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6.5話目! 十三神巡り
6.5-1
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僕は朝から伊織さんに呼び出され、伊織さんの部屋に来ていた。伊織さんの部屋は散らかっていて、食べかけのお菓子や読みかけの漫画など、至る所に散らかっている。
同じく伊織さんに呼び出されたのか、アキラくんもその場にいた。
僕らは長方形のテーブルを挟んで紺色の座布団に座り、伊織さんと対談した。
「うむ、よく来てくれた、二人とも」
伊織さんは凄くリラックスした状態で、両手を体より少し後ろについて、足を胡座を更に崩した状態でだらりと床に置き、ニコニコと僕らを歓迎してくれた。
「あの、何か御用ですか?」
アキラくんは伊織さんの身の回りのお世話をしているから兎も角、僕が伊織さんに呼び出されることは初めてだ。何かしてしまったのだろうかと、上司に呼び出されたような気持ちで僕はビクビクしていた。
「うむ、二人に来てもらったのは勿論、頼み事があっての事じゃ」
僕とアキラくんはその言葉に顔を見合わせた。僕は怒られるわけじゃないんだと、内心ホッと胸を撫で下ろした。
「頼み事とはなんですか? また、良からぬ事じゃないでしょうね」
アキラくんが悪態をつきながらすかさずそう聞くと、伊織さんは不満そうに口をへの字に曲げた。
「アキラ、お主、儂をなんじゃと思っておるんじゃ」
「わがままのぐうたらジジイ」
「あっそ……」
アキラくんと伊織さんはいつもこんな感じなのだろうか。主従関係はあるみたいだけど、いつも軽口を聞いて、冗談も言い合える仲に見える。僕はあんまり伊織さんと話したことがないから、雰囲気だけで彼を怖い人だと思っていたけど、そんなことないのかも? でもこの人、なんか威厳があるんだよな。こんなにもだらけているのに……。不思議だ。だから、つい緊張してしまう。
「まぁ楽にせい」
僕が緊張していることに気付いたのか、伊織さんは僕にそう笑いかけてくれた。
「はい!」
僕は話しかけられて、反射的に姿勢を正した。それを見て、伊織さんが呆れたように笑う。
「お主、気を楽にするって意味わかっとる?」
「先生は見た目はこんなんですけど、中身はただのおじいちゃんなので、そんな緊張しなくて良いですよ」
「アキラ、お主さっきから一々トゲがあるのぅ」
僕はアキラくんにも宥められて、コクコクとぎこちない動きで、ロボットのように何度も深く頷いた。
「ダメですね、これは」
「まぁ、そのうち慣れるじゃろうて。で、本題なんじゃが」
伊織さんはゴホンと咳払いをして、話を切り替えた。
「お主らにちょっとおつかいを頼みたくてのぅ」
「おつかい?」
僕とアキラくんは同時にそう聞き返した。
「拓斗は知っておるかわからんが、テラの地上には十二神と呼ばれる大精霊がおる。それぞれの属性の長じゃな。そやつらは人々に信仰され、神格となった。言わばテラの世界の神。その十二神にもう一人加えたものを十三神というのじゃが、儂らは彼らを監視というか、定期的に交流して、情報交換をしておるのじゃ。そこで、じゃ」
伊織さんは大きく間を空けて、テーブルに両肘をついてこちらを見据えた。
「今回はお主らに実施調査をしてきて欲しいのじゃ」
僕は伊織さんの言葉に耳を疑った。
「実施調査ぁ!? ててててててことは現地に行って、彼らから話を聞いたりしてこなきゃならないというこことことことですか!?」
「拓斗、落ち着け」
あからさまにテンパる僕に、伊織さんは苦笑を浮かべながらそう宥めた。
「丁度良い機会だと思ってな。拓斗も最近うちの連中とも仲良くやっとる。だいぶこの家の雰囲気にも慣れたじゃろう。十三神とはこの先何度も顔を会わせることになる。儂らだけでも大人数なのに、更に彼奴らまで遊びに来た時には人数が多くてお主も混乱するじゃろう。普段はそれぞれ分担して、一人につき一人を担当してもらうのじゃが、この機会に一人ずつ落ち着いて会ってくると良い」
「なるほど」
伊織さんの気遣いからの頼み事だったみたいだけど、僕はアキラくんみたいにすぐに納得出来ずに、あわあわと取り乱していた。
「かかか神様と会うだなんて、服装とか礼儀とかいつもの感じで大丈夫なのかな!?」
「お主、儂らも一応紛い物でも神様だってことわかっとる?」
「ああああすいません! すいません! 悪気はなくて!」
「大丈夫ですよ。十三神なんて、貴方が思ってるほど神々しくありませんから。彼らもうちと全然変わりません」
「ででででもでも」
「良いことを教えてやろう。十三神の中にはゲーム実況とやらを撮って、世界に配信したりしてる奴もおるぞ」
「え、ゲーム実況?」
伊織さんの言葉に、僕は挙動不審だった体にやっと落ち着きを取り戻した。
「そうそう。バンドのライブに行く奴もおるし、悪質的な変態ストーカーとかもおる。あんま身構えんでも良いぞ」
「…………」
それは、それは確かにとても気は楽になったけど、それは神様としてどうなのだろう……?
