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プロローグ
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「話は逸れましたが、兄上が地球そのものを滅ぼしてしまったんですね。そして、地球には生物その物がなくなりました。植物も、動物も、人間も――」
「…………」
僕はゴクリと固唾と息を飲む。地球が滅びただなんで想像もつかない。同時に、その兄上って人は、一体どんな人なのだろうと、少しの興味も湧いた。
「でもその滅びた拍子に、いくつもの偶然が重なって、魔力を帯びた粒子、マナが生まれた」
「へっ? マナ?」
今度は突然のファンタジー設定に…、いや、超能力の時点ですファンタジーではあったのだが、僕が求めていた答えに近い単語が出てきて、僕は目を丸くした。
「マナは魔法の源。魔法の根源です。マナがなければ魔法は使えない。そのマナが誕生したのです。マナは世界を覆い尽くし、やがてひとつの生命が生まれた。大樹の芽です」
「ファンタジーによくある世界樹とかいう殺ったみたい…」
「えぇ、そう捉えてもらって結構です。私たち家族はその芽を起点に、世界に生命をばら撒きました。今度は争いのない世界を信じて。生命は生命を産み、世界は数億年の時を経て、再び命を吹き返しました。そして、生まれたのが今の地球(テラ)――」
白さんが何もない宙に手を滑らすと、滑らせた場所にひとつの映像が浮かび上がる。それは、僕が想像していた世界――。ファンタジーだ。
見知らぬ動物から見知った動物。獣人やエルフ、悪魔のようなものもいる。普通の人間やドワーフ、ゴブリン。様々な種族が行き交う見慣れぬ西洋の街。ゲームや漫画の中でしか見た事のないファンタジーな世界がそこにはあった。
「なので、結論から言うと、貴方のいた世界は存在しますが、このように様変わりしてしまっています。ここは貴方がいた地球より遥かに未来。そして、この地はその地球を遠く見守る別の惑星(ほし)。ここまでは御理解いただけましたか?」
「…はぁ」
僕は宙に映し出された映像に釘付けで、半ば上の空のような空返事をしてしまった。白さんは、そんな僕をくすりと笑って、またその映像が映った場所を手で撫でた。手の動きに合わせてその映像は消えてしまい、僕は「あっ」と、名残惜しそうに落胆の声を上げた。
「ふふ、まだ見ていたかったでしょうが、話が進まなさそうだったので。またいつでも見せてさしあげますから、今はまだ我慢してくださいね」
そう言って、優しく微笑んでくれる白さんの笑みは、今まで見た何よりも美しく、僕は恥ずかしくなり目をキョロキョロと忙しなく動かしながら「は、はぃ…」と、返事をした。
「す、凄いですね。今のって魔法ですか?」
「ふふ、ええ、そんなとこです。私たちは創られた時になんでも出来る能力を授かっていますので、魔法なのか超能力なのかわからないところですが。また機会があれば色々見せて差し上げますね」
「はい!」
僕は先程まで、仕事で疲れていたことや、不良に襲われて死にかけたことすら忘れて、白さんの言葉に胸を踊らせた。
本当に――本当に異世界転生なんだ! いや、異世界転生ではないけど、なんて言ったら良いかわからんけど、フィクションじゃないんだ!
