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気掛かり
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『中等部の時、星の観察で夜、学校に集まったの覚えてる?』
悠の言葉に、薫子の中の懐かしい記憶の引き出しが開けられる。
「冬の星座がテーマだったよね...」
夜空に一際目立つ一等星を薫子は見つめた。
『オリオン座の左上の赤い星ベテルギウス。オリオン座の真ん中の三ツ星から左下に伸ばしたところにある白く輝く星、おおいぬ座のシリウス。ベテルギウスとシリウスを線で結んで、左の方へ大きな正三角形を作るようにすると、角のところに現れる明るい星、こいぬ座のプロキオン」
悠の言葉に従って、それぞれの星を目線で繋いでいく。
「冬の、大三角......」
澄み切った冬の夜空に光る星の煌めき。吐き出される白い息。夜空を見上げながら指先で星を指し、解説してくれた悠の柔らかな横顔。
壊れそうなぐらい鳴り響く心臓の音。
全てがまるで今起こっていることかのように鮮やかに蘇り、胸に迫る。
『今、俺は薫子の隣にいないけど...同じ景色を見てる。同じ、思い出を共有してる』
この空の下、私たちは繋がってる。心の中の思い出で、繋がってる。
「うん......」
薫子は涙で詰まった喉をぐっと堪え、頷いた。
薫子がまだ中等部の思い出の余韻に浸りながら静かに夜空を見上げていると、
『あ......』
悠が、何かに気づいたかのような声を出した。
「悠、どうしたの?」
悠は、暫し沈黙した。
『...門の前に、大和が立ってる』
ぇ......
「大和、が?」
こんな時間に...それも、悠に何も告げずに突然現れるなんて......
薫子の胸の中にみるみる不安が広がっていく。
『ごめん。ちょっと、行ってくる...』
「うん...気をつけて」
悠は薫子の返事を確認すると、電話を切った。
大和...どうしたんだろう。
落ち着かないまま窓を閉め、スマホを握り締めたまま部屋の中を歩き回る。
今日、パーティーの途中で抜け出したことと、きっと関係があるんだよね。でもご家族は全員パーティーにいらしたし、身内関係のことではないとすると......
もしかして......美姫のことで、何かあったの? 美姫と連絡がつかないことと、関係があるの?
そう思ったら居ても立ってもいられず、薫子はすぐにでも悠に電話して大和から真相を聞き出したい思いに駆られたが、それを必死に抑えた。
悠なら、ちゃんと連絡してくれるはず。それまで待っていよう......
焦れ焦れとした思いを抱えながら待つ時間はとても長く思えた。
30分程して、ようやく薫子のスマホにLINEが入ったことを知らせる音が鳴った。急いでLINEを開く。
『大和が泊まることになった。何も事情は話したくないみたいだから、そっとしておくことにする。
また、連絡する』
泊まる、って......
大和は一人暮らしで、悠は実家。泊まりに行くことなんて、普通にないのに。しかも、明日は大学もあるのに、こんなの...普通じゃない。
何が、あったの......
でも、悠は大和には何も聞かないつもりみたいだし、私が問い詰めることも出来ない。
どうしても、美姫と何かあったんじゃないかって考えてしまう。
どうか...私の思い過ごしであって欲しい......
悠の言葉に、薫子の中の懐かしい記憶の引き出しが開けられる。
「冬の星座がテーマだったよね...」
夜空に一際目立つ一等星を薫子は見つめた。
『オリオン座の左上の赤い星ベテルギウス。オリオン座の真ん中の三ツ星から左下に伸ばしたところにある白く輝く星、おおいぬ座のシリウス。ベテルギウスとシリウスを線で結んで、左の方へ大きな正三角形を作るようにすると、角のところに現れる明るい星、こいぬ座のプロキオン」
悠の言葉に従って、それぞれの星を目線で繋いでいく。
「冬の、大三角......」
澄み切った冬の夜空に光る星の煌めき。吐き出される白い息。夜空を見上げながら指先で星を指し、解説してくれた悠の柔らかな横顔。
壊れそうなぐらい鳴り響く心臓の音。
全てがまるで今起こっていることかのように鮮やかに蘇り、胸に迫る。
『今、俺は薫子の隣にいないけど...同じ景色を見てる。同じ、思い出を共有してる』
この空の下、私たちは繋がってる。心の中の思い出で、繋がってる。
「うん......」
薫子は涙で詰まった喉をぐっと堪え、頷いた。
薫子がまだ中等部の思い出の余韻に浸りながら静かに夜空を見上げていると、
『あ......』
悠が、何かに気づいたかのような声を出した。
「悠、どうしたの?」
悠は、暫し沈黙した。
『...門の前に、大和が立ってる』
ぇ......
「大和、が?」
こんな時間に...それも、悠に何も告げずに突然現れるなんて......
薫子の胸の中にみるみる不安が広がっていく。
『ごめん。ちょっと、行ってくる...』
「うん...気をつけて」
悠は薫子の返事を確認すると、電話を切った。
大和...どうしたんだろう。
落ち着かないまま窓を閉め、スマホを握り締めたまま部屋の中を歩き回る。
今日、パーティーの途中で抜け出したことと、きっと関係があるんだよね。でもご家族は全員パーティーにいらしたし、身内関係のことではないとすると......
もしかして......美姫のことで、何かあったの? 美姫と連絡がつかないことと、関係があるの?
そう思ったら居ても立ってもいられず、薫子はすぐにでも悠に電話して大和から真相を聞き出したい思いに駆られたが、それを必死に抑えた。
悠なら、ちゃんと連絡してくれるはず。それまで待っていよう......
焦れ焦れとした思いを抱えながら待つ時間はとても長く思えた。
30分程して、ようやく薫子のスマホにLINEが入ったことを知らせる音が鳴った。急いでLINEを開く。
『大和が泊まることになった。何も事情は話したくないみたいだから、そっとしておくことにする。
また、連絡する』
泊まる、って......
大和は一人暮らしで、悠は実家。泊まりに行くことなんて、普通にないのに。しかも、明日は大学もあるのに、こんなの...普通じゃない。
何が、あったの......
でも、悠は大和には何も聞かないつもりみたいだし、私が問い詰めることも出来ない。
どうしても、美姫と何かあったんじゃないかって考えてしまう。
どうか...私の思い過ごしであって欲しい......
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