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7話目!灰冶の章 夢境の栞
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街に着くと、僕は今までとはまた違った街の活気強さに目を見張った。人間がメインの街ではあるけれど、さっき灰冶さんが言っていたように小人やエルフ、ドワーフの姿もチラホラあった。ゴブリンの姿はない。エルフとかは人間を嫌っているイメージがあったけれど、中にはこうやって人の街に出向く人もいるんだな。
建物は自然と調和したような建築が多く、木造の家がメインだった。中には木、そのものを上手く利用した家もあって、なかなかにファンタジーだ。僕は賑やかなその街にすぐに心を奪われてしまった。
「良い街ですね」
「ふふ、気に入った?」
「はい!」
「それは良かったわ」
灰冶さんはご機嫌そうにニッコリ微笑んで、街の中心部へと向かった。街の中心部は円状に露店や出店が並んでおり、所謂市場のようになっていた。他の街にも行って思ったけど、この世界では露店や出店がメインで、あまりスーパーみたいな所は見かけない。アキラくんとよく買い出しに行くところは都会でスーパーとかもあるけど、基本的にはこういう店の売り出し方が普通なんだな。
僕は街並みをしみじみと眺めながら、灰冶さんの後を着いていく。灰冶さんは色んなものに目移りしていて、あっちやこっちやと足を進めては止めて、色んなものを興味深そうに見ていた。僕には何が何だかイマイチわからないけれど、灰冶さんが気に入って見てるのだからきっと良いものなのだろうと、勝手に思っていた。
「ん? これ」
灰冶さんが何か見ている横で、僕は目に付いた気になる石を拾い上げた。それは他のものとは違っていて、直径一センチほどの小さな鉱石にも関わらず、妙な存在感を放っていた。
「おや、お客さん、お目が高いねぇ。それ、たまたま帰り道に拾った鉱石なんだけどね、ゴブリンの住む鉱山にしかない鉱石なんだよ。きっとどこかのゴブリンが落としてった物なんだろうけど、ありがたく商品として扱わせてもらってるんだ」
店のおじさんの説明によると、どうやらゴブリンの住む鉱山でしか取れないものならしい。こんな小さな鉱石にも価値があるんだな。
僕はその鉱石の価値がわからずに、色んな角度から見ていると、灰冶さんが少し興奮した様子で横から割って入ってきた。
「これはかなり希少なものね。なかなかお目にかかれるものじゃないわよ。拓斗、よく見つけたわ! 偉いわよ~!」
「うっ」
灰冶さんはまた、僕の頭をわしゃわしゃと撫で回した。人前でやられるととても恥ずかしい。これが桜なら、褒めて遣わす! とか言って冗談を言い合えるのだが、こうやって面と向かって褒められるとどうしたら良いかわからないものだ。
僕は真っ赤になる顔を片手であおぎながら、その鉱石を灰冶さんに渡した。灰冶さんは自前のルーペを取り出して、その鉱石を三百六十度、隅々まで丁寧に観察していた。
「いいわ。質も良い。買ったわ!」
「お! お客さん、太っ腹だねぇ。でも大丈夫かい? これは小さいと言っても結構値が張るよ?」
「いくらでも出すわ。店主、お会計をお願い」
「まいど! 三万円ね!」
「三万!?」
僕は店のおじさんが言った値段に驚愕した、
あんな一センチほどしかない鉱石が!? そして、それを平然と買う灰冶さんも何なんだ。僕、よく思うけど、お金が無限にあるからか、針山家のみんなはちょっと金銭感覚狂ってると思う。
「ふぅ、良い買い物をしたわ。拓斗、貴方も何か欲しいものがあるなら遠慮なく言いなさいね」
そして、当然のように僕にも何か買ってくれる。僕は僕で、一応働いた分の軽い給料は貰っている。それで自分の欲しいものを買いたいのだが、みんながこうやって甘やかしてくるから、お金は貯まる一方だ。まぁ、僕が街で住むことになったら、この貯金は糧となるだろうけど、ちゃんと自立しなきゃなと思う。
そうやってしばらく店を物色している時のことだった。事件は起きた。
「きゃあああ! ゴブリンよー!」
突然、街の中で女の人の悲鳴が上がった。ゴブリンという言葉に僕はギョッとして、すぐにその声がした方へと視線を向けた。同じようにたくさんの人が声のした方に視線を集め、その視線の先にいたのは紛れもないあのゴブリンだった。僕らの後ろを着いてきていたゴブリンだ。
ゴブリンは街の男性たちから一斉に袋叩きに遭い、見てるこっちが痛くなるほどだった。ゴブリンは必死に何かを言おうともがいていたが、彼らはその隙を与えずゴブリンに暴行を振るう。
