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6.5話目! 十三神巡り
6.5-3 フランマ編
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僕らは菓子折りを持ち、森の奥の古びた古塔にたどり着いた。その塔は空に伸びる木々たちよりも高くそびえ立ち、幾重もの蔦が絡みついている。古塔を形成するレンガは剥がれ落ち、そこかしこに穴が空いてボロボロだ。
こんな人里離れた山奥の古塔に神様は住んでいるというのだろうか?
アキラくんは古塔の門の前で立ち止まり、門に向かって手を翳した。すると、幾何学模様の魔法陣が現れて、それは不規則な動きで回転すると、一瞬、古塔全体的を大きく包み込んだ。
「?」
僕は何をしたのかイマイチ分からずに、アキラくんが翳していた門を凝視する。特に変わった変化はないみたいだが……?
「わぁ! アキラくん久しぶり!」
突然、鼓膜がビリビリするほどの大きな甲高い声が頭上から聞こえてきた。
バサバサと羽音が聞こえ、粉塵を舞いお越しながら、巨大な何かが頭上を飛んでいる。
僕は何事かと思い、バッと空を見上げた。すると、そこには――
「ド、ドラゴン!?」
それはファンタジーの世界でしか存在し得ない、巨大なドラゴンの姿があった。金色の双眸はギラリと鋭く、瞳孔も細長い。真っ赤な鱗を身に纏い、巨大な角を頭に携えて、大きな口からはギザギザとした鋭利な牙を覗かせている。爪は杭の様に太く鋭く、その爪で攻撃されたらひとたまりもなさそうだ。爪一本で腹を貫通するだろう。それどころから胴体真っ二つになりそうだ……。巨大な体から生える尻尾はずっしりとして長く、その尻尾だけでこの古塔を破壊できるかもしれない。翼はその体全体を覆えるほど広く大きく、その風圧は凄まじく、目を開けるのも難しい。
しかし――
「アキラくん何年振りかな? 最近あんまり顔出してくれないよね?」
「僕も何かと忙しいんですよ。はい、これ菓子折り」
「わ~! ありがとう!」
声が異様に可愛い!!!!!
威厳のある外見からは似ても似つかない可愛らしい女の子の声に僕は唖然としてしまう。ドラゴンは詰めで器用に小さな菓子折の袋を持っていた。
菓子折りめっちゃちっちゃいけど、こんなんで満足出来るのだろうか。ゴマ粒食べるのと一緒では……?
「とりあえず人型になって降りてきてください。それじゃあ羽音で何言ってるか聞き取り辛いでしょうし、砂埃が目に入って仕方ありません」
アキラくんがそう言うと、ドラゴンは「あぁ、ごめんごめん!」と、大して悪びれた様子も無く、片目をパチリと一瞬閉じた。
それ、ウィンクのつもりなんだろうか? ドラゴンのウィンクってウィンクに見えないな……。
すると、程なくしてドラゴンは燃え盛る炎のような光に包まれた。その光が明けると、そこには僕よりも身長の低い、一人の女の子が立っていた。
「わーい! これで普通に話せるね!」
彼女はニコニコと嬉しそうに両手を上げて無邪気に笑っている。けれど、彼女から発せられる声は先程のドラゴンと同じ声。片手には先程の菓子折り。
「え、もしかして、さっきのドラゴン!?」
僕が驚くと、彼女は変わらニコニコとしたご機嫌そうな様子で僕の質問に答えてくれた。
「うん! そうだよ!」
彼女の姿は先程の威厳あるドラゴンとは程遠いまでとは言わずとも少し違っていて、全体的に幼い。真っ赤な赤い髪は外側に跳ねていて、襟足は長く後ろで結われている。その頭から生える角は、先程のドラゴンの姿の時の角と同じものだ。背中にも同じように羽が生えており、おしりの少し上の辺りから長く太いしっぽも生えている。目もドラゴンの時と同じように金色で爬虫類のような目をしている。牙も変わらず生えており、まるでワニのようなギザギザと鋭い歯だ。
しかし、しかし格好は……格好は――僕の心理描写では描写し難い程破廉恥だ……! 水着、最早水着……!!! とにかくハイグレの水着なのだ!
「ほらほら、彼が貴女の格好に顔を赤くしていますよ。ちゃんとお洋服を着なさいと周りから言われているでしょう」
「えー! ヤダヤダ! だって服着たら動きにくいんだもん!」
彼女は駄々っ子のように手をブンブンと縦に振って嫌がった。そして、彼女は服の話が相当嫌なのかすぐさま話を変えて、僕の腕をギュッと引っ張った。
「それよりそれより! この人だぁれ!? 初めて見るよね!?」
う、腕に胸が当たっている……! これがラッキースケベと言うやつなのか!?
