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白状
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成人式のある三連休を控えた、金曜日。
薫子は陽子に呼び出され、講義室の空き教室にいた。
「薫子......年が明けてから様子が変だけど、本当に何があったの? なんでちゃんと言ってくれないの? クリスマスパーティーの後、薫子の家に行って、色々話せて薫子と近づけたと思って嬉しかったのに......
友達だと思ってたのは、私だけだったの!?」
苦しそうに眉を歪めた陽子に詰め寄られ、薫子は思わず後退りする。
「そ、んなことない。私だって...陽子のこと、大事な友達だと思ってる」
「じゃあ、なんで何も話してくれないの?」
陽子の瞳が悲しげに揺れた。その表情に、薫子の心が激しく動揺する。
私も、美姫が何かあったのに話してくれなくて、すごく悲しかった。もし私が何も話さずに、陽子の元を離れてしまったら……きっと陽子は私に腹立ちや悲しみ、怒りをぶつけることができず、もう友達だとは思ってくれないだろう......
そんなの、嫌。
やっぱり......陽子には、ちゃんと話したい......
薫子は拳を握りしめ、陽子をまっすぐに見つめた。
「......悠と、成人式の日に駆け落ちすることにしたの」
「え...」
今度は陽子が驚いて仰け反った。
「正式に婚約が発表されてしまって、私たちの力ではもう婚約を破棄することなど出来ない。
でも、どうしても一緒にいたいから......悠と話し合って、決めたの」
陽子は薫子を見つめたまま、瞬きすら忘れて凝視していた。
長い沈黙の後、陽子がか細い声で言った。
「そ、れは...他に、誰か知ってるの?」
「大和と...美姫が、協力してくれることになってる」
陽子には黙って去ろうとしていたのに、彼らには協力を仰いでいることを後ろめたく思い、薫子は小さな声で告げた後、俯いた。
それから、また長い沈黙。
陽子は、何か考えを巡らしているようだった。
「わかった。私も青海学園の成人式に出席する」
「え......だって、陽子は地元の成人式に出席するって......」
薫子は思いもよらなかった陽子の言葉に目を見張り、慌てて言葉を繋ぐ。
「いいの! 地元の友達とはしょっちゅう会ってるんだし、地方の子だってお盆とかお正月の時には会えるんだから。それに、青海学園の成人式って有名人招いて講演会とかするんでしょ?ちょっと興味あったんだよねぇ」
陽子は気軽に答えた。
「でも...」と言いかけた薫子の言葉を、陽子が遮る。
「それで、ふたりの旅立ちを見送らせてよ。仲良くなってから期間は短いけどさ、私は薫子のこと、本当に友達だと思ってるんだから。
...それくらい、させてよ......」
言いながら、陽子の瞳がみるみる潤み出す。一方薫子は、陽子よりも前に、既に目尻から涙が溢れて頬を伝っていた。
「陽子......ありがとう。ごめんね。ごめん、ね......」
せっかく友達になってくれたのに。大切で、これからももっと楽しい時間を共有したいと思ってたのに。
こんな形で別れてしまうことになって、ごめんね......
肩を小刻みに震わせる薫子を陽子が力強く引き寄せ、抱き締めた。小柄な薫子は、陽子にすっぽりと包まれる。
「何、謝ってんの。幸せな旅立ちでしょ、好きな人と一緒になれるんだから」
寂しさの色を残しながらも、温かく穏やかな陽子の声に、薫子はまるで春の日差しに柔らかく包まれているような気持ちになった。
「うん......」
薫子は陽子に呼び出され、講義室の空き教室にいた。
「薫子......年が明けてから様子が変だけど、本当に何があったの? なんでちゃんと言ってくれないの? クリスマスパーティーの後、薫子の家に行って、色々話せて薫子と近づけたと思って嬉しかったのに......
友達だと思ってたのは、私だけだったの!?」
苦しそうに眉を歪めた陽子に詰め寄られ、薫子は思わず後退りする。
「そ、んなことない。私だって...陽子のこと、大事な友達だと思ってる」
「じゃあ、なんで何も話してくれないの?」
陽子の瞳が悲しげに揺れた。その表情に、薫子の心が激しく動揺する。
私も、美姫が何かあったのに話してくれなくて、すごく悲しかった。もし私が何も話さずに、陽子の元を離れてしまったら……きっと陽子は私に腹立ちや悲しみ、怒りをぶつけることができず、もう友達だとは思ってくれないだろう......
そんなの、嫌。
やっぱり......陽子には、ちゃんと話したい......
薫子は拳を握りしめ、陽子をまっすぐに見つめた。
「......悠と、成人式の日に駆け落ちすることにしたの」
「え...」
今度は陽子が驚いて仰け反った。
「正式に婚約が発表されてしまって、私たちの力ではもう婚約を破棄することなど出来ない。
でも、どうしても一緒にいたいから......悠と話し合って、決めたの」
陽子は薫子を見つめたまま、瞬きすら忘れて凝視していた。
長い沈黙の後、陽子がか細い声で言った。
「そ、れは...他に、誰か知ってるの?」
「大和と...美姫が、協力してくれることになってる」
陽子には黙って去ろうとしていたのに、彼らには協力を仰いでいることを後ろめたく思い、薫子は小さな声で告げた後、俯いた。
それから、また長い沈黙。
陽子は、何か考えを巡らしているようだった。
「わかった。私も青海学園の成人式に出席する」
「え......だって、陽子は地元の成人式に出席するって......」
薫子は思いもよらなかった陽子の言葉に目を見張り、慌てて言葉を繋ぐ。
「いいの! 地元の友達とはしょっちゅう会ってるんだし、地方の子だってお盆とかお正月の時には会えるんだから。それに、青海学園の成人式って有名人招いて講演会とかするんでしょ?ちょっと興味あったんだよねぇ」
陽子は気軽に答えた。
「でも...」と言いかけた薫子の言葉を、陽子が遮る。
「それで、ふたりの旅立ちを見送らせてよ。仲良くなってから期間は短いけどさ、私は薫子のこと、本当に友達だと思ってるんだから。
...それくらい、させてよ......」
言いながら、陽子の瞳がみるみる潤み出す。一方薫子は、陽子よりも前に、既に目尻から涙が溢れて頬を伝っていた。
「陽子......ありがとう。ごめんね。ごめん、ね......」
せっかく友達になってくれたのに。大切で、これからももっと楽しい時間を共有したいと思ってたのに。
こんな形で別れてしまうことになって、ごめんね......
肩を小刻みに震わせる薫子を陽子が力強く引き寄せ、抱き締めた。小柄な薫子は、陽子にすっぽりと包まれる。
「何、謝ってんの。幸せな旅立ちでしょ、好きな人と一緒になれるんだから」
寂しさの色を残しながらも、温かく穏やかな陽子の声に、薫子はまるで春の日差しに柔らかく包まれているような気持ちになった。
「うん......」
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