神様のお導き

ヤマト

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6.5話目! 十三神巡り

6.5-9 ルクス編

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「はい」
「はい、何でしょう」
「これから次に行くのは光の神、ルクスの所なんですけどね」
「はい」
「正直僕、彼のことすっごい嫌いです」
「oh…」
 アキラくんにここのまでハッキリ嫌いと言わしめるなんて、相当なんだろうな……。アクアさんのことは苦手とは言っていたけど、苦手であって嫌いではないんだろうし。
「彼は自己中心的で人の話を全く聞きません。さっさと用件を終わらせて退散しましょう」
「わ、わかった!」

 僕らは天にでも続くんじゃないかと思うくらい高い光の階段の前にいた。
「この階段は通常人には見えません。これも結界の中へ続く道のひとつなんです」
「そうなんだ」
 アキラくんは透明な光の階段を難なく登り、僕に安全性を見せてから登るよう促した。透明なガラスのような階段なので、下はスケスケだし、ちゃんと足元がしっかりしているか不安になりながらも、僕はアキラくんの後をついて行く。しばらく階段を登ると、一瞬、妙な違和感を覚え、それが結界の中へ入ったのだと言うことに気づいた。そして、その違和感を感じてから束の間――瞬きをした一瞬の出来事のことだ。突然、目の前にとても幻想的で美しい光景が広がった。
 そこは地面という地面はなく、地面は全て雪のように白いフワフワとした雲だった。その雲の上に少し古びた真っ白な神殿が建っている。天国。そう言われれば信じてしまいそうなくらい美しい場所だった。
 その神殿の入口の前の階段に佇む一人の男性の姿。
「よぉ、アキラ」
 彼は黄金に輝く金色の長い髪に、白い肌。彼もアキラくんたちのように息を飲むほどに美しい容姿をしていて、そこに佇む姿はさながら天使。光属性の神に恥じぬ神々しさを身に纏っていた。白一式で揃えた服装が更に彼の神秘性を増す。
「俺は今世界の情勢見んのに忙しい、さっさと質問終わらせて帰れ」
 見た目に反して、口はめちゃくちゃ悪いようだ。
「言われなくとも。でもその前に彼のことを紹介させて下さい。彼は――」
「タクトだろ。伊織のジジイから話は聞いてる。そんな奴の紹介なんざどうでも良い。さっさと話終わらせんぞ」
 彼はアキラくんな言葉を遮って、質問するよりも先に質問の内容について簡単に答えていった。
「まず、俺の調子はいつもと変わんねぇ。んなもん見りゃわかるよな。それから、下等生物共の様子は他の奴らも言ってんだろうが、魔族が活発的に動いてやがる。あいつら戦争するならするで、俺に契約でも持ち掛けりゃ良いのによォ、誰一人俺の所に来やがらねェ、光に弱いからってビビってんのかってんだ」
「そうですか」
 全て勝手に話して答えてくれたけど、彼は何故か僕のこのをじっと見つめていた。え? 帰っていいんだよね?
 僕は堪らずアキラくんの方を見た。アキラくんもなんで彼が僕の方を見ているのか分からないようで、僕の視線に気付いて、無言で首をしかめていた。
「なァ、お前」
「あっ!? はい! 何でしょう!?」
 ルクスさんに急に話しかけられ、僕は目を丸くして背筋を伸ばした。
「お前見たところ無属性だし、何なら俺と契約するか?」
「へ?」
「お前、伊織のジジイんとこにいるんだろ? だったら、それなりの奴と戦闘もするだろうし、お前と契約すりゃ、俺の力も発揮する機会があんじゃねぇのか?」
 え!? ナニソレ!? 僕、そんなの知らない!
「いや、あの……」
 僕がどう答えたら良いかわからずに慌てていると、アキラくんが僕を庇うようにして僕の前に立ちはだかった。
「彼はそう言うのではないのでそう言った冗談は辞めてください」
「はァ? 別に冗談じゃねぇのによォ。無属性っつったらアレだろ? 魔法の才能がない落ちこぼれか、逆に全属性にもなりうる可能性の秘めた奴。だったら俺との契約をしてもそれをモノに出来るかも知れねぇってのによォ」
「いいですから。彼のことは放っておいて下さい。何だったら僕が貴方と契約しましょうか?」
「はァ!? テメェみてぇな木偶の坊願い下げだ!」
「それは良かったです。僕も貴方みたいな野蛮で品性の欠片もないような方、こっちから願い下げでしたので」
「テメェから言ったんだろうがよォ」
「はいはい、そうでしたね」
 ルクスさんとアキラくんの間にバチバチと火花が散る。どうやら本当にアキラくんはルクスさんのことが嫌いなようだ。大事にならないように、僕はアキラくんの腕をガっと掴んで、会社仕込みの綺麗な礼をした。
「じゃ、じゃあ、僕らはこれで!」
「あァ?」
「行こう、アキラくん!」
 僕は急いでアキラくんの背中を押して、そそくさとその場を後にする。帰ろうとしたその時、ルクスさんが僕に向かって後ろから声を掛けてきた。
「気が向いたら契約してやるから、いつでも来いよォ」
 ルクスさんの言葉に僕は苦笑いを浮かべながら、真顔で怒りに燃えるアキラくんの背中をグイグイと押すのだった。

 階段を降りたところで気付いたけれど、菓子折り――。僕は渡せなかった菓子折りを見つめた。
「良いんですよ、あんな奴に菓子折りなんか渡さなくて。それに渡す隙を与えなかったのはあっちなんです。後から文句を言われても知ったこっちゃありませんよ」
「アキラくん……」
 これは相当ご立腹だな。僕は苦笑いをしてアキラくんを見つめた。
「余った菓子折りは今日頑張る拓斗さんへのご褒美にしましょう。帰ったら差し上げます」
「えぇ!? 良いのぉ!?」
「はい、勿論です」
 僕は思いもよらぬとこから出てきた報酬に胸を躍らせながら、その余った菓子折りがなんなのか、内心ワクワクした。
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