんて全く気づいてなかったんだって、“神狼教“は書いて字のごとく、“狼“そのものを崇めていて、自分が“狼“の“聖獣“だからその繋がりで、友好的に接して来ているものだと思ってたらしいわ』
と、現実世界の方でお仕事モードをしていたティーナちゃんが、急に精神世界の僕たちの会話に入ってきた。
(えっ!?マジで!?Σ('◉⌓◉’))
ティーナちゃん『うん!マジも、マジっ!・・・でも、仕方ないのよねぇ、今の“フェンリル“の代で、初めてあの“神狼教“ができて、向こうから積極的に接触して来たから、どう接したら正解かわからなかったんだと思うのよ』
(あー、他の“聖獣達“の信者達は極力あっちから近づいてこなかったみたいだもんなぁ・・・それに、今代の“フェンリル“って子沢山ぽかったし、子育てとお仕事が両立できてなかったところに、あの“神狼教“が子守を買って出て来たってところか?( ̄▽ ̄))
ティーナちゃん『そうなのよぉ~、あの子の守護する山脈の範囲が広いってのもあるから、パトロールも結構時間掛かっちゃうみたいで、どうしても子育てに手が回らなくなっちゃったらしいの、それに、あの子の旦那さん、不慮の事故で亡くなってたから尚更大変だったみたい・・・』
(あ~、それは大変だ、やんちゃ盛りの子供が多いと、それは他人の手も借りたくなるわぁ・・・)
近所のママ友との世間話みたいな軽さで、会話していると、僕はふと、ある事に気づいた。
(あれ?そう言えば、今ここにその“神狼教“の人達っていないよね?(・・?)それなのに“フェンリル“連れて来ちゃったの?)
ティーナちゃん『あ、それは大丈夫、例の“ライヒスルの学生“、あの子と一緒に今回の件に加担していた“神狼教“関係者と、その他の人達とまとめて縛って、アトリーちゃんとこの騎士団の人に渡してるから♪』
と、言って、視線をグラウンドの端に向けたティーナちゃん。
(あ、本当だ!いた!・・うわぁ、結構な数いるなぁ・・・あ、あの派手な服装の人、もしかして第二側妃?なんか、おでこに書いてある?)
ティーナちゃん『そう♪アトリーちゃんに悪さした人達にはわかりやすくあのマークをつけてあげたのよっ♪あれ、分かりやすくていいでしょ?以前やってみて結構簡単だし、分かりやすかったから今度から、アトリーちゃんにちょっかいかけて神罰刑になった人には、大なり小なりわかりやすいマークつける事にしたの!!』
視線の先で見つけたたくさんの関係者達、その中で見覚えのある人物を発見したのだが、その人物のおでこに何やら見覚えのないマークがついていた、どうやらそれは以前に、ウェルセメンテ王国で暗躍していた“邪神教“の信徒を判別させるためにつけていたマークの応用で、今回は僕にちょっかいをかけて来た人達を分かりやすくしたものだったらしい。*前回もアトリーにいかがわしい視線を送った性犯罪者達も出ていたが、その事はアトリーは知らない・・・
(・・・あー、確かに分かりやすいかも・・・ん?て事は今回の件で関わったあのシニストラの教師陣も?)
ティーナちゃん『いるわよぉ、あいつらから、まとめて、情報を吸い出したら、やっぱりあの“邪神教“の関係者だったわ、それも、“元“、魔道具開発部ってところの所属だったらしいわ・・・』
(ん?“元“?“元“ってどういう事?)
今回の件で、唯一獣人達との関係性がはっきりしていないにも関わらず。この騒動を起こすための重要な魔道具を製作していた、シニストラの教員達の事をティーナちゃんに聞いたところ、やはり予想していた通り、例の“邪神教“の関係者だったことが判明、でも、何やら少々事情がありそうだった。
ティーナちゃん『それがね、あの“邪神教“のやつらって、自分達の起こす事件以外で、外部との提携で事を起こす時、その人員に選ばれた奴らは強制的に“邪神教“から脱退させられるらしいの、それも事を起こす数ヶ月前からその任務に選ばれた人員達は、自ら関わった“邪神教“の関係施設や書類を全て処分して、全ての痕跡を消すくらい徹底して、関係を断ち切らせるのよ。でも、任務を与えられた人員は絶対その任務を遂行させるように洗脳してる、本当に厄介な組織だわ・・・』
(うわぁ・・・じゃあ、今回もめぼしい情報はなし?いや、でも、そのことが分かっただけでも良かったかな?)
