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乱心
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美姫とばあやが駆け寄り、薫子を押さえ付けた。
「薫子、落ち着いて!」
「お嬢様っっ!」
「離してっ!離してーーーーーっっ!!!
悠!悠!悠!助けてっ!助けて!助けてーーーーーーっ!!!」
華子は目を見開き、口を抑え、吃驚していた。
娘のこんな激しい感情を見たのは初めてだった。何事にも意見することなく、従順だった娘の変貌にどうしていいか分からなかった。
「ッハァッ...ハァッ、ハァッッハァァァァッ!!!!!」
薫子が過呼吸を起こし、唇が震えている。手足も痺れ、躰がふらついていた。
美姫が薫子を抱き抱えたまま座り、膝の上に彼女を乗せる。
「薫子、落ち着いて。落ち着いて呼吸...ゆっくり息を吸って......ゆっくり息を吐いて......」
パニックを起こした経験がある美姫は、自分がされた時のように薫子にゆっくりと呼吸をするように促した。だが薫子は、天井が回るほどの目眩と胸を強く押されるような痛みと息苦しさでパニックを起こしていた。
「ウゥッ苦し、いっ...くる、し...ック......」
もう声さえ出すことができず、ボーッと頭に靄がかかったようになる。
頭が靄で重くなっていく中、薫子の意識は途切れた。
「......申し訳ありませんが、薫子様をベッドへお運びするのを手伝って頂いてもよろしいですか」
ばあやの声に、薫子を抱き締めていた美姫はハッとした。
「は、はい」
ふたりで慎重に薫子を持ち上げ、ベッドに運ぶ。陽子が羽毛布団を捲り、横たえた薫子の上に掛けた。
薫子はぐったりとし、鼻元に耳を近づけなければ感じられないほどの虫の息だが、息が止まる心配はなさそうだった。
薫子をベッドに寝かせると、ばあやが美姫と陽子に顔を向けた。
「お嬢様のことは私がお世話しますので、どうぞおふたりは病院へ向かわれて下さい」
ふたりは薫子のことが気がかりだったものの、ここにいても何か出来るわけではないし、何より悠の状態が心配だったため、ばあやの言葉に従うことにした。
「薫子を、どうかよろしくお願いします」
美姫が頭を下げると、
「私......また後で来ます」
陽子が声を掛け、ふたりは連れ立って薫子の部屋から出て行った。
ふたりがいなくなると、ばあやは早速主治医に電話し、至急来てもらうように頼んだ。
そして、未だ呆然としたままの華子に声をかける。
「華子様......旦那様に怪しまれてしまいます。どうぞ、パーティーにお戻り下さい」
その言葉に、華子は意識を呼び戻された。
「で、でも...薫子さんが......」
「薫子様のことは私が責任を持って看病しますので、大丈夫です。
さ、早く......」
ばあやに促され、華子は仕方なく頷くと、薫子をそっと見つめた。苦しそうな表情を浮かべる薫子に心臓が掴まれたような苦しさを覚え、後ろ髪を引かれながらも部屋を出て行く。
後に残されたばあやは、一人深い溜息を吐いた。
「どうして、このようなことに......」
「薫子、落ち着いて!」
「お嬢様っっ!」
「離してっ!離してーーーーーっっ!!!
悠!悠!悠!助けてっ!助けて!助けてーーーーーーっ!!!」
華子は目を見開き、口を抑え、吃驚していた。
娘のこんな激しい感情を見たのは初めてだった。何事にも意見することなく、従順だった娘の変貌にどうしていいか分からなかった。
「ッハァッ...ハァッ、ハァッッハァァァァッ!!!!!」
薫子が過呼吸を起こし、唇が震えている。手足も痺れ、躰がふらついていた。
美姫が薫子を抱き抱えたまま座り、膝の上に彼女を乗せる。
「薫子、落ち着いて。落ち着いて呼吸...ゆっくり息を吸って......ゆっくり息を吐いて......」
パニックを起こした経験がある美姫は、自分がされた時のように薫子にゆっくりと呼吸をするように促した。だが薫子は、天井が回るほどの目眩と胸を強く押されるような痛みと息苦しさでパニックを起こしていた。
「ウゥッ苦し、いっ...くる、し...ック......」
もう声さえ出すことができず、ボーッと頭に靄がかかったようになる。
頭が靄で重くなっていく中、薫子の意識は途切れた。
「......申し訳ありませんが、薫子様をベッドへお運びするのを手伝って頂いてもよろしいですか」
ばあやの声に、薫子を抱き締めていた美姫はハッとした。
「は、はい」
ふたりで慎重に薫子を持ち上げ、ベッドに運ぶ。陽子が羽毛布団を捲り、横たえた薫子の上に掛けた。
薫子はぐったりとし、鼻元に耳を近づけなければ感じられないほどの虫の息だが、息が止まる心配はなさそうだった。
薫子をベッドに寝かせると、ばあやが美姫と陽子に顔を向けた。
「お嬢様のことは私がお世話しますので、どうぞおふたりは病院へ向かわれて下さい」
ふたりは薫子のことが気がかりだったものの、ここにいても何か出来るわけではないし、何より悠の状態が心配だったため、ばあやの言葉に従うことにした。
「薫子を、どうかよろしくお願いします」
美姫が頭を下げると、
「私......また後で来ます」
陽子が声を掛け、ふたりは連れ立って薫子の部屋から出て行った。
ふたりがいなくなると、ばあやは早速主治医に電話し、至急来てもらうように頼んだ。
そして、未だ呆然としたままの華子に声をかける。
「華子様......旦那様に怪しまれてしまいます。どうぞ、パーティーにお戻り下さい」
その言葉に、華子は意識を呼び戻された。
「で、でも...薫子さんが......」
「薫子様のことは私が責任を持って看病しますので、大丈夫です。
さ、早く......」
ばあやに促され、華子は仕方なく頷くと、薫子をそっと見つめた。苦しそうな表情を浮かべる薫子に心臓が掴まれたような苦しさを覚え、後ろ髪を引かれながらも部屋を出て行く。
後に残されたばあやは、一人深い溜息を吐いた。
「どうして、このようなことに......」
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