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5話目!桜の章 恋情フォルティッシモ!
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僕らは桜の案内を経て、本当に知る人ぞ知ると言った、少し寂れた喫茶店に辿り着いた。キィ······と、ドアを開けると、ドアについたベルがカランカランと音を立て、なんだか昔ながらの良き喫茶店に感じられた。それでも中は意外と賑わっており、カウンター席にも普通のテーブル席にもチラホラ人は見かけられた。
「マスター、VIP席でお願い」
桜はマスターと呼ばれた男性と親しそうに話していて、気が知れた仲だということがわかった。わりと頻繁に足を運んでいるのだろうか。
マスターはコーヒー豆を挽きながら、桜へと視線を向けた。
「おぉ、なんだ桜か。今日は見かけない友人連れてるね」
「そうなの! こいつはうちで雇ってる下僕で、この子はさっき知り合った友達!」
「友達!?」
桜はついさっき会ったばかりの名前も知らない彼女のことを友達と呼び、友達と呼ばれた彼女もびっくりして照れ臭そうに困惑していた。実際、数分前に会った人を友人と呼ぶのはかなりハードルが高い。それを簡単にやってのける桜は、やはりコミュ力が高い。僕のことは下僕って言ったけど······。
「桜はいつも色んな友人を連れてるな」
「オホホホホホ、人気者ですから! それはそうと、もしここに誰か来ても、あたし達がいることは内緒にしててね、マスター♡」
「あいよ、顧客の情報漏洩は誰であろうとしない主義だから安心しな」
「さすがマスター♡ 愛してる♡」
「よせやい。さ、VIP席は奥だ。開いてるからさっさと行きな」
「恩に着るわ」
僕と女の人は、マスターに一礼し、桜の後をついて行った。地下っぽい階段を抜けると、赤い絨毯が敷かれた少し豪華な廊下に出た。いくつか扉があったが、どこも中は見えず、ガードマンっぽい人が廊下に数人立っていた。
「こちらへどうぞ」
キョロキョロとしていると、そのガードマンっぽい人に部屋を案内され、僕たちは豪華な装飾のついた扉の奥へと潜る。部屋の中は少し薄暗く、黒い家具で統一された、小洒落たラウンジになっていた。僕らはどこに座ったら良いかわからず狼狽えていたが、桜が僕には桜の隣に、女の人は僕らの向かいに座るよう支持した。
「何か御用があればいつでもお申し付け下さい」
「ありがとう」
桜がガードマンっぽい人に礼を言うと、ガードマンっぽい人は一礼して部屋を後にした。
「さて、それじゃ何があったか話して貰いましょうか?」
桜はテーブルに肘をついて手を組み、鋭い目付きで彼女を見た。彼女は桜の目付きに怖気付いていたが、恐る恐る口を開いた。
「あの、まずは見ず知らずの私を、事情も知らないのに助けてくださったことに感謝を――」
彼女は礼儀正しく、僕らが助けたことに対する礼を述べた。深々と頭を下げて、本当に感謝しているようだった。
「まず最初に軽く自己紹介をさせて下さい。私の名前はカマル。今はこんな身なりですが、こう見えてこの街で踊り子をやっています。それなりに結構有名なんですよ」
そう言って、カマルさんは被っていた古びたローブを脱いだ。カマルさんは今は地味な旅人衣装に身を包み、踊り子とは程遠い姿だった。しかし、ローブを脱いだカマルさんの容姿はとても美しく、品行方正といった印象のある女性だった。美しく手入れされた長い黒髪がまた色気を誘う。大人の女性だ。
カマルさんに自己紹介され、僕らもすかさず簡単に自己紹介した。
「あたしは桜。こっちは下僕の――」
「拓斗です。下僕じゃないけど······」
「似たようなもんでしょ」
「そう言われたらそうなんだけど······」
真面目に自己紹介しようと思ったのに、桜に茶化されてしまい、グダグダになってしまった。しかし、それがかえって良かったのか、カマルさんは少し緊張が解れたようで、クスリと笑っていた。
「サクラさんとタクトさんは仲が良いんですね」
「んー、まぁボチボチ?」
「え、僕に聞かれても······」
