神様のお導き

ヤマト

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5話目!桜の章 恋情フォルティッシモ!

5-5

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 その後は、作戦の時間までカマルさんの身の上話を聞いたり、仮眠を取ったりしていた。でも僕は針山家に皿洗いしに、一時的に家へと帰らされた。それから、この場所へ戻る時は、白さんと銀さんに頼んで、ついでにその二人を連れてこいと桜に言われた。ので、連れてきた。

「全くもう! 急に呼び出すとは何事ですか!」
「そーだそーだ」
 白さんは赤の紋様が入った白い狐面を被っていて、銀さんは青の紋様が入った黒い狐面を被っていた。突然、桜に呼び出されたことに不満があるのか、そうやって二人はブー垂れていた。しかし、桜はそんなこと気にしちゃいない様子で、「まーまー」と、二人の気を宥めていた。
「桜さん、こちらの方は?」
 カマルは見慣れぬ衣装に身を纏った二人を見て、不思議そう中首を傾げた。
「この二人はあたしの家族。ちょっとあとで色々協力してもらおうと思って?」
「協力?」
 これから決行される作戦ではなく、あとで?
 僕も桜の意図がよくわからずに、腕を組んで首を傾げた。
「まっ、あとで教えるわよ」
 そういう桜だが、それがわからないのは連れてこられた二人も同じようで、白さんが「異議ありー!」と、手を挙げていた。
「私たちもなんで連れてこられたかわからないのは困るんだけど!」
「左に同じー」
 不満ありありと文句を言う二人に、桜は態とらしく溜め息を吐いた。
「そんなこと言っちゃって良いのかな~?」
 意味深にそう言って、チラリと二人を見る桜に、白さんも銀さんも恐らく狐面の下で眉間に皺を寄せて押し黙った。
「ここのデザート、めっちゃ美味いのになぁ~」
「なんですって!?」
「マジか」
「あたし達が帰ってくるまでたらふく食べれるように、マスターに秘密の裏メニューまで注文しといたのにな~」
「秘密の……!」
「裏メニュー……!」
 桜が仰々しい動き付きで、態とらしくそう言っていると、VIPルームのドアががチャリと開き、品のある店員さんが、これでもかというくらいにスイーツをてんこ盛りにした超特大パフェが颯爽と現れた。それは一人前にしても、テーブルに置くと白さんの座高と同じくらいの高さがあり、横幅も大食いテレビでしか見ないようなくらいの幅があった。見ているだけでこっちが胸焼けしそうだ。
 それが二人の席の前に置かれ、二人ともゴクリと喉を鳴らした。
「さ、召し上がれ♡」
 桜に促されると、白さんも銀さんももうさっきのことはどうでもよくなったようで、「し、仕方ないわね!」と、すぐにテーブルに置かれたスプーンを手に取った。
「今回だけよ、桜」
「ん」
 二人はそう言いながら、狐面の口元に手を添えた。そして、その手を離すと口元だけ狐面が消えて、目元だけを隠す狐面へと変化したのだ。二人は目の前に置かれた超特大パフェを目を輝かせながら食べ始めた。
「こ、これはなかなか罪なお味ですね……!」
「ギルティ……」
 一口食べただけで、白さんも銀さんもそれが気に入ったようで、そこからは何も言わず、無言で黙々とパフェを食べ始めた。それを見て桜が小声で「チョロいぜ」と、言っていたのは僕は聞き逃さなかった。
「白姉、銀兄、あたしたち、今からちょっと出掛けるけど、食べ終わったら他も何でも注文して良いから! お金はあとであたしが払うからね~」
「うんうん!」
「ん!」
 二人は口を止めることはせず、ブンブンと首を縦に振っていた。余程ここのパフェが気に入ったようだ。確かにここのパフェはめちゃくちゃ美味しかったけど、その特大パフェは一体どんな味がするのだろう。っていうか、それ全部食べれる上、まだ食べるの?
 僕の素朴な疑問は空の彼方へと葬り去られ、桜に促され、カマルさんと一緒に外へ出た。
「さ! 作戦開始よ! まずは城の近くへ行きましょ!」



 深夜、僕とカマルさんは桜を筆頭に城の近くまで足を踏み入れた。深夜ということもあり、兵士の数はかなり少ない。しかも、眠気でウトウトしている兵士や気の抜けた兵士が多く、侵入するには絶好のチャンスと言えよう。
 僕らは城の少し離れたところから木陰に隠れ、その様子を伺っていた。
「良い感じに気が緩んでるわね~。今からこの城全体を魔法で眠らせるわ。みんな、準備は良いわね」
 桜が僕らに作戦の確認をし、僕らはいつでも準備は出来ていると、深く頷いて見せた。それを見て桜は僕らに頷き返し、すくりとその場から立ち上がった。
「さて、あたしの見せ場、いくわよ~!」
 桜はその場で少し足を開いて仁王立ちした。天高く手を掲げる。すると、その手から美しいキラキラとした光のような粉が城全体を包み込み、それは雪の粉のように地面に落ちて消えていった。
「さ、これでOKよ」
 桜がウィンクをして城の方を指差した。すると、先程までうつらうつらとしていた兵士たちは、皆地面に横たわり、幸せそうにいびきをかいたり、寝言を言ったりして眠っていた。
「すごい」
 カマルさんは桜の人離れした力を目の当たりにして、口元に手を当てて驚いていた。
「これくらい朝飯前よ」
「やはりサクラさんは偉大なる大魔法い様ですね!」
「ふっふっふ! さぁ、こんなところで油打ってないでさっさと王子の許へ行くわよ! 寝てるヤツらはちょっとやそっとじゃ起きないから、堂々と行きましょう! へいよー! レッツゴー!」
 ふふんと鼻を鳴らす桜に、僕らは「おー!」と、掛け声を掛けて、桜の後をついて行った。
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