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5話目!桜の章 恋情フォルティッシモ!
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城へ着くと、たくさんの兵士たちが現れて、王子を見るなり口々に王子の行方を心配していた。
「王子! 一体何処へ!」
「それに、そちらの方々たちは!?」
「王子、昨晩の睡眠の仕業は王子のせいですか!?」
昨晩の出来事と王子の失踪に対する疑問が山ほどあったのか、皆そのことばかりを聞いてきた。王子は鬱陶しそうにしていたが、桜が次々現れる兵士に霹靂として、パンパンと両手を叩いた。
すると、兵士たちは次々にヘナヘナと力が抜けたように座り込んだり、倒れたりしていき、身動きが取れなくなっていった。
「な、なんだこれは……!」
「はいはい、邪魔しないでね。あたしたちは今忙しいんだから」
桜が言うには、昨晩彼らを眠らせたのとは違い、今回は彼らの体を一時的に麻痺させたらしい。だから意識もあるし、言葉も喋れる。ただ、体が言うことを聞かず、動かなくなるとのこと。大々的に魔法を使う桜に対し、白さんは「またそんな人前で大きな魔法使って!」と、プンプン怒っていた。
「す、すごいな……。一気にこんな数の兵士を同時に再起不能にさせるなんて……」
王子は桜の魔法を見るのが初めてで、目を丸くして驚いていた。それをカマルさんが何故か自慢げに答えていた。
「そうでしょう! サクラは本当に凄いんですよ!」
キラキラと目を輝かせるカマルさんに、桜はふふんと得意げに笑っていた。
そして、とうとう僕らは謁見の間に辿り着いた。門番をしていた兵士たちも全員体を麻痺させて、堂々と正面突破する。
突然、何の前触れもなく勝手に扉が開かれて、国王と王妃は敵襲かと身構えていた。玉座から立ち上がり、門から現れる者を警戒していた。しかし、門から現れた王子の姿を見るなり、国王は目をカッと見開いてカンカンに怒り出した。
「サイラス! 貴様、城から突然消えるとは何事だ!? それにその者達はなんだ!」
「父上、私たちはカマルとの交際を認めてもらうためにここに来ました!」
「またその話か! さては貴様らだな、昨晩、城の者を全員眠らせ、サイラスを誑かし、外へ誘拐したのは! 皆の者、この国賊を――」
国王の怒りが頂点に達しようとしたとき、また、桜がパンパンと手を叩いた。
「はいはい、話は後で聞くからね」
国王と王妃もヘナヘナと力が抜けたように玉座へと座り込んでいく。また桜が体を麻痺させたようだ。周りにいた護衛の兵士たちも同様に床に突っ伏してしまった。
「き、貴様、何をした……!」
「シャラーップ! まずはこっちの話を聞けってのー。お口はチャック~」
桜が自分の口をチャックするように、手を口に合わせて横にスライドすると、国王の口が不自然に左から右へと閉じていった。もがもがと口を開けようと抵抗するが、唇がまるで接着剤でとめられたかのように、上下ピッタリとくっついているらしく、その些細な抵抗も無駄に終わった。
「良い事? これから国王様と王妃様には彼女のダンスを見てもらうわ。身分違いの恋だからって、彼女のこと何も知らずに跳ね除けるのはナンセンスだと思うのよね。踊り子には踊り子の素晴らしさがある。彼女の内面を見るのには彼女のダンスを見れば分かるはずよ」
「その通りです! 父上、母上! まずは私が愛した人のことを見てもらいたい。話はそれからでも良いではないですか。私が見惚れた彼女の踊り、熱意、愛。それをしかと見て感じ取ってもらいたい」
「私からもお願い致します。私は確かによそ者ではありますが、歌や踊りを愛し、物心ついた時からずっと踊りの練習をして来ました。歌や踊りにかける愛は誰にも負けません。だから歌や踊りを愛するこの国を愛し、そして、彼――サイラス様のことをお慕い申しているのです。どうか、よろしくお願い致します」
