神様のお導き

ヤマト

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1話目! 白の章 枯れない愛

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 マリーさんとビリーさんを見送った後、残されたマリーさんの体へと視線を移した。すると、さっきまであんなに苦しそうだったマリーさんの表情は、いつの間にか、幸せに包まれた優敷く穏やかなものになっていた。
「…………」
 言葉に出来ない思いに僕は葛藤しながらも、溢れる涙を強引に拭った。
「……死とは、生きとし生けるものに平等に訪れるもの。それを神だからと言って、好き勝手に操作することは許されません」
「……うん」
 白さんの言ってることは凄くわかる。どんな世界の話でも、いつも死者を蘇らせたりする行為は禁忌とされている。
「でも、たとえ、人に不平等と言われても、目の見えない彼女に光を宿し、最愛の人に会わせてあげるくらいのことはしたかった……。私は、間違ったことをしてしまったのでしょうか……」
 多分、白さんは、誰かに手を差し伸べれば、他の人にも手を差し伸べなければ不平等だと考えているのだろう。でも、それって――
「僕は、間違ったことはしていないと思う。僕だって、目の前にいる困った人を助けることはできても、遠くにいる誰かを助けたりは出来ない。でもさ、甘いって言われるかもしれないけど、その遠くにいる誰かはそこにいる遠くにいる誰かが助けてくれるって思うんだ。それこそ、やらない善よりやる偽善で、誰もが手を差し伸べなくなったら、本当に誰も助けてもらえなくなっちゃう。だから、できる範囲だったり、自分が気が向いたときだけでも良いからさ、全部が全部助けなくても良いから、その善が誰かに伝わるように、少しだけでも助けてあげたら良いと思うんだ。そこに神様だから、人間だから、他の種族だからって、何も関係ない! 助けたいから助ける! それで良いと思うんだ! 神様っていう肩書き以前に、白さんは白さんっていう一人の人なんだから!」
「――!」
 僕は頭が悪いから、ちゃんと白さんに伝わってるかんからないけど、これだけは言える。今日白さんがマリーさんにしてあげたことは、絶対に間違ってないと。だって、マリーさんはこんなにも幸せそうな顔をしているんだもの。
「……そう、ですね。うん……」 
白さんは僕の言葉に何かずっと考え込んでいたが、結論は出なかったのか、考えることを切り上げて、眠るマリーさんの事へと話題を変えた。
「とりあえず、マリーさんのことを近所の人に知らせましょう。きっと彼女は慕われていたから、大勢の方が葬儀にも来られると思いますし」
「うん、わかった」
 僕と白さんは、急いで近所の人にマリーさんが亡くなったことを伝えた。この小さな町では、すぐにそのことは広まり、みんな悲しみにくれた顔をしていた。やはりマリーさんは皆に慕われていたらしく、皆、揃って涙を流した。



 あれから数日経ち、無理言って、僕と白さんも葬儀に参加させてもらった。大勢の方と、たくさんのマリーゴールドに囲まれながら、マリーさんの身体はこの世から消えてなくなった。



 それから、白さんはと言うと、少しテラへ干渉的になり、人助けも前より少し躊躇わずにやるようになった。……気がする。
 白さんの部屋にはマリーゴールドのドライフラワーが、机の上に飾られていた。




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