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1話目! 白の章 枯れない愛
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僕らは早速マリーさんの家へと向かい、僕とマリーさんは家の外で待機するよう白さんに言われた。
マリーさんの家は、一人で住むには少し大きいくらいの家で、動物も何も飼っていないマリーさんには寂しすぎるかもしれないなと思った。
「では、私が悪魔を退治してきますので、タクトさんはマリーさんに付き添ってあげていてください。何か体調が急変する場合もありますし、何より中は危険ですからね」
意気揚々と家の中へ行こうとする白さんに、マリーさんが「ハクさん」と、彼女の名を呼んで引き止めた。
「どうか、お気をつけて……。こんな老人の私のために命まで張ることはないですからね。危ないと思ったはすぐに中止してちょうだい」
白さんを心配するマリーさんに、白さんは「ふふ」と、笑ってマリーさんを励ますように、声を弾ませて返事をした。
「大丈夫ですよ! こう見えて私、強いですからっ!」
白は家の中へ入ると、まずはぐるりと部屋を目で見渡した。透視を持ってすれば、どこにその枯れない花があるのかも一目瞭然だ。白は迷いのない足で、枯れない花が飾ってある場所へと向かう。マリーの夫、ビリーの写真立てが飾ってあるすぐ隣に、可愛らしい形をした花瓶の中に、その花は刺してあった。その花は燃えるように赤く、花弁を花火のように広げ、誰もが目に引くような圧倒的な存在感を放っていた。
白はその花を花瓶から無表情で引き抜くと、花弁を包み込むように手のひらの中で握った。そして、ピキピキと音を立て、その花は手のひらを中心にして氷漬けにされていく。全てが氷が覆いかぶさった頃、白はその氷った花を手で握り潰した。握りつぶされた花はバラバラに砕け、そこには何も存在感しなかったかかのように、青白い粒子となって宙へと消えていく。一見すると、幻想的な光景にも見えるが、そこにそれは現れた。
「何だァ? テメェはヨォ……。軽々とオレの花を壊しやがってェ……」
それは全身真っ黒い皮膚に覆われ、背中からはコウモリのような大きな羽が生えていた。目は白目などなく、真っ赤に塗りつぶされており、歯は獣のように鋭い歯が見え隠れしていた。爪は黒く先端が鋭く尖り、まるで獲物を捉える為の道具のようにも見えた。
「現れましたね。この腐れ外道が」
白はいつものような優しい笑みではなく、冷たく凍りついた眼差しで、目の前の相手を睨みつけた。
「おー、怖いねェ…」
「貴方がマリーさんに取り憑いている悪魔ですね」
「ケケケッ! だったら何だ? オレをコロスか? ニンゲン如きが悪魔にを倒せるとでも?」
悪魔は白に睨みつけられても尚、飄々とした態度で、その場を茶化すようにして笑った。悪魔からすれば人間など、ただの食い物でしかなく、自分たちが人間などに負けるなどとは到底思っていないのだ。
「生憎ですが、私は人間などではありません」
「アァ? だったら何だってんだ? 見た目は完全に人ニンゲンじゃねぇかよ! 痩せ我慢はよした方が良いぜェ」
悪魔は白が去勢を張っていると思い、ケタケタと笑って白の去勢を暴こうとした。しかし、白は去勢を張っているわけでも、嘘を吐いている訳でもない。表情をピクリとも動かさず、ただただ冷淡に彼を見据えていた。
「私が人間であるかどうかなんてどうでも良いです。私からの要求は一つ。今すぐマリーさんから離れ元いた場所へと帰りなさい」
「アァ!? オマエ頭狂ってんのかァ? そんなもんオレに何のメリットもねぇじゃねぇかよォ! それにあのババアはもうじき死ぬ! 今オレを引き剥がしても、オレが取り殺しても大差無いんだぜェ!?」
「……それは、そうですね」
白さんが悪魔と交渉している時のこと。マリーさんの容態が急変した。マリーさんは息苦しそうに、ひどく呼吸を乱し、ハァハァと苦しみ出したのだ。僕は慌ててマリーさんの体を支え、出来るだけマリーさんを楽な体勢にさせたくて、マリーさんを地面に座らせた。
「大丈夫ですか!?」
「えぇ……。ハァハァ……ゴホッ……ゴホッッ……大丈夫、大丈夫よ……」
自分の体を抱きしめるように蹲るマリーさんに、僕は嫌な予感がした。
