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第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
32話 “学園祭“・・・最終日の始り・・・
(徒歩で馬車入り口から入ればいいと思うだろ?でも、今は門が閉められていて、馬車もいちいち止めて中に乗っている人を確認して、門を開けてもらって中に進む形になっているから、徒歩の人が入れる隙がほとんどないんだよ、それに、この馬車用の門はかなり強力な“看破スキル“の機能付きで、姿くらましや気配を消すような魔法やスキルを使っていると、すぐにその効果を“看破“して、強制的にそのスキルを無効化させられる。だから、そこを通っても結局は姿を見せなきゃいけなくなるし・・・姿を見せると大騒ぎしそうなんだよねぇ(*´Д`*)・・・はぁ~・・・)
と、自分が姿を見せた時の周囲の反応を今から思うと溜息が出るのだった・・・・
そして、自分で築いたセキュリティシステムに溜息を吐きながら、学生専用入り口の検問の列に並んだ僕、列はかなりの人数が並んでいるが、検問といってもそう難しいものではなく、軽く説明すると、軽く壁で仕切られ、横長のテーブルが置かれた半個室、それが横に三つ並んでおり手荷物検査ブースとなっている、その中にいる担当の警備騎士達が、手際よく生徒達の身分を確認し手荷物検査をして、学章の認識の魔道具と一体になっている門の方へと生徒達を送り出しているのだ。(なんか空港の保安検査場みたい・・・)
学生達もいつもの事なので慣れた感じで、列が進んで行くのを待っている。
そんな僕の前にある学生達の列のかなり先、もう少しで手荷物検査の順番が来るといった所で、さっきも遭遇した“ボレアース“の王女殿下の姿を発見した・・・
(うぉっ、彼女もまだ学園に入ってなかったのか、困ったな、彼女に見つからないといいんだけど・・・( ̄▽ ̄))
ソル「アトリー様、僕の後ろに・・・」ボソッ
「あ、あぁ、ありがとう、ソル・・・」コソッ
ソル「できればイネオス達の間に移動なされたほうがいいですが、急に動くと怪しまれてしまいますので、徐々にイネオス達の方に移動なさってください、イネオス達には話は通していますので・・・」コソコソッ
「何から何までありがとう、ソル、皆んなも・・・」コソコソッ
皆んな「「「「お気になさらないでください」」」」コソッ
僕が今1番会いたくない相手に気づいたようにソルもその事に気づいて、僕をその相手から隠す様に皆んなの先頭にいた僕と位置を交代してくれた。そればかりではなく、もっと僕を隠す算段をイネオス達とも協力して立ててくれていた。その事に僕は本当に嬉しくなって、居場所がバレるのであまり喋らないほうがいいとわかっていても、皆んなに心の底からの感謝を述べると、皆んなは優しくそう返してくれた・・・
皆んなの言葉に甘えてその後は徐々に場所を移動して、イネオスとリリ嬢、ベイサンとヘティ、この2人ずつが横に並ぶ間に囲まれるような位置に着くと、より、周囲から気づかれないようになった。
その間も列は着実に進み、いつの間にか“ボレアース“の王女殿下は手荷物検査をパスして、すでに学園内に入って行っていた。
そして、順調に順番が迫ってきて、後もう一人で僕達の順番になると言う所で、僕達は徐々に自分の気配や姿がわかる様に“隠蔽スキル“を解くと・・・
警備騎士「「「「「っ!!??」」」」」
「しーっ・・・」コソッ
警備騎士「「「「「!!」」」」」コクコクッ!
