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6.5話目! 十三神巡り
6.5-20
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僕らは無事家に辿り着き、灰冶さんにコーヒー豆を渡した。灰冶さんは喜んで、嬉しそうに鼻歌を歌いながら自室へと帰って行った。その後、僕らは伊織さんの部屋へと向かう。
「先生入りますよ」
「んー」
アキラくんが部屋に入る前に一言声を掛け、伊織さんの返事を聞いてから部屋の中へと入る。部屋は相変わらず色々な物が乱雑に散らばっていて、足元に気をつけなければならない状況だった。予め用意してある座布団の上に座り、伊織さんもムクっと起き上がって席に着く。
「ご苦労だったな」
伊織さんは大きな欠伸をして、僕らを見た。
「先生、まさかずっと寝てたんですか? 僕らが駆け回ってる間」
「え? そんなまさか。儂は儂で色々やっておったよ、色々。そう、色々とな!」
あからさまに見え見えな嘘を吐いているように見えるが、アキラくんはそれ以上何も言わなかった。代わりに大きなため息を吐いていた。
「ところで拓斗よ。どうであった? 十三神は」
「え。どうって言われても……」
急にこちらに話を振られ、僕は考えがまとまらず、一頻り「うーん」と、唸った。
「そうですね。なんて言うか、神様も色々あるんだなって思いました。悪い意味でじゃないんですけど、神様も他の人たちと変わらなくて、それぞれの考えや思いがあって、それなのに僕らのことを考えてくれていて、本当に凄いなって。あとちょっと個性的でしたね」
なんて言ったら良いのかわからないけれど、神様は神様なりに努力していて、僕らの見えないところで頑張っているんだなって。
「そうか。まぁ実際に自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じることが大事じゃからな。今回の一件で他の奴らのことがある程度はわかったじゃろう。奴らはたまにこちらに来ることもあるし、こちらから出向くこともある。ある程度知っておいて損は無い」
「まぁ普通に生活していれば、一般の人であれば、神様と会う機会なんてあるかないかですけどね」
確かに。アキラくんの言う通りだ。そう思うと僕って本当に貴重な体験をしていると思う。そもそも神様たちと暮らしてるワケだしね。
「また今回のような交流がある時は、お主にも誰か一人担当してもらうとしようかのぅ」
「え、マジですか」
「マジマジ。その為にもお主にはまた近々、空間転移と召喚術くらい使えるようにしてやらんとな」
「え!?」
僕は今、伊織さんの口からとんでもない事を聞いたかもしれない!
「今、なんて!?」
「じゃから、空間転移と召喚術をだな」
「使えるようになるんですか!?」
「うん」
「僕が!?」
ルクスさんに無属性と言われた僕が!?
「うん」
このどこに向けたら良いかわからない喜びを噛み締めて、僕は机の下でガッツポーズを作った。ニヤケ顔で感情がダダ漏れの僕を見て、アキラくんが冷静に声を掛けてくる。
「僕も元々は魔法なんて使えなかったんですけど、先生に使えるようにしてもらいましたからね。魔法の才能がなくても、先生の手に掛かればなんでもできるようになりますよ」
「先生凄い!」
「ウッハッハッハッハ! もっと褒めよ!」
「伊織大先生! 伊織師範代! 伊織大統領!」
「なんか褒め方が一昔前じゃな」
「僕の時代は今とは違いますので!」
僕でも魔法が使えるようになるという事実に、僕は心の底から浮かれていた。だって信じられるだろうか、前にいた世界ではそもそも魔法なんてものなくて、ゲームやファンタジーの世界だけの話だと思っていたのに、それが今や現実として扱えるようになるだなんて!