深々と頭を下げる王子とカマルさん。それに対して国王は何か言いたげにもがもがと足掻いている様子だったが、代わりに王妃が口を開いた。
「わかりました。あなたたちの熱意、しかと受け取りました。是非、貴女の踊りを私たちに見せてください」
「母上!」
「王妃様!」
どうやら王妃は話が分かる人らしく、すんなりと彼らの要望に応えてくれた。王子とカマルさんは嬉しそうにバッと顔を上げ、再び「ありがとうございます」と頭を下げた。
相変わらず国王は何か言いたげだったが、王妃が国王を睨みつけて一喝していた。
「いいですね?」
有無を言わさぬその威圧に、国王は目だけ泳がせて黙り込んでしまった。
「さて、そうと決まれば、早速準備よ!」
桜の掛け声に、僕らはすぐに踊りの準備に取り掛かった。
「カマル」
僕らが準備に取り掛かるの中、桜はカマルさんだけを呼び止めた。
「はい、何でしょう?」
カマルさんは不思議そうに首を傾げ、桜の許へ向かう。
「あたしが貴女の魔法使いになってあげる」
桜の言っているその意味がわからずに、カマルさんは傾げていた首を更に傾げる。桜はそんなカマルさんのことを気にせず、カマルさんに向かって手を翳した。
「へーんしん」
パチンと指が鳴る。すると、どうだろう。カマルさんの服装と髪型、更に化粧までもが頭から足の指先にかけて、みるみるうちに変化していったのだ。真っ青な美しい布地に銀色の装飾。踊り子らしい衣装に身を包んだカマルさんは、本当に美しかった。
「これは……」
「あたしからのダンスする間だけの一時的なプレゼントよ」
桜はカマルさんにバチンとウィンクすると、カマルさんは照れくさそうに、でも嬉しそうに笑っていた。
「ありがとうございます!」
「あとこれ、多分いるでしょ?」
桜はカマルさんに青く薄い大きな布を渡していた。少し透けていて、ちょっぴり幻想的だ。
「ありがとうございます、これがあるのとないのとでは大違いですから! 助かります」
僕は何に使うんだろうと思ったけど、今は準備に集中することにした。
「王子! 一体何処へ!」
「それに、そちらの方々たちは!?」
「王子、昨晩の睡眠の仕業は王子のせいですか!?」
昨晩の出来事と王子の失踪に対する疑問が山ほどあったのか、皆そのことばかりを聞いてきた。王子は鬱陶しそうにしていたが、桜が次々現れる兵士に霹靂として、パンパンと両手を叩いた。
すると、兵士たちは次々にヘナヘナと力が抜けたように座り込んだり、倒れたりしていき、身動きが取れなくなっていった。
「な、なんだこれは……!」
「はいはい、邪魔しないでね。あたしたちは今忙しいんだから」
桜が言うには、昨晩彼らを眠らせたのとは違い、今回は彼らの体を一時的に麻痺させたらしい。だから意識もあるし、言葉も喋れる。ただ、体が言うことを聞かず、動かなくなるとのこと。大々的に魔法を使う桜に対し、白さんは「またそんな人前で大きな魔法使って!」と、プンプン怒っていた。
「す、すごいな……。一気にこんな数の兵士を同時に再起不能にさせるなんて……」
王子は桜の魔法を見るのが初めてで、目を丸くして驚いていた。それをカマルさんが何故か自慢げに答えていた。
「そうでしょう! サクラは本当に凄いんですよ!」
キラキラと目を輝かせるカマルさんに、桜はふふんと得意げに笑っていた。
そして、とうとう僕らは謁見の間に辿り着いた。門番をしていた兵士たちも全員体を麻痺させて、堂々と正面突破する。
突然、何の前触れもなく勝手に扉が開かれて、国王と王妃は敵襲かと身構えていた。玉座から立ち上がり、門から現れる者を警戒していた。しかし、門から現れた王子の姿を見るなり、国王は目をカッと見開いてカンカンに怒り出した。
「サイラス! 貴様、城から突然消えるとは何事だ!? それにその者達はなんだ!」
「父上、私たちはカマルとの交際を認めてもらうためにここに来ました!」