マリーさんから白さんのいる家へと視線を戻し、僕は祈った。
白さん、どうか、どうか早く――早くマリーさんを助けてあげて。
マリーさんの家は、一人で住むには少し大きいくらいの家で、動物も何も飼っていないマリーさんには寂しすぎるかもしれないなと思った。
「では、私が悪魔を退治してきますので、タクトさんはマリーさんに付き添ってあげていてください。何か体調が急変する場合もありますし、何より中は危険ですからね」
意気揚々と家の中へ行こうとする白さんに、マリーさんが「ハクさん」と、彼女の名を呼んで引き止めた。
「どうか、お気をつけて……。こんな老人の私のために命まで張ることはないですからね。危ないと思ったはすぐに中止してちょうだい」
白さんを心配するマリーさんに、白さんは「ふふ」と、笑ってマリーさんを励ますように、声を弾ませて返事をした。
「大丈夫ですよ! こう見えて私、強いですからっ!」
白は家の中へ入ると、まずはぐるりと部屋を目で見渡した。透視を持ってすれば、どこにその枯れない花があるのかも一目瞭然だ。白は迷いのない足で、枯れない花が飾ってある場所へと向かう。マリーの夫、ビリーの写真立てが飾ってあるすぐ隣に、可愛らしい形をした花瓶の中に、その花は刺してあった。その花は燃えるように赤く、花弁を花火のように広げ、誰もが目に引くような圧倒的な存在感を放っていた。
白はその花を花瓶から無表情で引き抜くと、花弁を包み込むように手のひらの中で握った。そして、ピキピキと音を立て、その花は手のひらを中心にして氷漬けにされていく。全てが氷が覆いかぶさった頃、白はその氷った花を手で握り潰した。握りつぶされた花はバラバラに砕け、そこには何も存在感しなかったかかのように、青白い粒子となって宙へと消えていく。一見すると、幻想的な光景にも見えるが、そこにそれは現れた。
「何だァ? テメェはヨォ……。軽々とオレの花を壊しやがってェ……」
それは全身真っ黒い皮膚に覆われ、背中からはコウモリのような大きな羽が生えていた。目は白目などなく、真っ赤に塗りつぶされており、歯は獣のように鋭い歯が見え隠れしていた。爪は黒く先端が鋭く尖り、まるで獲物を捉える為の道具のようにも見えた。
「現れましたね。この腐れ外道が」
白はいつものような優しい笑みではなく、冷たく凍りついた眼差しで、目の前の相手を睨みつけた。
「おー、怖いねェ…」
「貴方がマリーさんに取り憑いている悪魔ですね」
「ケケケッ! だったら何だ? オレをコロスか? ニンゲン如きが悪魔にを倒せるとでも?」
悪魔は白に睨みつけられても尚、飄々とした態度で、その場を茶化すようにして笑った。悪魔からすれば人間など、ただの食い物でしかなく、自分たちが人間などに負けるなどとは到底思っていないのだ。
「生憎ですが、私は人間などではありません」
「アァ? だったら何だってんだ? 見た目は完全に人ニンゲンじゃねぇかよ! 痩せ我慢はよした方が良いぜェ」
悪魔は白が去勢を張っていると思い、ケタケタと笑って白の去勢を暴こうとした。しかし、白は去勢を張っているわけでも、嘘を吐いている訳でもない。表情をピクリとも動かさず、ただただ冷淡に彼を見据えていた。
「私が人間であるかどうかなんてどうでも良いです。私からの要求は一つ。今すぐマリーさんから離れ元いた場所へと帰りなさい」
「アァ!? オマエ頭狂ってんのかァ? そんなもんオレに何のメリットもねぇじゃねぇかよォ! それにあのババアはもうじき死ぬ! 今オレを引き剥がしても、オレが取り殺しても大差無いんだぜェ!?」
「……それは、そうですね」
白さんが悪魔と交渉している時のこと。マリーさんの容態が急変した。マリーさんは息苦しそうに、ひどく呼吸を乱し、ハァハァと苦しみ出したのだ。僕は慌ててマリーさんの体を支え、出来るだけマリーさんを楽な体勢にさせたくて、マリーさんを地面に座らせた。
「大丈夫ですか!?」
「えぇ……。ハァハァ……ゴホッ……ゴホッッ……大丈夫、大丈夫よ……」
自分の体を抱きしめるように蹲るマリーさんに、僕は嫌な予感がした。
マリーさんから白さんのいる家へと視線を戻し、僕は祈った。
白さん、どうか、どうか早く――早くマリーさんを助けてあげて。
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