「彼は拓斗さんです。最近うちで雇っている……まぁ、家政夫みたいなものですね」
「家政夫……」
まぁ、確かにそうか。やってることは家政夫みたいなものか。
「へー、そうなんだ! カセイフがなんかイマイチわかんないけど、大変だね! えらいえらい!」
彼女は僕の腕から手を離して、今度は頭をわしゃわしゃと撫でてきた。なんだろう。なんかちょっと陽菜ちゃんと話している気分になる……。彼女は見た目以上に精神年齢が幼いように思える。
「アタシは火のー大精霊? 神様? とにかくフランマだよ! よろしくね! 気軽にフランマでいいよ! あと敬語もいらない!」
「うん、よろしく」
どうやら彼女はフランマという名前らしい。僕は彼女から差し出された手を軽く握り返した。しかし、僕が思っていた握手とは違っていて、握力がめっちゃ強い! しかも、その手でブンブンと激しく縦に手を振られ、僕の体ごと持ってかれそうだった。
激しい握手がひと段落終え、アキラくんが本題へと入った。
「さて、いつものやついきましょうか」
「いつものやつね!」
「いつものやつ?」
なんか二人が勝手に理解し合っている中、置いてけぼりの僕は、よく意味がわからず首を傾げた。
「最近体調などお変わりないですか?」
「ないよ! いつも通り元気元気!」
そう言って、フランマはグルグルと菓子折を持ってない方の腕を回した。アキラくんはそれに対して特にリアクションせず、軽く頷いて次の質問に移った。
「では、街や人々に変化はありませんか?」
「んー、これといってないかな? 参拝に来る人も相変わらず雪を溶かしてくれーとか、血行良くしてくれーっていう感じ!」
「そうですか」
「あ! でもでも、最近魔族の動きが活発だから動向要注意って感じかな!」
「なるほど、わかりました。ありがとうございます。また何かあれば、気軽にご連絡下さい」
「はーい!」
どうやら、いつものやつというのは終わったようだ。いつものやつというのは簡単な質問だけだったらしい。
「では、これにてフランマさんへの訪問は終わりです。次へ行きましょう」
「え、もう!?」
思いのほか早く調査が終わって、僕はびっくりしてパチクリと瞬きした。もっと、こう座談会みたいな感じで机を挟んでこう……書類とか……いや、書類は仕事か。うん、まぁ、なんか思ってたんと違った。
「アキラくん! タクトくん! まったねー! 次きた時は、一緒に遊ぼうねー!」
僕とアキラくんはフランマに見送られ、次の調査へと向かうのだった。フランマは最後まで僕らの背中に手を振っていた。とても明るくて元気で楽しい神様だったな。最初が彼女で良かったかもしれない。少し気が軽くなった。
こんな人里離れた山奥の古塔に神様は住んでいるというのだろうか?
アキラくんは古塔の門の前で立ち止まり、門に向かって手を翳した。すると、幾何学模様の魔法陣が現れて、それは不規則な動きで回転すると、一瞬、古塔全体的を大きく包み込んだ。
「?」
僕は何をしたのかイマイチ分からずに、アキラくんが翳していた門を凝視する。特に変わった変化はないみたいだが……?
「わぁ! アキラくん久しぶり!」
突然、鼓膜がビリビリするほどの大きな甲高い声が頭上から聞こえてきた。
バサバサと羽音が聞こえ、粉塵を舞いお越しながら、巨大な何かが頭上を飛んでいる。
僕は何事かと思い、バッと空を見上げた。すると、そこには――
「ド、ドラゴン!?」
それはファンタジーの世界でしか存在し得ない、巨大なドラゴンの姿があった。金色の双眸はギラリと鋭く、瞳孔も細長い。真っ赤な鱗を身に纏い、巨大な角を頭に携えて、大きな口からはギザギザとした鋭利な牙を覗かせている。爪は杭の様に太く鋭く、その爪で攻撃されたらひとたまりもなさそうだ。爪一本で腹を貫通するだろう。それどころから胴体真っ二つになりそうだ……。巨大な体から生える尻尾はずっしりとして長く、その尻尾だけでこの古塔を破壊できるかもしれない。翼はその体全体を覆えるほど広く大きく、その風圧は凄まじく、目を開けるのも難しい。
しかし――
「アキラくん何年振りかな? 最近あんまり顔出してくれないよね?」
「僕も何かと忙しいんですよ。はい、これ菓子折り」
「わ~! ありがとう!」
声が異様に可愛い!!!!!