僕は咄嗟に走り出し、気付けばゴブリンの前に立っていた。
「あらあら、困ったさんねぇ……」
灰冶さんが後ろでそう呟いていたが、今の僕には聞こえていなかった。
建物は自然と調和したような建築が多く、木造の家がメインだった。中には木、そのものを上手く利用した家もあって、なかなかにファンタジーだ。僕は賑やかなその街にすぐに心を奪われてしまった。
「良い街ですね」
「ふふ、気に入った?」
「はい!」
「それは良かったわ」
灰冶さんはご機嫌そうにニッコリ微笑んで、街の中心部へと向かった。街の中心部は円状に露店や出店が並んでおり、所謂市場のようになっていた。他の街にも行って思ったけど、この世界では露店や出店がメインで、あまりスーパーみたいな所は見かけない。アキラくんとよく買い出しに行くところは都会でスーパーとかもあるけど、基本的にはこういう店の売り出し方が普通なんだな。
僕は街並みをしみじみと眺めながら、灰冶さんの後を着いていく。灰冶さんは色んなものに目移りしていて、あっちやこっちやと足を進めては止めて、色んなものを興味深そうに見ていた。僕には何が何だかイマイチわからないけれど、灰冶さんが気に入って見てるのだからきっと良いものなのだろうと、勝手に思っていた。
「ん? これ」
灰冶さんが何か見ている横で、僕は目に付いた気になる石を拾い上げた。それは他のものとは違っていて、直径一センチほどの小さな鉱石にも関わらず、妙な存在感を放っていた。
「おや、お客さん、お目が高いねぇ。それ、たまたま帰り道に拾った鉱石なんだけどね、ゴブリンの住む鉱山にしかない鉱石なんだよ。きっとどこかのゴブリンが落としてった物なんだろうけど、ありがたく商品として扱わせてもらってるんだ」
店のおじさんの説明によると、どうやらゴブリンの住む鉱山でしか取れないものならしい。こんな小さな鉱石にも価値があるんだな。
僕はその鉱石の価値がわからずに、色んな角度から見ていると、灰冶さんが少し興奮した様子で横から割って入ってきた。
「これはかなり希少なものね。なかなかお目にかかれるものじゃないわよ。拓斗、よく見つけたわ! 偉いわよ~!」
「うっ」
灰冶さんはまた、僕の頭をわしゃわしゃと撫で回した。人前でやられるととても恥ずかしい。これが桜なら、褒めて遣わす! とか言って冗談を言い合えるのだが、こうやって面と向かって褒められるとどうしたら良いかわからないものだ。
僕は真っ赤になる顔を片手であおぎながら、その鉱石を灰冶さんに渡した。灰冶さんは自前のルーペを取り出して、その鉱石を三百六十度、隅々まで丁寧に観察していた。
「いいわ。質も良い。買ったわ!」
「お! お客さん、太っ腹だねぇ。でも大丈夫かい? これは小さいと言っても結構値が張るよ?」
「いくらでも出すわ。店主、お会計をお願い」
「まいど! 三万円ね!」
「三万!?」
僕は店のおじさんが言った値段に驚愕した、
あんな一センチほどしかない鉱石が!? そして、それを平然と買う灰冶さんも何なんだ。僕、よく思うけど、お金が無限にあるからか、針山家のみんなはちょっと金銭感覚狂ってると思う。
「ふぅ、良い買い物をしたわ。拓斗、貴方も何か欲しいものがあるなら遠慮なく言いなさいね」
そして、当然のように僕にも何か買ってくれる。僕は僕で、一応働いた分の軽い給料は貰っている。それで自分の欲しいものを買いたいのだが、みんながこうやって甘やかしてくるから、お金は貯まる一方だ。まぁ、僕が街で住むことになったら、この貯金は糧となるだろうけど、ちゃんと自立しなきゃなと思う。
そうやってしばらく店を物色している時のことだった。事件は起きた。
「きゃあああ! ゴブリンよー!」
突然、街の中で女の人の悲鳴が上がった。ゴブリンという言葉に僕はギョッとして、すぐにその声がした方へと視線を向けた。同じようにたくさんの人が声のした方に視線を集め、その視線の先にいたのは紛れもないあのゴブリンだった。僕らの後ろを着いてきていたゴブリンだ。
ゴブリンは街の男性たちから一斉に袋叩きに遭い、見てるこっちが痛くなるほどだった。ゴブリンは必死に何かを言おうともがいていたが、彼らはその隙を与えずゴブリンに暴行を振るう。
僕は咄嗟に走り出し、気付けばゴブリンの前に立っていた。
「あらあら、困ったさんねぇ……」
灰冶さんが後ろでそう呟いていたが、今の僕には聞こえていなかった。
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