ティーナちゃん『まぁねぇ~、あいつら、自分達で事を起こす時もある程度して欲しい事の指示は出すけど、肝心の作戦の内容なんかはその支部ごとにほとんどお任せで、総本部的なところは使用する魔道具なんかを指定してくる事はあっても、場合によっては簡単な指示だけして、成果が出るまでは完全にノータッチ見たいな時もあるらしいから、元々その支部ごと切り捨てる前提で組織運営してるみたいなのよねぇ・・・だから、事件があって、関係者を捕まえられても全貌が掴めなくてイライラするのよぉ~』
と、相手の組織構造が複雑だったことが分かったのはいいが、やはり、何度も事が起こって向こうの関係者を捕まえても、トカゲの尻尾切りで肝心の本体すら見えてこない、この状況にモヤモヤ感が溜まっていくのを感じているようだ。
(あらら、かなりご立腹・・・それにしても、あの“邪神教“事を起こすごとに支部や研究機関を使い捨てにしてるなんて、元々、大きいとは思ってたけど予想以上に規模が大きい組織だよね?それにかなり資金力がないとできないやり方だけど、どこからその資金が出てるんだろう?・・・よく、街で出回っている、あの“呪詛媒体“のアクセサリーとか、“薬“だけじゃ、全く補えないんじゃ・・・)
ティーナちゃん『そうよねぇ・・・それこそ、小さな国の年間予算単位ぐらいの資金が必要よねぇ?・・・どこかの国がバックについてるとか?でも、そんな事をこの世界の国々がしてるのならすぐにわかるしなぁ・・・・』
ティーナちゃんとの会話の中で、予想外の組織の規模のデカさという新たなる気づきがありつつも、その流れで手掛かりになりそうな、そのデカい組織を運営するのに必要な資金の出所の話になると、さらに疑問が募った、
『『『『『『(うーーーん・・・)』』』』』』
と、みんなで、その事で頭を悩ませていると・・・
天華『あ、でも、以前“神狼教“に魔道具を売りつけていたことがありますし、今回のように国の中枢のお家騒動などに加担して、開発した魔道具などを高額で売りつけたりしていたらどうでしょうか?もしくは、ただの研究機関を装って研究費を各国の裕福な王侯貴族から集めているとか・・・・』
『『『『『(それありそう!!)』』ですね!!』』だな!』
ティーナちゃん『うーん、その線で一度情報を洗ってみるわ!ありがとう天華ちゃん!!』
天華『い、いえ、お役に立てれば幸いです・・・』
基本的に僕が神々と会話している時は会話に入ってこない天華が、これまでの向こうの行動から、1番正解に近そうな予測を立てて話してくれた、その予測を心から感謝しているのか、ティーナちゃんの声はとても嬉しそうで、感謝の言葉と同時に僕の身体でティーナちゃんに撫でられている天華は何やら照れている、その光景を見て僕はほっこり和むのだった・・・・
(あ、そう言えば、“真実と警告“を告げに来たって言ってたけど、“真実“は“聖獣達“が言ってるやつだけ?この後、ティーナちゃんからは何か新しい情報はある感じ?)
ティーナちゃん『あ、それはないわ、彼らに伝える“真実“は“聖獣達“が話していることだけで、彼らに直接、真実を告げるのも“聖獣達“の仕事だから、私から何か言う事はないのよ。私の重要な仕事はこれから、大々的に各国の要人達が集まってるちょうどいい機会だから、この“真実“とともに今後のことも考えて、“警告“もしてしっかり釘を刺しておかないとね!』
(お、おう?( ・∇・)何についての“警告“かは分かんないけど、お仕事頑張って!!( ^∀^))
ティーナちゃん『うん!頑張るわっ!!』
“聖獣達“の話もそろそろ終わろうとしていた所で、この先の展開をティーナちゃんに確認をとってみると、何やらかなり気合いが入った様子だったので声援を送ったら、ティーナちゃんはさらに気合を入れて、現実世界の方に意識を戻し、お仕事モードになった。
ティーナちゃん「『・・・これで“聖獣“達により全ての事実が詳らかとなった。これより、私達から獣人達だけではなく全ての者達に向け警告をする』」
「「「「「!!!!」」」」」
(おぉ、お仕事モードになってる・・・あれ?獣人さん達限定の警告じゃないんだ?・・・あ、“神狼教“の関係者は人族が多いからそれも踏まえてってことかな?(・・?))
と、呑気に傍観していると・・・
ティーナちゃん「『まず、今回の騒動により、“聖獣達“の“使命“に関しての認識のズレを正すため、リトス教を通じ、正しい情報を流布させる。それを全ての国々が正式にそれが正しい歴史だと言うことを公表すること、この発表を意図的に歪曲させ流布した国には“重い神罰“が降る事を覚悟しなさい。
そして、「ズンッ!!」「「「「「っ!!!???」」」」」これは今までにも似たような“警告“していますが、ちゃんと理解していない者達がいるようなので、今回はより詳細に警告をします。“我らが愛し子“はこの世界で自由に過ごす権利を持っています。なので、国や教会、あらゆる組織、そして、私的なお家騒動や国際的政治闘争など、本人の望まぬ問題に巻き込む事は“絶対“に許しません。また、その“警告“を無視した者達には“死ぬ事より、より厳しく重い神罰“をくだします』」
「「「「「えっ!?・・・・」」」」」 (おっふっ(・Д・)・・・)
最初は“聖獣達“に関しての歴史的観点の訂正の流布の徹底だったのに、急に再度威圧を放ちながら、声を低くし真剣な表情で告げた事は僕に関しての警告だったことで、僕だけではなく闘技場の中にいた全ての人達が予想外だったようで、それを聞いた人達は揃いも揃ってポカンッと口を開けて固まっていた。
(えっ?もしかして、これがティーナちゃんが言ってた重要なお仕事!?Σ('◉⌓◉’)以前からずーっと言ってる、僕への“不可侵の警告“の詳細が1番重要なの!?しかも、なんか“神罰“の内容が何気にグレードアップしてるんだけど!?( ゚д゚)てかっ、今回の騒動の最後の締めがコレで良いの!!!???)
最後の最後で、自分に関する事柄が出て来たことが予想外だった僕は軽く混乱するのだった・・・
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