威厳のある外見からは似ても似つかない可愛らしい女の子の声に僕は唖然としてしまう。ドラゴンは詰めで器用に小さな菓子折の袋を持っていた。
菓子折りめっちゃちっちゃいけど、こんなんで満足出来るのだろうか。ゴマ粒食べるのと一緒では……?
「とりあえず人型になって降りてきてください。それじゃあ羽音で何言ってるか聞き取り辛いでしょうし、砂埃が目に入って仕方ありません」
アキラくんがそう言うと、ドラゴンは「あぁ、ごめんごめん!」と、大して悪びれた様子も無く、片目をパチリと一瞬閉じた。
それ、ウィンクのつもりなんだろうか? ドラゴンのウィンクってウィンクに見えないな……。
すると、程なくしてドラゴンは燃え盛る炎のような光に包まれた。その光が明けると、そこには僕よりも身長の低い、一人の女の子が立っていた。
「わーい! これで普通に話せるね!」
彼女はニコニコと嬉しそうに両手を上げて無邪気に笑っている。けれど、彼女から発せられる声は先程のドラゴンと同じ声。片手には先程の菓子折り。
「え、もしかして、さっきのドラゴン!?」
僕が驚くと、彼女は変わらニコニコとしたご機嫌そうな様子で僕の質問に答えてくれた。
「うん! そうだよ!」
彼女の姿は先程の威厳あるドラゴンとは程遠いまでとは言わずとも少し違っていて、全体的に幼い。真っ赤な赤い髪は外側に跳ねていて、襟足は長く後ろで結われている。その頭から生える角は、先程のドラゴンの姿の時の角と同じものだ。背中にも同じように羽が生えており、おしりの少し上の辺りから長く太いしっぽも生えている。目もドラゴンの時と同じように金色で爬虫類のような目をしている。牙も変わらず生えており、まるでワニのようなギザギザと鋭い歯だ。
しかし、しかし格好は……格好は――僕の心理描写では描写し難い程破廉恥だ……! 水着、最早水着……!!! とにかくハイグレの水着なのだ!
「ほらほら、彼が貴女の格好に顔を赤くしていますよ。ちゃんとお洋服を着なさいと周りから言われているでしょう」
「えー! ヤダヤダ! だって服着たら動きにくいんだもん!」
彼女は駄々っ子のように手をブンブンと縦に振って嫌がった。そして、彼女は服の話が相当嫌なのかすぐさま話を変えて、僕の腕をギュッと引っ張った。
「それよりそれより! この人だぁれ!? 初めて見るよね!?」
う、腕に胸が当たっている……! これがラッキースケベと言うやつなのか!?
「彼は拓斗さんです。最近うちで雇っている……まぁ、家政夫みたいなものですね」
「家政夫……」
まぁ、確かにそうか。やってることは家政夫みたいなものか。
「へー、そうなんだ! カセイフがなんかイマイチわかんないけど、大変だね! えらいえらい!」
彼女は僕の腕から手を離して、今度は頭をわしゃわしゃと撫でてきた。なんだろう。なんかちょっと陽菜ちゃんと話している気分になる……。彼女は見た目以上に精神年齢が幼いように思える。
「アタシは火のー大精霊? 神様? とにかくフランマだよ! よろしくね! 気軽にフランマでいいよ! あと敬語もいらない!」
「うん、よろしく」
どうやら彼女はフランマという名前らしい。僕は彼女から差し出された手を軽く握り返した。しかし、僕が思っていた握手とは違っていて、握力がめっちゃ強い! しかも、その手でブンブンと激しく縦に手を振られ、僕の体ごと持ってかれそうだった。
激しい握手がひと段落終え、アキラくんが本題へと入った。
「さて、いつものやついきましょうか」
「いつものやつね!」
「いつものやつ?」
なんか二人が勝手に理解し合っている中、置いてけぼりの僕は、よく意味がわからず首を傾げた。
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「ないよ! いつも通り元気元気!」
そう言って、フランマはグルグルと菓子折を持ってない方の腕を回した。アキラくんはそれに対して特にリアクションせず、軽く頷いて次の質問に移った。
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「そうですか」
「あ! でもでも、最近魔族の動きが活発だから動向要注意って感じかな!」
「なるほど、わかりました。ありがとうございます。また何かあれば、気軽にご連絡下さい」
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どうやら、いつものやつというのは終わったようだ。いつものやつというのは簡単な質問だけだったらしい。
「では、これにてフランマさんへの訪問は終わりです。次へ行きましょう」
「え、もう!?」
思いのほか早く調査が終わって、僕はびっくりしてパチクリと瞬きした。もっと、こう座談会みたいな感じで机を挟んでこう……書類とか……いや、書類は仕事か。うん、まぁ、なんか思ってたんと違った。
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