「まぁ、喜んでるとこ悪いけど、それにはもう少しうちの連中と仲良くなって、仕事もそれなりに一人でできるようになってからな」
「はい! 大丈夫です! 僕、精進します!」
「うむ、アキラと共に頑張ってくれ」
伊織さんはそう言うと、また再び床にゴロリと寝転んだ。
「今日のお主らの仕事は他の者に代わって貰っておる。今日はもう疲れたろうから、各自好きなことしてしっかり療養すると良い」
僕とアキラくんはこの後も仕事があると思っていたので、目を丸くしてごろ寝する伊織さんを見た。
「え、先生、どういう風の吹き回しですか? 熱でもあるんですか?」
「ちょいちょいちょい! 儂だって労うことくらいするわ!」
「…………」
アキラくんは信じられないという目で伊織さんを見つめ、一呼吸置いてから伊織さんにお礼を言っていた。
「ありがとうございます」
本当にアキラくんの中で伊織さんは一体どんなイメージなのだろうか。不思議だ。
僕も伊織さんにお礼を言うと、伊織さんに言われた通り、あとは自室でのんびり過ごす事にした。
今日は色んな神様と会って、色んな場所に行ってとても疲れたけど、それでも充実感に満ち溢れていた。以前の僕なら仕事で色んな人に会って、色んな場所に行っていたら疲れ果てて、家に帰ったら即寝ていたけど、やっぱり普通の仕事とはこんなにも違うことなんだな。
僕は今ある幸運と幸福に密かに感謝し、まだ見ぬこれからのことを思い描きながら、今日も一日を終えるのであった。神様の導きに感謝を――。
「先生入りますよ」
「んー」
アキラくんが部屋に入る前に一言声を掛け、伊織さんの返事を聞いてから部屋の中へと入る。部屋は相変わらず色々な物が乱雑に散らばっていて、足元に気をつけなければならない状況だった。予め用意してある座布団の上に座り、伊織さんもムクっと起き上がって席に着く。
「ご苦労だったな」
伊織さんは大きな欠伸をして、僕らを見た。
「先生、まさかずっと寝てたんですか? 僕らが駆け回ってる間」
「え? そんなまさか。儂は儂で色々やっておったよ、色々。そう、色々とな!」
あからさまに見え見えな嘘を吐いているように見えるが、アキラくんはそれ以上何も言わなかった。代わりに大きなため息を吐いていた。
「ところで拓斗よ。どうであった? 十三神は」
「え。どうって言われても……」
急にこちらに話を振られ、僕は考えがまとまらず、一頻り「うーん」と、唸った。
「そうですね。なんて言うか、神様も色々あるんだなって思いました。悪い意味でじゃないんですけど、神様も他の人たちと変わらなくて、それぞれの考えや思いがあって、それなのに僕らのことを考えてくれていて、本当に凄いなって。あとちょっと個性的でしたね」
なんて言ったら良いのかわからないけれど、神様は神様なりに努力していて、僕らの見えないところで頑張っているんだなって。
「そうか。まぁ実際に自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じることが大事じゃからな。今回の一件で他の奴らのことがある程度はわかったじゃろう。奴らはたまにこちらに来ることもあるし、こちらから出向くこともある。ある程度知っておいて損は無い」
「まぁ普通に生活していれば、一般の人であれば、神様と会う機会なんてあるかないかですけどね」
確かに。アキラくんの言う通りだ。そう思うと僕って本当に貴重な体験をしていると思う。そもそも神様たちと暮らしてるワケだしね。
「また今回のような交流がある時は、お主にも誰か一人担当してもらうとしようかのぅ」
「え、マジですか」
「マジマジ。その為にもお主にはまた近々、空間転移と召喚術くらい使えるようにしてやらんとな」
「え!?」
僕は今、伊織さんの口からとんでもない事を聞いたかもしれない!
「今、なんて!?」
「じゃから、空間転移と召喚術をだな」
「使えるようになるんですか!?」
「うん」
「僕が!?」
ルクスさんに無属性と言われた僕が!?
「うん」
このどこに向けたら良いかわからない喜びを噛み締めて、僕は机の下でガッツポーズを作った。ニヤケ顔で感情がダダ漏れの僕を見て、アキラくんが冷静に声を掛けてくる。
「僕も元々は魔法なんて使えなかったんですけど、先生に使えるようにしてもらいましたからね。魔法の才能がなくても、先生の手に掛かればなんでもできるようになりますよ」
「先生凄い!」
「ウッハッハッハッハ! もっと褒めよ!」
「伊織大先生! 伊織師範代! 伊織大統領!」
「なんか褒め方が一昔前じゃな」
「僕の時代は今とは違いますので!」
僕でも魔法が使えるようになるという事実に、僕は心の底から浮かれていた。だって信じられるだろうか、前にいた世界ではそもそも魔法なんてものなくて、ゲームやファンタジーの世界だけの話だと思っていたのに、それが今や現実として扱えるようになるだなんて!
「まぁ、喜んでるとこ悪いけど、それにはもう少しうちの連中と仲良くなって、仕事もそれなりに一人でできるようになってからな」
「はい! 大丈夫です! 僕、精進します!」
「うむ、アキラと共に頑張ってくれ」
伊織さんはそう言うと、また再び床にゴロリと寝転んだ。
「今日のお主らの仕事は他の者に代わって貰っておる。今日はもう疲れたろうから、各自好きなことしてしっかり療養すると良い」
僕とアキラくんはこの後も仕事があると思っていたので、目を丸くしてごろ寝する伊織さんを見た。
「え、先生、どういう風の吹き回しですか? 熱でもあるんですか?」
「ちょいちょいちょい! 儂だって労うことくらいするわ!」
「…………」
アキラくんは信じられないという目で伊織さんを見つめ、一呼吸置いてから伊織さんにお礼を言っていた。
「ありがとうございます」
本当にアキラくんの中で伊織さんは一体どんなイメージなのだろうか。不思議だ。
僕も伊織さんにお礼を言うと、伊織さんに言われた通り、あとは自室でのんびり過ごす事にした。
今日は色んな神様と会って、色んな場所に行ってとても疲れたけど、それでも充実感に満ち溢れていた。以前の僕なら仕事で色んな人に会って、色んな場所に行っていたら疲れ果てて、家に帰ったら即寝ていたけど、やっぱり普通の仕事とはこんなにも違うことなんだな。
僕は今ある幸運と幸福に密かに感謝し、まだ見ぬこれからのことを思い描きながら、今日も一日を終えるのであった。神様の導きに感謝を――。
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