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8話目!優輝の章 灰色から色付く世界
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「勝負しろ……」
竜の姿をした炎が低く唸るようにそう言った。少年たちは、怯えたままオウム返しにその意味を尋ねた。
「しょ、勝負……?」
「汝らの魂を賭けて勝負しろ……。逃げることは許さん。逃げるなら問答無用で貴様らの魂を奪う」
「ヒッ! そんな!」
「だ、だから僕はこんなこと反対だったんだ!」
「どうするんだよ!」
少年たちはパニックになり、一番気の強い少年に八つ当たりをする。こういう時、人は自分のせいだと認めたくなくて、誰かに責任を押し付けなければやってられないのだろう。
「勝負は簡単だ。我の出す質問に答えろ。正解であれば、貴様らの命は見逃してやる。ただし、不正解だった場合――」
少年たちは、固唾と息を飲み、竜の姿をした炎が次に話す言葉を待った。竜の姿をした炎は一呼吸置いてから、咆哮を上げるように大きく迫力のある声でその言葉の続きを言い放った。
「貴様らの魂を頂く!」
「そ、そんなぁっ!」
「ひっ、お母さ~ん!」
「た、助けて……」
竜の姿をした炎の化け物に怯える少年たちを見て、僕は思わず助けに行こうとした。けれど、優輝さんにグッと手首を掴まれ、それを阻止される。
「ゆ、優輝さん……!」
「大丈夫、大丈夫、あんなクソガキにはもう少しお灸を添えたら良いんだよ」
下賎に笑う優輝さんに対し、僕は何も言えなくなり、仕方なくその場に留まった。ライリーくんの方をちらりと見ると、ライリーくんもどうしたら良いのかわからないようで、拳は握っているものの、複雑そうな顔をして彼らを見つめていた。それもその筈。自分を虐めてた奴らが酷い目に遭おうとしているのだ。最悪死んでしまえとも思うだろう。けれど、実際にそれを前にすると、何が正しいのか分からなくなるものだ。僕らは再び彼らの様子を黙って見守った。
「勝負を受けるのか受けないのか」
竜の姿をした炎に問いかけられ、少年たちは震える声で、何とか声を絞り出して答えた。
「う、受ける……!」
勝負を受けなくても魂が取られるのだ。そう答える以外に選択肢は無い。
「良かろう」
竜の姿をした炎は深く頷き、勝負に関する説明を補足した。
「制限時間は一分。一度答えを出せばその答えを回答と看做す。よく考えて答えるが良い」
少年たちは震えたまま返事をすることも出来ず、ただ小さく頷いた。竜の姿をした炎は少し高く舞い上がり、彼らに質問を投げかけた。
「生き物全てには命が、魂がある。全ての生き物において命の重さとは平等か、不平等か。さぁ、答えよ!」
竜の姿をした炎がバッと熱風を巻き起こし、僕らの頬を激しく焼いた。茂みに隠れている僕らですら熱い。一瞬吹き抜けた熱風に少年たちは汗を掻くどころか逆に凍りついてしまった。
「な、なんだよ、それ! わ、わかるはずない!」
「どうすんだよ、なぞなぞとかじゃないのかよ!」
「わかんないよ……、誰か助けてー!」
少年のうちの一人はパニックのあまり、声を上げて泣き出してしまった。
「な、泣くなよ!」
他の二人は恐怖に怯えながらも、懸命に答えを考えた。
「びょ、平等だったら犯罪者とかの命も同じくらい大切だってことになるよな!?」
「で、でも人は生まれながらに平等だってなんかの本に書いてあった!」
「な、なんだよ、その本! じゃあ蟻んことかの虫も同じだってぇのか!?」
「知らねぇよそんなこと! 大体、お前がこんなとこ行くって言い出したのが悪いんじゃんかよ!」
「はぁ!? オレのせいかよ! だったらお前は来なきゃ良かっただろ!」
少年たちは答えを考える筈が、いつの間にか誰のせいでこうなっただの口論になっていた。今は冷静な判断もできないだろうから無理もない事だが。すると泣いていた少年が発狂しがちに声を荒らげて二人の間に割って入った。
「それより今は答えを考えてよ! ボクら死んじゃうかもしれないんだよ!」
その悲痛な声に、少年たちは争うのを辞めて、「ご、ごめん……」と、小さく謝った。しかし、そのお陰で一旦冷静になる事が出来て、彼らは再び話し合いを始めた。
「オレは命の重さは不平等だと思う。虫や動物もオレたちと同じ命の重さなわけが無い」
「でも神様は命は平等だってよく言ってるぜ」
「お前神様に会ったことあんのかよ!」
「な、ないけど……」
そこで再び少年たちは黙り込んでしまった。誰も喋り出さないのを見て、一番気の強い少年がここぞとばかりに口を開いた。
「特に反論ないなら不平等だってことで良いか」
「え、でも……。いや……」
「……ボクはみんなの答えに従う」
命は平等だと主張していた少年も、完全に自分の答えに自信は持てないのか、暫く黙り込んでから、意を決したように気の強い少年を見た。
「分かった。お前に任せる……」
少年は渋々と言った感じだったが、これ以上時間も残ってはおらず、話し合うことを諦めた様だった。
「確かに、虫とかまで命の重さが同じだとは考えにくいしな……」
三人の意見が纏まったところで、彼らを代表して、一番気の強い少年が竜の姿をした炎の前に行き、答えを出した。少年の額からは無数の汗が滲み出ており、そこから焦りと恐怖が窺える。少年は自分を落ち着かせるように大きく深呼吸し、ゆっくりと息を吐いてから答えを言い放った。
