【R１８】初恋が実る時 ー対立する財閥令嬢と子息の密かな恋愛ストーリーー

後悔

３

　薫子は、深い谷底へ真っ逆さまに落ちていくようだった。

　目の前が真っ暗になる。

　わた、しの....私の、せいだ......

　私が覚悟を決められなかったから。不安になってしまったから。空港に行けなかったから。
　悠を、ここに迎えに来させようとしてしまったから......

　悠、が...事故、に......
　私の、せいで......

「ｯｸﾞ...ﾋｸﾞｯ......ゆｳｳﾞ...ｯｸ......うｩ......」

『何があっても君は、俺が一生かけて守るから。
　信じて、ついて来て欲しい......』

　悠は、そう言ってくれていたのに。
　私と、新しい未来を築こうとしてくれていたのに......

『悠......ずっとそばにいて。私は、貴方のいない人生なんて考えられない。
　悠と一緒なら......どんなことでも乗り越えていけるって信じてる』

　私は、そう言ったはずだったのに......

　どうして私は、不安になってしまったの。怖れを抱いてしまったの。
　動くことが...出来なかったの......

　悠のことだけ信じて、悠だけを想って、あの胸に、迷いなく飛び込んでいけばよかった。

　なんで、なんで、私は......!!!


「ｯｯアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーｯｯ!!!!!!」


　まるでダムが決壊したかのように混沌した感情を抑えきれず、薫子は大声をあげて号泣した。

　ごめん...ごめ、なさい......悠......
　お願い...どうか......どうか......死な、ないで......

　私を、置いていかないで......

　貴方は......私の、全てなの。
　悠が...悠がいなければ、私の人生に意味なんてない。

　どうか......悠を、私から奪わないで下さい
　私の愛しい人を、どうか助けて......

　悠が助かるなら、どんな犠牲も喜んで受け入れます。
　どんな罰でも、受けますから...

　どうか、どうか.......