神様のお導き

ヤマト

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6.5話目! 十三神巡り

6.5-19 オムニア編③

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 僕のそんな素朴な疑問はさて置き、アキラくんがやっとこさ会話に入ってくる。
「では、恒例の質問をさせて貰っても宜しいですか?」
「ええ、構いませんよ」
「お体に変わりはありませんか?」
「問題ないです。私に疲れを感じている暇などありませんから」
「……そうですか。では、世界や人々に変化は――」
「その事ですけど、その問題は私一人の力で大丈夫です。他の者から魔族の活動が活発になっていると聞いているかもしれませんが、それについてはもう既に手は打ってあります」
「……大地震についても?」
「私とテラで未然に防ぎます」
「そのテルースさんが最近疲弊しているのに?」
「……テラが?」
 オムニアさんはそれを聞いて、少し考える素振りをして間を空けた。
「テラは……私にそんなこと一言も言っていなかった」
「彼女は聞かれるまでは一人で抱え込むタイプですからね」
「……わかりました。それならば私一人でもどうにかします」
「それでは貴女の負担が大きすぎます。その事だけじゃない、細かい人々の救済や環境の保全、他にも様々な事に気を配るのは、いくら何でも少し過酷過ぎるのでは」
「しかし、私は――」
 彼女は人一倍責任感も強いのだろう。誰よりも世界を、人々を愛しているのだろう。でも、だからと言って、一人でも無理することはないと思う。
「あの」
 僕はゆっくりと口を開いた。二人の視線が僕へと集まる。
「神様って、神様だからってなんでも一人で抱え込まなきゃならないんですか? 誰かの手を借りちゃいけないんですか? 僕はそんなの違うと思います。それに、神様が僕たちのために毎日身を削って頑張ってくれているのなら、僕だって、きっとみんなだってこう思う。神様もたまには休んで良いんだよって」
 僕は彼女にちゃんと伝えられただろうか。大したことは言ってないけど、少しでも肩の荷が下りれば良いなって思ったんだけど。
 僕は恐る恐るオムニアさんの方を見た。ニルさんの顔は布で隠れていて、相変わらずなどんな表情をしているかわからないけれど、少し雰囲気が和らいだ気がした。
「はぁ。本来救いの手を差し伸べる者に心配されては元も子もありませんね。良いでしょう。今回は彼に免じてニル・レクスの手を借りましょう」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
 喜んだのは良いものの、ニル・レクスって誰!? オムニアさんと同じ名前!
「休むことで喜ばれては、訳ないですね。私も少し、自分を顧みるとしましょう」
「えぇ、たまには少し休んで、色々と考えることも大事ですよ」
 アキラくんはティーカップに入った紅茶を飲み干し、「ご馳走様でした」と、軽く会釈する。
「もう帰るのですか?」
「えぇ、用件は済みました。それに他の神の所にも回って僕らはもうクタクタです。すいませんが、これでお暇させていただきます」
 オムニアさんはそれを聞くと「わかりました」と、頷いて、先程僕らを案内してくれた天使の名を呼んだ。
「イザベラ」
 さっきまで下に降りて城の中へ去っていっていたのに、いつの間にか彼女はこの場に戻ってきており、すぐにオムニアさんの許へ駆けつけた。
「はい、何でしょうオムニア様」
「彼らを城の外まで送って差し上げて」
「はい、かしこまりました。それでは御二方、外までご案内致しますので、私に着いてきて下さい」
 僕らはオムニアさんに今一度礼をして、彼女の後を着いて行った。丁寧に城の外まで案内され、去り際までずっとお辞儀してくれていた。

 そして、家に帰る前のこと。僕らは一旦任されていた任務を終え、仕事から一時的に解放された空気を満喫していた。
「はぁ、やっと終わりましたね」
「長った。長い一日だった」
「正直、貴方が居てくれて良かったです。アクアさんやオムニアさんの時は特に活躍してくれました。貴方が居なければ、もっと長引いていたか、もう少しややこしくなっていたかもしれません」
 アキラくんに手放しに褒められ、僕は照れ臭くなり、視線を宙へと泳がせる。
「いやぁ、そんなことないよ。ほとんどアキラくんが進行してくれてたから、僕はほとんど横で立ってただけだし」
「そんなことありませんよ。貴方はもっと自分を褒めて良い。今日は本当にお疲れ様でした」
「うん、ありがとう。アキラくんもお疲れ様」
 僕らは軽くなった腕をぐぐっと伸ばしながら、深く息を吐く。
「あとはそのコーヒー豆も届けて、先生に報告してミッション完了ですね」
「うん、あと少し頑張ろう」
「ええ、では帰りましょうか」
「おー!」
 僕らは住み慣れた我が家へと帰るのであった。
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