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1話目! 白の章 枯れない愛
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僕は白さんが神様だということも忘れ、無意識のうちにそう願ってしまった。白さんはそれに気づいているのかいないのか、それは彼女しか知る由もない事なのだが、白さんはマリーさんにもう一つ質問を投げかけた。
「最近、何か購入したものはありますか?」
白さんならそんなこと聞かなくてもわかることなのだろうけど、普通の人は透視など出来ないから敢えてそう質問した。
「えっと……日用品以外には何も――あぁ、でも、主人の命日の時に、枯れない花というものが売っておりまして、それがとても綺麗だったので、主人にと、買いました。そう言えば、悪夢を見始めたのもその命日からで、主人の魂が命日にこの世に戻って来たから、こんな悪夢を見ることになったのかと思っていましたが――」
「えぇ。そうです。恐らく、その品が貴女に悪夢を見せているのでしょう」
「まぁ……!」
「そうなんですか!?」
僕とマリーさんは、白さんの言葉に驚いて声を上げた。と、言うことは、今までマリーさんを苦しめていたのは、ご主人では無かったということ。その事実を知れただけでも、だいぶ安心できる。
「その品には悪魔の魂が乗り移り、悪夢を見せることによって、マリーさんの生気を奪っていると思われます。体調が優れないのも、その影響を受けているからかと」
「そんな……!? なんとかならないんですか!?」
僕は懇願の目で白さんを見たが、白さんは僕を一瞥するだけで、視線をマリーさんへと戻してしまった。
「あぁ……。私を苦しめていたのは貴方じゃ無かったのね……。グスッ……良かった……。本当に良かった……。それから、ごめんなさい……。貴方の事を疑ってしまって……」
マリーさんは再び涙を流し、お墓の前にしゃがみ込んで、愛しそうな、優しい手つきで墓石を撫でた。
「マリーさん……」
白さんはマリーさんの感情に心動かされたのか、彼女の名を呼び、悲しそうな顔をした。僕は、白さんに縋り付くように腕を掴み、白さんの前に立つと、深々とお辞儀した。
「白さん! お願いします! どうか、マリーさんに取り憑いた悪魔を払ってあげてはくれませんか!? どうか、どうか!」
こんなにも人から愛されていて、亡きご主人のことを想い続けている慈愛に満ちた人を放っておけるわけがない。僕には、彼女を助けられるような力はないけれど、白さんなら――!
白さんは僕にこんな風に頭を下げられるとは思っていなかったのか、少し困惑した様子でどう返事をすべきか躊躇っていた。
すると、マリーさんは立ち上がり、僕の肩を優しく掴んで首を横に振った。
「タクトさん、いいのよ。悪魔退治なんて、教会の人にしかできないんだから。白さんに無理を言っちゃいけないわ。それに私も、ちゃんと教会の人にお祓いを頼むから――」
マリーさんがそこまで言うと、マリーさんのセリフを白さんが遮り、残酷な真実を突きつけてきた。
「お言葉ですが、今から教会の方に頼んだとしても、時間がありません。それに、貴女に取り憑いた悪魔は強力で、それこそ三日三晩掛けないと払えるものではありませんよ」
僕とマリーさんは「そんな…」と、落胆と悲観に顔を歪ませ、その後、喋る言葉が何も無くなってしまった。
「……まぁ、私の手にかかれば、三日と言わず、すぐにでも解決できますが……」
白さんは胸を張って自慢するように言うわけでもなく、その反対に、恐縮しながら小さめの声で呟くようにそう言った。彼女の中でもこの人助けは、まだ心に決めかねていないのだろう。それでも、そう言ってくれた白さんの言葉が嬉しかった。新たに希望が持てた僕とマリーさんは、さっきの落胆した表情から一変して、期待に満ちた眼差しで白さんを見た。
「白さん、助けてくれるんですか!?」
僕は喜びのあまり、思わず白さんの手を両手で掴み、ブンブンと縦に振った。
「うぅ……。今回だけですからね」
白さんはマスクの下で困ったような表情をしていたが、満更でもないようで目が少し柔らかくなっていた。
「あぁ、なんと感謝をしたら良いものでしょう……。神様、この方たちとの出会いに感謝いたします」