「答えは不平等だ!」
「…………」
竜の姿をした炎は暫く黙り込んだ。そして――
竜の姿をした炎が低く唸るようにそう言った。少年たちは、怯えたままオウム返しにその意味を尋ねた。
「しょ、勝負……?」
「汝らの魂を賭けて勝負しろ……。逃げることは許さん。逃げるなら問答無用で貴様らの魂を奪う」
「ヒッ! そんな!」
「だ、だから僕はこんなこと反対だったんだ!」
「どうするんだよ!」
少年たちはパニックになり、一番気の強い少年に八つ当たりをする。こういう時、人は自分のせいだと認めたくなくて、誰かに責任を押し付けなければやってられないのだろう。
「勝負は簡単だ。我の出す質問に答えろ。正解であれば、貴様らの命は見逃してやる。ただし、不正解だった場合――」
少年たちは、固唾と息を飲み、竜の姿をした炎が次に話す言葉を待った。竜の姿をした炎は一呼吸置いてから、咆哮を上げるように大きく迫力のある声でその言葉の続きを言い放った。
「貴様らの魂を頂く!」
「そ、そんなぁっ!」
「ひっ、お母さ~ん!」
「た、助けて……」
竜の姿をした炎の化け物に怯える少年たちを見て、僕は思わず助けに行こうとした。けれど、優輝さんにグッと手首を掴まれ、それを阻止される。
「ゆ、優輝さん……!」
「大丈夫、大丈夫、あんなクソガキにはもう少しお灸を添えたら良いんだよ」
下賎に笑う優輝さんに対し、僕は何も言えなくなり、仕方なくその場に留まった。ライリーくんの方をちらりと見ると、ライリーくんもどうしたら良いのかわからないようで、拳は握っているものの、複雑そうな顔をして彼らを見つめていた。それもその筈。自分を虐めてた奴らが酷い目に遭おうとしているのだ。最悪死んでしまえとも思うだろう。けれど、実際にそれを前にすると、何が正しいのか分からなくなるものだ。僕らは再び彼らの様子を黙って見守った。
「勝負を受けるのか受けないのか」
竜の姿をした炎に問いかけられ、少年たちは震える声で、何とか声を絞り出して答えた。
「う、受ける……!」
勝負を受けなくても魂が取られるのだ。そう答える以外に選択肢は無い。
「良かろう」
竜の姿をした炎は深く頷き、勝負に関する説明を補足した。
「制限時間は一分。一度答えを出せばその答えを回答と看做す。よく考えて答えるが良い」
少年たちは震えたまま返事をすることも出来ず、ただ小さく頷いた。竜の姿をした炎は少し高く舞い上がり、彼らに質問を投げかけた。
「生き物全てには命が、魂がある。全ての生き物において命の重さとは平等か、不平等か。さぁ、答えよ!」
竜の姿をした炎がバッと熱風を巻き起こし、僕らの頬を激しく焼いた。茂みに隠れている僕らですら熱い。一瞬吹き抜けた熱風に少年たちは汗を掻くどころか逆に凍りついてしまった。
「な、なんだよ、それ! わ、わかるはずない!」
「どうすんだよ、なぞなぞとかじゃないのかよ!」
「わかんないよ……、誰か助けてー!」
少年のうちの一人はパニックのあまり、声を上げて泣き出してしまった。
「な、泣くなよ!」
他の二人は恐怖に怯えながらも、懸命に答えを考えた。
「びょ、平等だったら犯罪者とかの命も同じくらい大切だってことになるよな!?」
「で、でも人は生まれながらに平等だってなんかの本に書いてあった!」
「な、なんだよ、その本! じゃあ蟻んことかの虫も同じだってぇのか!?」
「知らねぇよそんなこと! 大体、お前がこんなとこ行くって言い出したのが悪いんじゃんかよ!」
「はぁ!? オレのせいかよ! だったらお前は来なきゃ良かっただろ!」
少年たちは答えを考える筈が、いつの間にか誰のせいでこうなっただの口論になっていた。今は冷静な判断もできないだろうから無理もない事だが。すると泣いていた少年が発狂しがちに声を荒らげて二人の間に割って入った。
「それより今は答えを考えてよ! ボクら死んじゃうかもしれないんだよ!」
その悲痛な声に、少年たちは争うのを辞めて、「ご、ごめん……」と、小さく謝った。しかし、そのお陰で一旦冷静になる事が出来て、彼らは再び話し合いを始めた。
「オレは命の重さは不平等だと思う。虫や動物もオレたちと同じ命の重さなわけが無い」
「でも神様は命は平等だってよく言ってるぜ」
「お前神様に会ったことあんのかよ!」
「な、ないけど……」
そこで再び少年たちは黙り込んでしまった。誰も喋り出さないのを見て、一番気の強い少年がここぞとばかりに口を開いた。
「特に反論ないなら不平等だってことで良いか」
「え、でも……。いや……」
「……ボクはみんなの答えに従う」
命は平等だと主張していた少年も、完全に自分の答えに自信は持てないのか、暫く黙り込んでから、意を決したように気の強い少年を見た。
「分かった。お前に任せる……」
少年は渋々と言った感じだったが、これ以上時間も残ってはおらず、話し合うことを諦めた様だった。
「確かに、虫とかまで命の重さが同じだとは考えにくいしな……」
三人の意見が纏まったところで、彼らを代表して、一番気の強い少年が竜の姿をした炎の前に行き、答えを出した。少年の額からは無数の汗が滲み出ており、そこから焦りと恐怖が窺える。少年は自分を落ち着かせるように大きく深呼吸し、ゆっくりと息を吐いてから答えを言い放った。
「答えは不平等だ!」
「…………」
竜の姿をした炎は暫く黙り込んだ。そして――
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