少し緊張の糸が解れたところで、カマルさんは改めて僕たちに向き合い、事の経緯を説明してくれた。カマルさんは咳払いをして仕切り直すと、意を決したように口を開いた。
「実は私――この国の王子とお付き合いしてるんです」
「マスター、VIP席でお願い」
桜はマスターと呼ばれた男性と親しそうに話していて、気が知れた仲だということがわかった。わりと頻繁に足を運んでいるのだろうか。
マスターはコーヒー豆を挽きながら、桜へと視線を向けた。
「おぉ、なんだ桜か。今日は見かけない友人連れてるね」
「そうなの! こいつはうちで雇ってる下僕で、この子はさっき知り合った友達!」
「友達!?」
桜はついさっき会ったばかりの名前も知らない彼女のことを友達と呼び、友達と呼ばれた彼女もびっくりして照れ臭そうに困惑していた。実際、数分前に会った人を友人と呼ぶのはかなりハードルが高い。それを簡単にやってのける桜は、やはりコミュ力が高い。僕のことは下僕って言ったけど······。
「桜はいつも色んな友人を連れてるな」
「オホホホホホ、人気者ですから! それはそうと、もしここに誰か来ても、あたし達がいることは内緒にしててね、マスター♡」
「あいよ、顧客の情報漏洩は誰であろうとしない主義だから安心しな」
「さすがマスター♡ 愛してる♡」
「よせやい。さ、VIP席は奥だ。開いてるからさっさと行きな」
「恩に着るわ」
僕と女の人は、マスターに一礼し、桜の後をついて行った。地下っぽい階段を抜けると、赤い絨毯が敷かれた少し豪華な廊下に出た。いくつか扉があったが、どこも中は見えず、ガードマンっぽい人が廊下に数人立っていた。
「こちらへどうぞ」
キョロキョロとしていると、そのガードマンっぽい人に部屋を案内され、僕たちは豪華な装飾のついた扉の奥へと潜る。部屋の中は少し薄暗く、黒い家具で統一された、小洒落たラウンジになっていた。僕らはどこに座ったら良いかわからず狼狽えていたが、桜が僕には桜の隣に、女の人は僕らの向かいに座るよう支持した。
「何か御用があればいつでもお申し付け下さい」
「ありがとう」
桜がガードマンっぽい人に礼を言うと、ガードマンっぽい人は一礼して部屋を後にした。
「さて、それじゃ何があったか話して貰いましょうか?」
桜はテーブルに肘をついて手を組み、鋭い目付きで彼女を見た。彼女は桜の目付きに怖気付いていたが、恐る恐る口を開いた。
「あの、まずは見ず知らずの私を、事情も知らないのに助けてくださったことに感謝を――」
彼女は礼儀正しく、僕らが助けたことに対する礼を述べた。深々と頭を下げて、本当に感謝しているようだった。
「まず最初に軽く自己紹介をさせて下さい。私の名前はカマル。今はこんな身なりですが、こう見えてこの街で踊り子をやっています。それなりに結構有名なんですよ」
そう言って、カマルさんは被っていた古びたローブを脱いだ。カマルさんは今は地味な旅人衣装に身を包み、踊り子とは程遠い姿だった。しかし、ローブを脱いだカマルさんの容姿はとても美しく、品行方正といった印象のある女性だった。美しく手入れされた長い黒髪がまた色気を誘う。大人の女性だ。
カマルさんに自己紹介され、僕らもすかさず簡単に自己紹介した。
「あたしは桜。こっちは下僕の――」
「拓斗です。下僕じゃないけど······」
「似たようなもんでしょ」
「そう言われたらそうなんだけど······」
真面目に自己紹介しようと思ったのに、桜に茶化されてしまい、グダグダになってしまった。しかし、それがかえって良かったのか、カマルさんは少し緊張が解れたようで、クスリと笑っていた。
「サクラさんとタクトさんは仲が良いんですね」
「んー、まぁボチボチ?」
「え、僕に聞かれても······」
少し緊張の糸が解れたところで、カマルさんは改めて僕たちに向き合い、事の経緯を説明してくれた。カマルさんは咳払いをして仕切り直すと、意を決したように口を開いた。
「実は私――この国の王子とお付き合いしてるんです」
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