マリーさんは目の前にいる白さんこそが神様だとは思いもよらないだろう。天にいるであろう神様に向かって、両手を組んで感謝していた。その感謝するマリーさんを見て、白さんは柔らかく微笑んでいた。
「最近、何か購入したものはありますか?」
白さんならそんなこと聞かなくてもわかることなのだろうけど、普通の人は透視など出来ないから敢えてそう質問した。
「えっと……日用品以外には何も――あぁ、でも、主人の命日の時に、枯れない花というものが売っておりまして、それがとても綺麗だったので、主人にと、買いました。そう言えば、悪夢を見始めたのもその命日からで、主人の魂が命日にこの世に戻って来たから、こんな悪夢を見ることになったのかと思っていましたが――」
「えぇ。そうです。恐らく、その品が貴女に悪夢を見せているのでしょう」
「まぁ……!」
「そうなんですか!?」
僕とマリーさんは、白さんの言葉に驚いて声を上げた。と、言うことは、今までマリーさんを苦しめていたのは、ご主人では無かったということ。その事実を知れただけでも、だいぶ安心できる。
「その品には悪魔の魂が乗り移り、悪夢を見せることによって、マリーさんの生気を奪っていると思われます。体調が優れないのも、その影響を受けているからかと」
「そんな……!? なんとかならないんですか!?」
僕は懇願の目で白さんを見たが、白さんは僕を一瞥するだけで、視線をマリーさんへと戻してしまった。
「あぁ……。私を苦しめていたのは貴方じゃ無かったのね……。グスッ……良かった……。本当に良かった……。それから、ごめんなさい……。貴方の事を疑ってしまって……」
マリーさんは再び涙を流し、お墓の前にしゃがみ込んで、愛しそうな、優しい手つきで墓石を撫でた。
「マリーさん……」
白さんはマリーさんの感情に心動かされたのか、彼女の名を呼び、悲しそうな顔をした。僕は、白さんに縋り付くように腕を掴み、白さんの前に立つと、深々とお辞儀した。
「白さん! お願いします! どうか、マリーさんに取り憑いた悪魔を払ってあげてはくれませんか!? どうか、どうか!」
こんなにも人から愛されていて、亡きご主人のことを想い続けている慈愛に満ちた人を放っておけるわけがない。僕には、彼女を助けられるような力はないけれど、白さんなら――!
白さんは僕にこんな風に頭を下げられるとは思っていなかったのか、少し困惑した様子でどう返事をすべきか躊躇っていた。
すると、マリーさんは立ち上がり、僕の肩を優しく掴んで首を横に振った。
「タクトさん、いいのよ。悪魔退治なんて、教会の人にしかできないんだから。白さんに無理を言っちゃいけないわ。それに私も、ちゃんと教会の人にお祓いを頼むから――」
マリーさんがそこまで言うと、マリーさんのセリフを白さんが遮り、残酷な真実を突きつけてきた。
「お言葉ですが、今から教会の方に頼んだとしても、時間がありません。それに、貴女に取り憑いた悪魔は強力で、それこそ三日三晩掛けないと払えるものではありませんよ」
僕とマリーさんは「そんな…」と、落胆と悲観に顔を歪ませ、その後、喋る言葉が何も無くなってしまった。
「……まぁ、私の手にかかれば、三日と言わず、すぐにでも解決できますが……」
白さんは胸を張って自慢するように言うわけでもなく、その反対に、恐縮しながら小さめの声で呟くようにそう言った。彼女の中でもこの人助けは、まだ心に決めかねていないのだろう。それでも、そう言ってくれた白さんの言葉が嬉しかった。新たに希望が持てた僕とマリーさんは、さっきの落胆した表情から一変して、期待に満ちた眼差しで白さんを見た。
「白さん、助けてくれるんですか!?」
僕は喜びのあまり、思わず白さんの手を両手で掴み、ブンブンと縦に振った。
「うぅ……。今回だけですからね」
白さんはマスクの下で困ったような表情をしていたが、満更でもないようで目が少し柔らかくなっていた。
「あぁ、なんと感謝をしたら良いものでしょう……。神様、この方たちとの出会いに感謝いたします」
マリーさんは目の前にいる白さんこそが神様だとは思いもよらないだろう。天にいるであろう神様に向かって、両手を組んで感謝していた。その感謝するマリーさんを見て、白さんは柔らかく微笑んでいた。
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