神様のお導き

ヤマト

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6.5話目! 十三神巡り

6.5-4 アクア編①

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 フランマと別れ、僕はアキラくんに連れられ海辺に来ていた。
「さて、次に会うのはアクアという水の神です」
「おお!」
「そして、彼女は海の底にいます」
「おお……!?」
 あれ? 何となく流れで、おお、言ったけど、それってどうやって会いに行くんだ……?
「海の底に行くための装置があります」
「おお!」
「それは少しデメリットもあるので後で使うとして、先にアクアさんについてここで説明しておきましょうかね」
「おお?」
 アキラくんがここで説明を入れるということは、アクアさん……? 様……? には、何かあるのかな?
 僕は不思議そうな顔をしたまま、アキラくんの言葉に耳を傾けた。
「アクアさんはとても厳格な方です。認めてもらえればとても良くして下さる方なのですが――なんというか、彼女を含め、護衛の方々もなかなか難しく……」
 なんだかアキラくんが、口元に手を当てて、少し言い悩んでいる様子。アキラくんが言い淀むほど難しい人たちなのだろうか。
「なんと言いいますか、まず、アクアさんのいる場所は海底の人魚の国です」
「人魚!」
 これまた、ファンタジーな所来た!
「人魚は女性のイメージが多いでしょうが、ちゃんと男性も存在します。海底の国にはちゃんと男性の人魚も生活しているのですが、アクアさんの住む城とその周りの厳重な護衛は全て女性です」
「え?」
 そういう護衛とかの仕事は男性のするイメージが多いけれど、人魚の世界では違うのだろうか。
「というのも、その女性たちは昔、性別がどちらでも無い雌雄同体の状態で、男性と同じように育てられてきた者たちです」
「雌雄同体?」
「ええ。雄と雌の生殖器を所有していることを指したます。そして、その者たちは成長すると男性にも女性にもなれるのですが、子孫を残すに当たって、雌になる方を選ぶ方が殆どなんですね。そして、彼らはより強い者を雄として選びます。雌雄同体の方たちはその中で頂点を決めるために戦うんです。その中で上位になった者は雄として、他は女性として生きます。人魚は一夫多妻制なので、そうやって繁殖するんです。なので、女性人口のが多いですし、雄となった強者は、城の護衛よりも国全体の護衛などに当たる方が殆どです。アクアさんが身の回りの護衛に強い男性がいると、人間関係にもイザコザが出来るからということもあり、城内と自身の護衛は女性だけに統一しているというのもありますが……」
「へー」
 それで、それがどうしたというのだろう。人魚の文化を知ってそりゃ驚いたけど、女性の人魚も男性同様の強さを持っているという点があるだけで、何か問題でもあるのだろうか。
「なので、彼女らは女性だからと言って決して腕っ節弱い訳ではありません。筋肉量も貴方より倍あります」
 マッチョの人魚なのかな……。
「プライドも高いです」
 男性特有のプライドも併せ持つのか……。
「自分より弱い者は男性と認めません」
 僕は女の子になっちゃうのかな……。
「そして、何より人魚は地上の生き物に厳しいです」
「Oh…」
「アクアさん自身、普段は人魚の姿をしているものの、実態は海を支配する王の怪物、リヴァイアサンです。一応地上にも神殿はあるものの、彼女は人間よりも海の生き物に寄り添います。つまり、人間で、自分より弱い男性の貴方は……もしかすると、彼女らに酷い言われをするかも知れませんが、その……もし、何か言われてもお気になさらないで下さいね……」
 アキラくんが言い淀んでいた気持ちがわかった。僕を傷つけないと悩んだ結界だったのか。まぁでも……。
「大丈夫、僕、酷いこと言われるのは言われ慣れてるしさ! 多分昔の上司に比べたら大した事ないだろうし、大丈夫、大丈夫!」
 そうだ、昔の上司に比べれば、きっと大したことは無い。何より傍にアキラくんもいてくれる。きっと大丈夫だ。
「はぁ……。だと良いんですけど……。一応雌雄同体の方たちもいますけど、最初から男性だったり女性だったりする人魚の割合のが多いんですよ。そう言った方たちは彼女らと比べて、とても繊細で優しいですし……。童話に登場するような感じで……。はい……」
「あああアキラくん! そんな暗い顔しないで! アキラくんが僕のこと心配してくれてるのは凄い伝わったから! その気持ちだけで十分だから!」
 こんな僕のために、心配して胸を痛めてくれている。それだけでどれだけ幸せなことか。きっとアキラくんくんはそのことについて何もわかっていないのだろう。僕は落ち込むアキラくんを見て、不謹慎ながらも少し微笑ましく笑った。

「さて、まぁ、そんな感じで、水中への行き方なんですが、これを使います」
 話は戻り、アキラくんは気分を切り替えて、先程の水中への潜る道具の説明を始めた。アキラくんが召喚魔法で取り出したのは、ひとつの青いボタンのような物だった。四角い無機物に青く丸いボタンが付いているだけで、特に変哲もないただのボタンだ。
「これを押すと――……」
 アキラくんがそのボタンを押すと、僕の体の周りを頭の先からつま先まで、一瞬、風邪のようなものが吹き抜けた気がした。それだけで特に見た目に変わりは無い。
「さ、自分の体を触ってみてください」
 僕はアキラくんに言われるがままに自分の胸や腕を触って見た。すると――
「ん?」
 なんだろう? なんか変な感じがする。
「んん?」
何度も胸や腕をペタペタと触る。なんだろう、この違和感。
「今、僕らの体の周りには薄い空気の膜が張ってあります。これで服は濡れませんし、酸素もあるので呼吸も出来ます。薄い膜が張っているせいで、自分の体を触っているつもりでも、実は薄い空気の膜が邪魔をしていて、実際には体を触れていません。なので、体を触っている感覚がないんです」
「なるほど」
 それが違和感の原因か。さっきから自分の体を触っているつもりだったが、どうも触れてない違和感に苛まれていたというわけだ。
「そして、僕がこの道具を使うのを後回しにしたのは、もうお気づきかもしれませんが、空気の薄い膜が張られていることにより、声が篭って周りに届きにくいんです。その上酸素にも限度があります。この道具の種類だと持って二時間程度ですね」
「そうなの!?」
 確かに、アキラくんの声は少し篭っていて、膜が張ってあるのも相まって、普段より少し聞こえにくい。そして、二時間とは結構シビアではなかろうか!?
「そんな訳でダッシュで行きますよ! ダッシュで!」
「おおおぉおお! ダッシュだね!!!」
 アキラくんは菓子折りを持ったまま、意気揚々と海へと飛び込んで行った。正直、海の中でも空間転移魔法で移動したり出来ないのかとも思ったけど、やっぱ海水とか色々大変なのかな。僕はアキラくんの後を慌てて着いて行った。 
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