少しの疑問が残る中、僕は伊織さんとアキラくんに何とか説得され、十三神に会いに行くのであった。
同じく伊織さんに呼び出されたのか、アキラくんもその場にいた。
僕らは長方形のテーブルを挟んで紺色の座布団に座り、伊織さんと対談した。
「うむ、よく来てくれた、二人とも」
伊織さんは凄くリラックスした状態で、両手を体より少し後ろについて、足を胡座を更に崩した状態でだらりと床に置き、ニコニコと僕らを歓迎してくれた。
「あの、何か御用ですか?」
アキラくんは伊織さんの身の回りのお世話をしているから兎も角、僕が伊織さんに呼び出されることは初めてだ。何かしてしまったのだろうかと、上司に呼び出されたような気持ちで僕はビクビクしていた。
「うむ、二人に来てもらったのは勿論、頼み事があっての事じゃ」
僕とアキラくんはその言葉に顔を見合わせた。僕は怒られるわけじゃないんだと、内心ホッと胸を撫で下ろした。
「頼み事とはなんですか? また、良からぬ事じゃないでしょうね」
アキラくんが悪態をつきながらすかさずそう聞くと、伊織さんは不満そうに口をへの字に曲げた。
「アキラ、お主、儂をなんじゃと思っておるんじゃ」
「わがままのぐうたらジジイ」
「あっそ……」
アキラくんと伊織さんはいつもこんな感じなのだろうか。主従関係はあるみたいだけど、いつも軽口を聞いて、冗談も言い合える仲に見える。僕はあんまり伊織さんと話したことがないから、雰囲気だけで彼を怖い人だと思っていたけど、そんなことないのかも? でもこの人、なんか威厳があるんだよな。こんなにもだらけているのに……。不思議だ。だから、つい緊張してしまう。
「まぁ楽にせい」
僕が緊張していることに気付いたのか、伊織さんは僕にそう笑いかけてくれた。
「はい!」
僕は話しかけられて、反射的に姿勢を正した。それを見て、伊織さんが呆れたように笑う。
「お主、気を楽にするって意味わかっとる?」
「先生は見た目はこんなんですけど、中身はただのおじいちゃんなので、そんな緊張しなくて良いですよ」
「アキラ、お主さっきから一々トゲがあるのぅ」
僕はアキラくんにも宥められて、コクコクとぎこちない動きで、ロボットのように何度も深く頷いた。
「ダメですね、これは」
「まぁ、そのうち慣れるじゃろうて。で、本題なんじゃが」
伊織さんはゴホンと咳払いをして、話を切り替えた。
「お主らにちょっとおつかいを頼みたくてのぅ」
「おつかい?」
僕とアキラくんは同時にそう聞き返した。
「拓斗は知っておるかわからんが、テラの地上には十二神と呼ばれる大精霊がおる。それぞれの属性の長じゃな。そやつらは人々に信仰され、神格となった。言わばテラの世界の神。その十二神にもう一人加えたものを十三神というのじゃが、儂らは彼らを監視というか、定期的に交流して、情報交換をしておるのじゃ。そこで、じゃ」
伊織さんは大きく間を空けて、テーブルに両肘をついてこちらを見据えた。
「今回はお主らに実施調査をしてきて欲しいのじゃ」
僕は伊織さんの言葉に耳を疑った。
「実施調査ぁ!? ててててててことは現地に行って、彼らから話を聞いたりしてこなきゃならないというこことことことですか!?」
「拓斗、落ち着け」
あからさまにテンパる僕に、伊織さんは苦笑を浮かべながらそう宥めた。
「丁度良い機会だと思ってな。拓斗も最近うちの連中とも仲良くやっとる。だいぶこの家の雰囲気にも慣れたじゃろう。十三神とはこの先何度も顔を会わせることになる。儂らだけでも大人数なのに、更に彼奴らまで遊びに来た時には人数が多くてお主も混乱するじゃろう。普段はそれぞれ分担して、一人につき一人を担当してもらうのじゃが、この機会に一人ずつ落ち着いて会ってくると良い」
「なるほど」
伊織さんの気遣いからの頼み事だったみたいだけど、僕はアキラくんみたいにすぐに納得出来ずに、あわあわと取り乱していた。
「かかか神様と会うだなんて、服装とか礼儀とかいつもの感じで大丈夫なのかな!?」
「お主、儂らも一応紛い物でも神様だってことわかっとる?」
「ああああすいません! すいません! 悪気はなくて!」
「大丈夫ですよ。十三神なんて、貴方が思ってるほど神々しくありませんから。彼らもうちと全然変わりません」
「ででででもでも」
「良いことを教えてやろう。十三神の中にはゲーム実況とやらを撮って、世界に配信したりしてる奴もおるぞ」
「え、ゲーム実況?」
伊織さんの言葉に、僕は挙動不審だった体にやっと落ち着きを取り戻した。
「そうそう。バンドのライブに行く奴もおるし、悪質的な変態ストーカーとかもおる。あんま身構えんでも良いぞ」
「…………」
それは、それは確かにとても気は楽になったけど、それは神様としてどうなのだろう……?
少しの疑問が残る中、僕は伊織さんとアキラくんに何とか説得され、十三神に会いに行くのであった。
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