「あのー、失礼なんですけど、ところで白さんっておいくつなんですか? なんかさっき数億年とか言ってましたけど」
「あぁ、私ですか? 私たち家族三人を除いて億単位で生きているので、歳は忘れちゃいました! 時間の流れを調節したり出来るので、体感はそこまでではないんですけどね!」
「おぉう…」
なんかさらりと凄いこと言った白さんに、僕は少し驚きつつ半笑いした。段々この設定にも慣れてきたぞ。
僕は先程の説明で更に湧いた疑問を質問することにした。
「でも、なんで白さんたちはこっちの惑星を作って、地球に住まないんですか?」
「あぁ、それはですね、力を持ちすぎると化け物扱いされるんですよ。力を隠して生きても良いんですけど、隠しながら生きるのも難しいですし、なんか見た目も普通の人とは違うみたいで、何かと気味悪がられちゃうんで、別の世界を兄上が作ったって感じですかね」
「そんな…化け物だなんて…」
「仕方ないんですよ。誰だって、自分より強大な力を持つ者は怖いですし、自分と違うだけで異形扱いしますからね」
そう言って、どこか寂しげに笑う白さん。本当は普通の人のように扱われたいのかも知れない。
「…………」
僕はゴクリと固唾と息を飲む。地球が滅びただなんで想像もつかない。同時に、その兄上って人は、一体どんな人なのだろうと、少しの興味も湧いた。
「でもその滅びた拍子に、いくつもの偶然が重なって、魔力を帯びた粒子、マナが生まれた」
「へっ? マナ?」
今度は突然のファンタジー設定に…、いや、超能力の時点ですファンタジーではあったのだが、僕が求めていた答えに近い単語が出てきて、僕は目を丸くした。
「マナは魔法の源。魔法の根源です。マナがなければ魔法は使えない。そのマナが誕生したのです。マナは世界を覆い尽くし、やがてひとつの生命が生まれた。大樹の芽です」
「ファンタジーによくある世界樹とかいう殺ったみたい…」
「えぇ、そう捉えてもらって結構です。私たち家族はその芽を起点に、世界に生命をばら撒きました。今度は争いのない世界を信じて。生命は生命を産み、世界は数億年の時を経て、再び命を吹き返しました。そして、生まれたのが今の地球(テラ)――」
白さんが何もない宙に手を滑らすと、滑らせた場所にひとつの映像が浮かび上がる。それは、僕が想像していた世界――。ファンタジーだ。
見知らぬ動物から見知った動物。獣人やエルフ、悪魔のようなものもいる。普通の人間やドワーフ、ゴブリン。様々な種族が行き交う見慣れぬ西洋の街。ゲームや漫画の中でしか見た事のないファンタジーな世界がそこにはあった。
「なので、結論から言うと、貴方のいた世界は存在しますが、このように様変わりしてしまっています。ここは貴方がいた地球より遥かに未来。そして、この地はその地球を遠く見守る別の惑星(ほし)。ここまでは御理解いただけましたか?」
「…はぁ」
僕は宙に映し出された映像に釘付けで、半ば上の空のような空返事をしてしまった。白さんは、そんな僕をくすりと笑って、またその映像が映った場所を手で撫でた。手の動きに合わせてその映像は消えてしまい、僕は「あっ」と、名残惜しそうに落胆の声を上げた。
「ふふ、まだ見ていたかったでしょうが、話が進まなさそうだったので。またいつでも見せてさしあげますから、今はまだ我慢してくださいね」
そう言って、優しく微笑んでくれる白さんの笑みは、今まで見た何よりも美しく、僕は恥ずかしくなり目をキョロキョロと忙しなく動かしながら「は、はぃ…」と、返事をした。
「す、凄いですね。今のって魔法ですか?」
「ふふ、ええ、そんなとこです。私たちは創られた時になんでも出来る能力を授かっていますので、魔法なのか超能力なのかわからないところですが。また機会があれば色々見せて差し上げますね」
「はい!」
僕は先程まで、仕事で疲れていたことや、不良に襲われて死にかけたことすら忘れて、白さんの言葉に胸を踊らせた。
本当に――本当に異世界転生なんだ! いや、異世界転生ではないけど、なんて言ったら良いかわからんけど、フィクションじゃないんだ!
「あのー、失礼なんですけど、ところで白さんっておいくつなんですか? なんかさっき数億年とか言ってましたけど」
「あぁ、私ですか? 私たち家族三人を除いて億単位で生きているので、歳は忘れちゃいました! 時間の流れを調節したり出来るので、体感はそこまでではないんですけどね!」
「おぉう…」
なんかさらりと凄いこと言った白さんに、僕は少し驚きつつ半笑いした。段々この設定にも慣れてきたぞ。
僕は先程の説明で更に湧いた疑問を質問することにした。
「でも、なんで白さんたちはこっちの惑星を作って、地球に住まないんですか?」
「あぁ、それはですね、力を持ちすぎると化け物扱いされるんですよ。力を隠して生きても良いんですけど、隠しながら生きるのも難しいですし、なんか見た目も普通の人とは違うみたいで、何かと気味悪がられちゃうんで、別の世界を兄上が作ったって感じですかね」
「そんな…化け物だなんて…」
「仕方ないんですよ。誰だって、自分より強大な力を持つ者は怖いですし、自分と違うだけで異形扱いしますからね」
そう言って、どこか寂しげに笑う白さん。本当は普通の人のように扱われたいのかも知れない。
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