スキルを解き出した途端、すぐに僕達の存在に気づいた警備担当の騎士達が、驚きの表情でこちらを見てくる、でも、彼ら以外の人はまだ僕がイネオス達に囲まれていて気づいてないので、手で黙っていて欲しい、とジェスチャーすると、無言で頷いて了承してくれた。
この時、ジュール達は小さな姿で僕に抱えられている状態なので、イネオス達との間の感覚は結構狭い、なのですぐに人が一人増えても普通の学生ではすぐに気づく事はなかった。
警備の騎士達にバレたのは、彼らが騎士としてしっかり感知系のスキルを鍛えて、任務中は常に気を張って勤めていた結果だ・・・
(よかった・・・声をあげて驚かれていたら、すぐに周囲の人達にバレてしまう所だった・・・(*´ー`*))
天華『徐々に存在を表したのが功を奏しましたね・・・』
(だね。優秀な人達だったから、こちらの意図にもすぐに気づいてくれたみたいだし( ̄▽ ̄))
夜月『そうだな、ではそろそろ、私達も降ろしてくれ』
(あ、はい・・・ちょっと残念(*´Д`*)・・・)
警備の騎士達の咄嗟の対応のおかげで、すぐに騒ぎにならなかった事に安堵していると、僕達の前にいた学生の順番が来たようで、手荷物検査のブースに呼ばれた、すると、僕達のグループ内で手荷物検査をする順番を決めて、最初は僕と知っている夜月がそろそろ自分達を降ろしてくれと言ってきた。
でも僕は、ここ最近、ずっと大きな姿で過ごしていて、滅多に見せてくれていなかったジュール達の久しぶりの小さい姿を、もっと堪能していたかったと思いつつ、ゆっくり夜月とジュールを地面に下ろした。
皆んな「「「「「!!」」」」」 すぅ・・・
ブワッ・・・
僕が夜月達を下ろした事に前にいたイネオスやリリ嬢、先頭にいたソルが同時に気づき、息を合わせたのかと思うほど綺麗な所作で、僕達に道を譲る様に左右に分かれたので、夜月達は遠慮なくいつもの最も活動しやすい大きさになって、いつもと同じように僕の両脇に寄り添ってくれた。
夜月『そう残念がるな。今日1日頑張ったら帰ってからまた小さくなってやるから、その時存分に堪能すればいい』
(!!∑(゜Д゜)約束だよ!!( ^∀^))
ジュール『うん!約束!』
本気で残念がってる僕に、今日1日頑張ればご褒美として小さい姿をしてくれると言って、約束してくれたので、テンションが上がった僕、ニコニコ笑顔でイネオス達が譲ってくれた道を歩き出した、すると・・・・
「「「「「!?」」」」」 「「「「「えっ!?」」」」」 「「「「「あれはっ!!」」」」」 「「「「「あのお方はっ!!」」」」」 ザワッ!!
ここでやっと周囲に僕の存在がバレて、後ろに並んでいた生徒達や通りすがりの一般人、近くの馬車の御者や中に乗っているご令嬢、はたまた門の反対側で同じ様に手荷物検査を受けていた招待客達などから声が上がり、それが凄い速さで伝播していき、周囲は一瞬で騒がしくなった。
「「「「「い、いつの間に!?」」」」」 「「「「「なんでそこに!?」」」」」 「「「「「は、初めて見た!!」」」」」
(うわぁ、予想以上に広がったな・・・)
警備騎士「つ、次の方、前に!」
「はい、お願いします」
周囲の騒ぎが大きくなったことで、僕を待たせると大変な事になると察した警備騎士が、急いで検査を勧めてくれて、僕はできるだけ優雅に焦って無いですよーと、見せつつ、人が詰めかけてくる前に大股で手荷物検査ブースに移動した。
警備騎士「っ・・・ふぅ・・・お待たせいたしました。お手元にお荷物等が見当たりませんので、代わりにお手数ですがお家の紋章を確認させていただいてよろしいでしょうか?」
「あ、あぁ、はい、これでいいですか?」
警備騎士「はい、少々お預かりいたします。・・・はい、確認が取れましたのでどうぞあちらにお進みください」
「はい、・・・騎士様方、先程はお気遣い頂きありがとうございます。それとお騒がせしてしまって申し訳ありません。この後もお勤め頑張ってください」