「またその話か! さては貴様らだな、昨晩、城の者を全員眠らせ、サイラスを誑かし、外へ誘拐したのは! 皆の者、この国賊を――」
国王の怒りが頂点に達しようとしたとき、また、桜がパンパンと手を叩いた。
「はいはい、話は後で聞くからね」
国王と王妃もヘナヘナと力が抜けたように玉座へと座り込んでいく。また桜が体を麻痺させたようだ。周りにいた護衛の兵士たちも同様に床に突っ伏してしまった。
「き、貴様、何をした……!」
「シャラーップ! まずはこっちの話を聞けってのー。お口はチャック~」
桜が自分の口をチャックするように、手を口に合わせて横にスライドすると、国王の口が不自然に左から右へと閉じていった。もがもがと口を開けようと抵抗するが、唇がまるで接着剤でとめられたかのように、上下ピッタリとくっついているらしく、その些細な抵抗も無駄に終わった。
「良い事? これから国王様と王妃様には彼女のダンスを見てもらうわ。身分違いの恋だからって、彼女のこと何も知らずに跳ね除けるのはナンセンスだと思うのよね。踊り子には踊り子の素晴らしさがある。彼女の内面を見るのには彼女のダンスを見れば分かるはずよ」
「その通りです! 父上、母上! まずは私が愛した人のことを見てもらいたい。話はそれからでも良いではないですか。私が見惚れた彼女の踊り、熱意、愛。それをしかと見て感じ取ってもらいたい」
「私からもお願い致します。私は確かによそ者ではありますが、歌や踊りを愛し、物心ついた時からずっと踊りの練習をして来ました。歌や踊りにかける愛は誰にも負けません。だから歌や踊りを愛するこの国を愛し、そして、彼――サイラス様のことをお慕い申しているのです。どうか、よろしくお願い致します」
深々と頭を下げる王子とカマルさん。それに対して国王は何か言いたげにもがもがと足掻いている様子だったが、代わりに王妃が口を開いた。
「わかりました。あなたたちの熱意、しかと受け取りました。是非、貴女の踊りを私たちに見せてください」
「母上!」
「王妃様!」
どうやら王妃は話が分かる人らしく、すんなりと彼らの要望に応えてくれた。王子とカマルさんは嬉しそうにバッと顔を上げ、再び「ありがとうございます」と頭を下げた。
相変わらず国王は何か言いたげだったが、王妃が国王を睨みつけて一喝していた。
「いいですね?」
有無を言わさぬその威圧に、国王は目だけ泳がせて黙り込んでしまった。
「さて、そうと決まれば、早速準備よ!」
桜の掛け声に、僕らはすぐに踊りの準備に取り掛かった。
「カマル」
僕らが準備に取り掛かるの中、桜はカマルさんだけを呼び止めた。
「はい、何でしょう?」
カマルさんは不思議そうに首を傾げ、桜の許へ向かう。
「あたしが貴女の魔法使いになってあげる」
桜の言っているその意味がわからずに、カマルさんは傾げていた首を更に傾げる。桜はそんなカマルさんのことを気にせず、カマルさんに向かって手を翳した。
「へーんしん」
パチンと指が鳴る。すると、どうだろう。カマルさんの服装と髪型、更に化粧までもが頭から足の指先にかけて、みるみるうちに変化していったのだ。真っ青な美しい布地に銀色の装飾。踊り子らしい衣装に身を包んだカマルさんは、本当に美しかった。
「これは……」
「あたしからのダンスする間だけの一時的なプレゼントよ」
桜はカマルさんにバチンとウィンクすると、カマルさんは照れくさそうに、でも嬉しそうに笑っていた。
「ありがとうございます!」
「あとこれ、多分いるでしょ?」
桜はカマルさんに青く薄い大きな布を渡していた。少し透けていて、ちょっぴり幻想的だ。
「ありがとうございます、これがあるのとないのとでは大違いですから! 助かります」
僕は何に使うんだろうと思ったけど、今は準備に集中することにした。
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