僕に気づいた人達が騒ぎ出して、状況が悪化する前に僕を、素早く人目に付きにくい手荷物検査ブースに案内してくれた警備騎士は、相当緊張していたのだろう、ブース内に入って息を少し吐いた後は、僕に過剰に反応する事なく他の人達と同じ様に対応をしてくれて、スムーズに身分確認が終了し、手荷物検査ブースを出ることができた。僕の対応をしてくれた警備騎士に感謝を伝え、案内された門と一体になっている認証の魔道具の方へと進んでいると、ちょうど隣のブースで検査を受けていたソルが出てきた。
ソル「アトリー様、予想より早めに済みましたね。後は門をくぐるだけですが、こちらでイネオス達を待ちますか?」
「うーんそうだね。皆んなが揃ってから行こう」
と、言って、イネオス達の検査が済むのを待って門を通る事にした。そして、すぐにイネオス達の検査も終わり全員が揃ったところで、魔道具の門を問題なく通過、すると、門の先にあったのは思った以上に広い横幅の主要路、この通路は歩行者専用となっているがとても幅が広く、両側には街路樹が等間隔で植えられており、右側に馬車専用道路があるが柵で仕切られていて、その手前には背の高い植え込みがあるので、向こうからもこちらからも互いの様子は伺えない作りになっており、左側には学園が寮住まいの生徒達のために運営している、学生生活に必要なお店達が立ち並んで小さな商店街になっている、文房具店や生活雑貨店、武具店や制服を取り扱うお店まで、本当に様々なお店が並んでいて、朝から賑わっていた・・・
「そう言えば、僕、ここに来たの初めてかも・・・いつも大体馬車だから・・・」ボソッ
そうボソッと呟いたら、
ソル「そう言えばそうでしたね。馬車の乗り降り場はこのもっと先ですし、徒歩での帰りは左側の歩行者門ではなく、学生がほとんど使わない右側の歩行者門を使ってましたから・・・」
と、ソルも初見の場所を物珍しそうに見回しながら言う。
(そうなんだよねぇ、いつも人を避けて動いているから、必然的にそっちばかり使ってるんだよねぇ、こっちはやっぱり学生が多いなぁ(*´Д`*))
この学園は少々変わった作りになっていて、正面入り口を徒歩で入るのと馬車で入るのとでは、校章の認識の魔道具が置いてある位置が違うので、徒歩での場合は入ってすぐ学園内、と言う認識だが、馬車の場合は正面入り口から、馬車の乗り降り場、ロータリーはセキュリティシステム上では、まだ学園外と言った認識になっている。
基本馬車で登校してきた人達は正面入り口を潜って約100メートル進んでから、ロータリーで馬車を降り真正面にある建物、学園の関係者以外の人が訪問したときに待合室的な使われ方をする、“対応棟“の横に設置されている校章を認識する魔道具の門を潜ったら、そこからが学園内という認識になっているから、その馬車専用道路の左側の約100メートルの間にある歩行者専用の主要路、そこにあるこの小さな商店街を通ることがないのだ・・・
*ついでに言うと、“対応棟“から学園内に入ってすぐは、5本の道が放射状に伸びていて、それぞれその先が学園の主要施設につながっている、教員棟や運動場、図書館、学生寮エリアなど・・・
なので僕とソルは再び“隠蔽スキル“を使って、周りから認識されないようにしているが、スキルをフル使用しているわけでは無いので、人が多くてぶつかったりした場合、バレるリスクがあるので、素早くこのエリアを通過したいと思いつつも、初めて来たこの場所を興味深く見てしまっていた。
(わぁ、学園内に町があるみたい、なんか不思議な感覚だなぁ・・・ん?(・・?)・・・何かをコリコリ擦ってる?音がする?・・・どこから?だろう?( ̄∇ ̄))
と、周囲を見回したが、音の発生源がわからなかった、そうして、周囲を気にしていると、
ソル「アトリー様、行きますよ」コソッ
「えっ?あ、イネオス達、もうあんな所まで!?待ってっ!今行くよ!」コソコソッ
ソルに声をかけられて振り返ると、いつの間にかイネオス達に置いて行かれそうになっていたので、急いで後を追いかけて行った・・・・
(しかし、なんの音だったんだろう???(・・?))
と、この時はかなり気になっていたのだが、それも、お店の開店時間で招待客が押し寄せて来たら、忙しさですっかり忘れてしまっていた。
この時のこの音、この事をもっと気にかけていたのなら・・・
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